ピアニスト清塚信也さんがナビゲート! フルート奏者がちくわで演奏も!? クラシックの世界への入門にもイチオシ「こども音楽フェスティバル 2025」レポート

2025年5月3日(土・祝)~6日(火・休)の4日間、公益財団法人ソニー音楽財団と公益財団法人サントリー芸術財団サントリーホールがタッグを組み、世界最大級のこども向けクラシック音楽の祭典「こども音楽フェスティバル2025」が開催されました。
今回、初日に行われた「オープニング・ガラ・コンサート~LOVEクラシック!」を、HugKum編集部員が小学2年生の娘と観賞してきました。娘はクラシックコンサートは初めての体験! 楽しめるかな? と親としてはドキドキです。

GWに開催された「こども音楽フェスティバル 2025」

「こども音楽フェスティバル 2025」は、0歳の乳児から未就学児、10代の青少年まで、さまざまな年齢の子どもたちに向けた公演がラインナップされた世界最大級のクラシックイベントです。2022年以来、2度目の開催となった今回は、5月3日(土・祝)~6日(火・休)の4日にわたってサントリーホールおよびアーク・カラヤン広場で行われました。

サントリーホール(大ホール・ブルーローズ)およびアーク・カラヤン広場で開催されました。

クラシックコンサートといっても身構えることはなく、まるでお祭りのような雰囲気。サントリーホール前のアーク・カラヤン広場では大型スクリーンによる中継や屋外ステージでのトークや演奏、ピアニスト角野隼斗さんが全国ツアーで使用したアップライトピアノ「かてぃんピアノ」を弾くことができたりなど、多くのイベントが行われていました。

大人気だった「かてぃんピアノ」。子どもたちが列をなし、順番に好きな曲を演奏していました。

子どもの服装も、セミフォーマルな格好の子から比較的カジュアルな子までさまざまでした。気負わず楽しめるので、クラシックの入門にぴったり。

ピアニスト・清塚信也さんの軽快なトークと共に幕開け

第一回目から引き続き、公式アンバサダー・配信総合パーソナリティに就任されたのは、ピアニストの清塚信也さん。パートナー・パーソナリティであるフリーアナウンサー・高見侑里さんと共に、笑いを交えながらオープニングトークを繰り広げます。

公式アンバサダー・配信総合パーソナリティの清塚信也さんと、パートナー・パーソナリティの高見侑里さん。

そして、清塚さんによるピアノ・ソロ演奏が始まりました。ショパンの曲を次々と弾いていると、途中で「大きなのっぽの古時計」のメロディーが! クラシックになじみのない娘でも、「知ってる!」と興味津々に耳を傾けていました。美しいピアノの音色に、もちろん拍手喝采です。

金管、ヴァイオリン、フルート、オルガン…さまざまな楽器による演奏を堪能

続いてオープニングコンサートらしく、多くの種類の楽器演奏が次々と繰り広げられます。トランペットをはじめとした金管六重奏、ヴァイオリンとピアノのアンサンブル、弦楽合奏、オルガン…などを堪能。日ごろ、こんなに多くのクラシック音楽に触れることはなかなかないので、楽器による音色の違いだけでも楽しめます。

ソプラノ歌手・鷲尾麻衣さんによるオペラ『カルメン』よりハバネラの歌唱では、壮大かつ透明感ある声に圧倒されました。

ソプラノ歌手・鷲尾麻衣さんと、弦楽合奏のフェスティバル・スペシャル・アンサンブルのみなさん。

娘をはじめ、会場の子どもたちが釘付けとなったのが、フルート奏者・多久潤一朗さんの演奏。バレエ組曲『ガイーヌ』より「剣の舞」を弦楽合奏のみなさんと披露したのですが、なんと、フルートだけではなく、ちくわ・空き瓶・コップ・けん玉・スプーン・トイレのすっぽん(ラバーカップ)など、さまざまなもので演奏したのです!

フルートからちくわに持ち替えて美しくテンポの速い音を響かせたときは、会場中から「えええええ!」とどよめきが。子どもたちも「すごーい!!」と大興奮。かくいう筆者も、前のめりで聴き入ってしまいました。

トイレのすっぽん(ラバーカップ)で演奏する多久潤一朗さん。会場は大盛り上がり! 盛大な拍手が贈られました。

演奏の前には、清塚さんが「あなたの《LOVEクラシック!》は?」と奏者に質問。「ヴァイオリンです」「演奏を聴いてくださるみなさん」「穴の空いているもの」(こちらはフルート奏者の多久さんですね)など、個性豊かな回答が挙がっていました。

「0才からのオルガン・コンサート」「クラシックたいそうコンサート」など連日多くの演目が開催されました

筆者親子が観賞したのは初日の「オープニング・ガラ・コンサート」ですが、4日間にわたる開催期間中には多くの演目がラインナップ。『不思議の国のアリス』のアリスとうさぎがストーリー仕立てで紹介するオペラ、0才から入場できるオルガン・コンサート、指揮者・鍵盤楽器奏者の鈴木優人さんとピアニスト・角野隼斗さんのバロック・ライブ、福尾 誠さんが登場したクラシックたいそうコンサートなど…子どもとともにクラシックに親しめるイベントでした。

有料オンライン配信と無料オンライン配信(ライブのみ)もあり、全国各地からイベントに参加できた点もすばらしい取り組みだと感じました。

“Music for All” 誰もが楽しめるインクルーシブなフェスティバル

「こども音楽フェスティバル 2025」では、障がいの有無や年齢、置かれた環境や背景に関わらず、音楽に触れる感動を届けられるよう、クリエイティビティやテクノロジーの力でさまざまな取り組みにチャレンジ。アーク・カラヤン広場では、アクセシビリティやインクルーシブデザインに関する展示・体験ブースが並んでいました。

娘が体験したのは、誰でも演奏に参加できるゆる楽器、ハグドラムやウルトラライトサックス。難聴の子どもたちによる「コエのカタチ」も美しかったです。

たたくとライトと振動を楽しめる「ゆる楽器 ハグドラム」。
難聴の子どもたちによる“声”を視覚化したアート。

アークヒルズギャラリーでは、インクルーシブ・ワークショップも開催。難聴の子どもたちや支援学校に通う子どもたちが制作した「コエのカタチ」「オトのカケラ」を組み合わせて作る「音楽のトートバッグづくり」、コンサートに贈られた祝い花を活用して作る「オリジナル・キーホルダー」など、コンサート以外にも楽しめる点が豊富でした。

子どもと一緒にクラシックの魅力に触れてみよう

一流の音楽家による演奏を、肩肘はらず子どもと楽しめた貴重な体験となりました。イベント後も、「知らない楽器がいっぱいあった!」「金色の大きな楽器(テューバのこと)、重くないのかな」「オルガンの音、きれいだった」とたくさん話しており、娘にとって印象的な1日となったようです。また次回、開催されることを心待ちにしています。

今はYouTubeなどでも子ども向けのクラシック演奏を気軽に聴くことができるので、日常的に多くの音に触れてみようと思います。

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文・構成/HugKum編集部

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