5月6日は「ふりかけの日」
「ふりかけの日」は、いつもの食卓をちょっと贅沢にするチャンス! こだわりのふりかけで、ご飯をもっと美味しく楽しみましょう。
由来
ふりかけの元祖のひとつは、熊本県の薬剤師・吉丸末吉が考案した「御飯の友」といわれています。吉丸末吉氏の誕生日が5月6日であることから、国際ふりかけ協議会がこの日を「ふりかけの日」に制定しました。
ふりかけの起源
ふりかけの歴史は、大正時代までさかのぼります。食糧不足の中で日本人の栄養不足を補うために、乾燥させた食品を砕いてご飯にかける保存食として、数種類のふりかけが各地で発売されました。
当時のふりかけの材料は栄養価の高い魚や昆布といった魚介類が中心で、風味付けのために青のりが入ったシンプルなものです。しかし栄養不足の解決に有効な保存食としては優秀で、戦時下の軍の食料としても利用され、当時は貴重な高級品でした。
第二次世界大戦後、食糧事情が改善されるとともに味を楽しむ一品として一般家庭にもふりかけが広く普及するようになります。普及当初は子ども向けやごくシンプルなものが多かったふりかけですが、食生活の多様化に伴いさまざまな種類のふりかけが発売され、さらなる発展を遂げながら現代にいたります。
ふりかけ人気の背景

この半世紀ほどで、日本での米の消費量は半分以下に減少してしまいました。しかしその一方で、なんとご飯にかける「ふりかけ」は逆に消費が増えています!
日本の食卓ではパンや麺類など白米以外の選択肢が増えましたが、ご飯を食べる際には手軽に味の変化を楽しみたいというニーズも高まっています。ふりかけはまさにこのニーズに応える存在であり、多様な味を手軽に楽しめる点で支持を得ています。
そしてふりかけ自体の多様化も、市場拡大に大きく貢献しています。近年では高級志向の商品や、地域特産の食材を使用したご当地ふりかけなど、多種多様な商品が登場して話題になっています。これにより子どもから大人まで、幅広い層がふりかけを楽しむようになりました。
人気スナックや有名レストランとのコラボレーションなど、斬新なアイデアを取り入れた商品開発も、消費者の関心を惹きつけています。さらに日本食ブームを背景とした外国人観光客の需要も、ふりかけ市場の成長を後押ししています。手軽に日本独特の味が楽しめるふりかけはお土産としても人気が高いのです。
物価高がふりかけ需要に拍車
また食品の値上がりが続く中、家計への影響を考慮して食費を抑えたいという消費者の間でもふりかけの需要は高まっています。
近年の原材料価格の高騰や円安の影響で、食卓に欠かせないさまざまな食品の価格が上昇しています。このような中でふりかけは、手軽にご飯の味を変えることができ、おかずの量を減らしても食事の満足度を維持できるという利点から節約志向の消費者にとって魅力的な選択肢のひとつとなっているのです。
例えば高騰している野菜や魚の代わりにふりかけを使用することで、食費を抑えながらも食事のバリエーションを豊かにできます。また外食を控えて自宅で食事をする機会が増える中で、毎日同じような味付けの食事に飽きてしまうというニーズにもふりかけが適応しています。

今やふりかけはご飯だけでなく、パスタやサラダなどさまざまな料理に「ちょい足し」できる万能調味料としても重宝されています。このような現代社会においてふりかけは、節約志向の消費者にもその需要を拡大させているといえるでしょう。
参考:米食が減っても増える「ふりかけ」の消費|株式会社ナビット
調味料、調味食品、スープ類、めん類、米飯類の国内市場を調査|富士経済グループ
こんなのもある! 変わり種ふりかけを紹介
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超高級ふりかけ
厳選された素材と職人の技が織りなす、至高のふりかけ。普段の食卓はもちろん贈り物にもおすすめの、こだわり抜かれた特別なふりかけをご紹介します。
錦松梅

昭和7年の創業以来、社名をそのまま商品名として使用し続ける高級ふりかけです。鰹節のしっとりした触感に、松の実やなどのアクセントが合わさってまさに絶品。ファミリー向け小袋入りからギフト用の有田焼容器まで、幅広いラインナップも魅力です。
雲月 御所ふりかけ

京都の料亭「雲月」の伝統の一品。小松昆布を細かく刻み、粉かつおと炒りを合わせた、スタンダードながらご飯にぴったりのふりかけです。
昆布・鰹節職人 山崎屋 こだわりの特選国産天然ふりかけ

