世界でいちばん渋滞がひどいのはメキシコシティ
車で道が混んでいると、「早く着きたいのに!」とイライラしますよね。世界には、渋滞のひどい都市があります。2024~25年の「TomTom Traffic Index」という調査をもとに、世界でもっとも渋滞のひどい国のランキングを見てみましょう。
2024年のデータによると、世界でいちばん渋滞がひどい都市はメキシコのメキシコシティです。ここでは、10キロメートルを車で移動するのに、平均で31分53秒もかかります。メキシコシティは人口が多く、車もたくさん走っているので、道がいつも混んでいるのです。

2位はタイのバンコクです。10キロメートルの移動に21分51秒かかります。筆者も出張で何回もバンコクに行ったことがありますが、確かにひどい渋滞でした。観光地として有名なバンコクは、車やバイクがたくさん走っているうえ、道が狭いところもあるので、すぐに混んでしまいます。
3位はフィリピンのダバオ市です。10キロメートル進むのに32分59秒かかります。ダバオは大きな都市で、車が増えていますが、道がそんなに広くないので、すぐに渋滞になってしまいます。
日本では熊本が4位にランクイン
4位にはなんと日本の熊本がランクインしました。熊本は10キロメートルの移動に32分37秒かかります。
熊本はなぜ渋滞するのでしょうか。
まず、熊本には熊本城やショッピングモールがあり、観光客や地元の人たちがたくさん集まります。特に、多くの人が移動する朝や夕方は、中心部の道が混んでしまいます。また、熊本は車で移動する人がたくさんいることや、大きな道路が少ないのも原因のひとつです。
そのほかの原因として、熊本は2016年に大きな地震があり、現在も道路や建物の工事がたくさん行われています。工事があると、道が狭くなったり車が通れなくなったりするため、これまで以上に渋滞がひどくなったことが考えられます。

渋滞を減らすために、AIを使った信号の調整も
渋滞はなぜ起こるのでしょうか。
まず、人口が多い都市では、車や人も多くなり、道路が足りなくなります。また、道路の作りや信号のタイミングが悪いと、車がスムーズに進めずに渋滞が起こります。さらに、道路工事や事故が起こると、通れない道ができ、もっと混み合います。
渋滞は、時間やガソリンを無駄にするだけでなく、ストレスを増やしたり、空気を汚したりする問題も引き起こします。
しかし、渋滞を減らすために、世界の都市ではあらゆる工夫を行っています。たとえば、ロンドンでは「渋滞税」を取り、車で中心部に入る人にお金を払わせています。これで車の数を減らし、渋滞を緩和しようとしています。ドイツのベルリンやミュンヘンでは、道路を新しくするほか、車以外の交通手段であるバスや電車を増やしています。
日本でも、電車や自転車の利用を働きかけたり、AIを使って信号のタイミングを調整したりする取り組みがあります。私たち一人ひとりも、公共交通機関を使ったり、時間をずらして車を利用したりするなど、工夫をすればもっと快適に移動できるかもしれませんね!
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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。