「順風満帆」とは?
読み方と意味
まずは読み方と意味を確認しておきましょう。この言葉は『順風満帆』と書いて「じゅんぷうまんぱん」と読みます。物事がきわめて快調に進んでいる様子や支障なく経過している状態を表す四字熟語です。「満帆」を「まんぽ」と読み間違えないように気を付けましょう。
「順風満帆」の由来・語源
「順風」は人や船が進む方向に吹く風で、追い風のこと。「満帆」は帆をいっぱいに張ることを意味する言葉です。追い風を受けてスイスイと進む船に例えて、物事が順調に思いどおりに運ぶことを表すようになりました。
あなどれない「順風」の力
『順風満帆』の「順風」は、進行方向に背中を押してくれる風(追い風)を表しています。しかし、風を重要視するのは決して海の上だけではありません。

例えば陸上競技のトラック種目である短距離や跳躍種目では、「追い風」の風速が基準値以下の場合しか公式記録として認められません。風に背中を押された状態の記録は「追い風参考記録」となってしまいます。そのため競技中のトラックには風速計と吹き流しが設置され、常に風向きと風速が計測されています。
予想が難しい風を味方につけることは、運やタイミングがいいとも言えそうですね。
使い方を例文でチェック!
では、『順風満帆』の使い方を例文でチェックしていきましょう。
1:今回の企画は順風満帆にスタートした。
新しい物事が問題なく進行している場合『順風満帆』を使います。
2:新婚生活は順風満帆で、毎日楽しく過ごしています。
結婚生活も時に航海に例えられます。順調な様子を表すには『順風満帆』がぴったりです。
3:一見彼のキャリアは順風満帆に見えますが、実は挫折したこともあったそうです。
ビジネス面で順調に実績を重ねている様子にも『順風満帆』を使います。
類語や言い換え表現は?

では、『順風満帆』を別の言葉で言い換えたい場合、どのような表現を使うことができるのでしょう。『順風満帆』に似た表現を探してみました。
1:とんとん拍子(びょうし)
物事が順調にはかどることや、そのさまを表す「とんとん拍子」。『順風満帆』と同じ状態と言えそうです。
2:万事順調(ばんじじゅんちょう)
物事がすべてにおいて調子よく運ぶことや、とどこおりなくはかどる様子を表す「万事順調」。『順風満帆』と同じく、問題がない様子に使います。
3:一路順風(いちろじゅんぷう)
船が追い風に帆をあげてひたすら進むように、という意味で、『順風満帆』同様、順調な様子を船を使って例えた言葉です。道中の無事を祈って、旅立つ人にかける言葉としても使われます。
4:軌道に乗る(きどうにのる)
物事が計画したとおり順調に進行するようになったときに使う「軌道に乗る」。『順風満帆』と同じく、順調な様子を表す言葉です。
対義語は?
『順風満帆』にはどんな対義語があるのでしょうか。『順風満帆』の反対の意味に当たる言葉をいくつかご紹介します。
1:八方塞がり(はっぽうふさがり)
どの方面にも差し障りがあって、手の打ちようがないという状態の「八方塞がり」。『順風満帆』とは逆の状況と言えそうです。
2:逆風(ぎゃくふう)にさらされる
『順風満帆』とは逆に向かい風(逆風)が吹いている様子から、自分にとって不利な状況や、進行を妨げる出来事が起こっている状態を表した言葉です。
3:波乱万丈(はらんばんじょう)
波が高く荒れ狂う様子から、人生や物事が激しく変動する様子を意味する「波乱万丈」。同じ海にまつわる四字熟語ですが、『順風満帆』とは逆の状況を表しています。
4:多事多難(たじたなん)
事件が多くて、困難が絶えない様子を表した「多事多難」。『順風満帆』とは逆に、うまくいかない状況です。
英語表現は?
では、『順風満帆』は英語ではどのように言い表すことができるのでしょうか。最後に『順風満帆』と言えそうな英語表現をご紹介します。

1:Smooth sailing
「順調な航海」という意味の表現で、『順風満帆』と同じく船に例えた表現です。
2:On a roll
直訳すると“波に乗る”。「絶好調!」や「いい調子!」という意味で使います。こちらも『順風満帆』同様、海の上の表現です。
3:Smoothly up
「滑らかにするすると進む」と言う意味の“Smoothly up”。『順風満帆』に近い意味になります。
「順風満帆」の意味と由来を知って、正しく使ってみましょう。
順調なときに使う『順風満帆』と言う言葉。正しく読んで使ってみてください。
あなたにはこちらもおすすめ

構成・文/kidamaiko