昆布と鰹節屋の専門店が、素材にこだわりぬいてつくったふりかけです。北海道の天然真昆布、鹿児島県枕崎の天然鰹節、瀬戸内の天然ちりめん、但馬産の朝倉山椒。選りすぐりの材料からつくられたふりかけはシンプルゆえに、ご飯にサラダにお茶漬けにと大活躍です。
ジャンクふりかけ
背徳感、罪悪感がたまらない! ジャンクフードの味もご飯のお供に大変身、食卓で手軽に楽しめるふりかけになりました。
ポテトチップス のり塩味ふりかけ

人気のポテトチップスそのままのパッケージで、ふりかけが登場。乾燥マッシュポテトが風味・食感を再現して、ご飯なのにスナック感があるという不思議な味です。
じゃがバターふりかけ

北海道名物・屋台でもおなじみのじゃがバターがふりかけになりました。北海道産のじゃがいもを使用し、バターの風味がきいた一品は、意外にもご飯と好相性。お弁当・おにぎりにもおすすめです。
タコライス風味ふりかけ

沖縄で生まれた人気料理、タコライス風味のふりかけです。トマトにフライドガーリックなどで味付けし、スパイシーなタコライスの風味を再現しました。
ご当地名物ふりかけ
全国各地には、その土地ならではの名物グルメがあります。そんな地域の食材をふんだんに使用した、ご当地ふりかけを紹介します。
【北海道】成吉思汗(ジンギスカン) ふりかけ

北海道のソウルフード、あのジンギスカンもふりかけに! 地元ベル食品の成吉思汗たれを使用して、地元で愛される味を再現しました。
【秋田】いぶりがっこ生ふりかけ
![【大綱漬】いぶりがっこ生ふりかけ100g[国産の大根・人参・しその実使用]秋田あきたアキタ大綱漬いぶりがっこいぶりふりかけおにぎりお茶漬け冷奴付け合わせご飯のおともおかずお土産おみやげみやげご当地限定](https://shop.r10s.jp/obako/cabinet/03617848/imgrc0183521849.jpg)
伝統的な漬物、いぶりがっこを使ったソフトタイプのふりかけが登場。いぶりがっこの香ばしい風味と食感が絶妙な、ご飯に合うこと間違いなしのプチ贅沢ふりかけです。
【九州】ゆずこしょうふりかけ

九州では定番の調味料、ゆず胡椒。これももちろんご飯にぴったり! ということでふりかけになりました。ピリッとした辛さと鼻に抜けるさわやかな風味で、ご飯が一層すすみます。
洋風ふりかけ
「ふりかけといえばご飯と和食」そんなイメージを吹き飛ばすように、チーズやハーブなど洋食の素材もふりかけ界に参入。意外とご飯のすすむ洋風ふりかけを紹介します。
チートロフレーク プレーン

北海道産魚介類にチーズをブレンドしたふりかけです。ご飯はもちろん、ピザやうどんやお茶漬けにと大活躍。ミネラルたっぷりなのもうれしいところです。
ちりめん山椒 千京(ちひろ) ちりめんバジル入り

ちりめん専門店のちりめん山椒に乾燥バジルをブレンド。意外な組み合わせながらも香り高く、ご飯はもちろん、和風パスタへのアレンジも楽しめるふりかけです。
カツオ×カケル No.6 リッチコンソメ
花かつおパウダーとビーフコンソメをブレンドした商品です。そのシンプルさから健康志向のふりかけとしても、サラダなどにかけても幅広く楽しめます。
ネタふりかけ
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島とうがらし のりふりかけ

とにかく辛い! でも食べ始めると止まらない、止められないと噂の激辛ふりかけ。沖縄の島とうがらしと有明産の海苔をふんだんに使った、贅沢ながら厳重注意の一品です。
香るふりかけ しそとレモン
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マジックふりかけ 日本の味シリーズ

見た目は何の変哲もない普通のペン、しかし中身はなんとふりかけ! 学校で、仕事場で、ランチタイムに取り出すと周囲がすること間違いなしのおもしろふりかけです。色違いで揃えてペンケースに入れるのも楽しそうですね。
「食卓の救世主」バリエーションは無限!
かつて栄養不足を補うために生まれたふりかけは、現在では多様なニーズに応える存在へと進化を遂げました。定番の味はもちろん、高級食材を用いたものから地域の特産品を生かしたご当地ふりかけ、本当にふりかけ!?とするようなものまで、そのバリエーションは無限に広がっています。
食品の値上がりが続く現代社会において、ふりかけは食卓の救世主となる存在ともいえるでしょう。「ふりかけの日」は、過去の知恵と現代のニーズが融合し、新たな食文化を創造する象徴的な日です。これを機会に、新たなふりかけの扉を開いてみませんか?
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構成・文/HugKum編集部