ワシントンD.Cはアメリカの首都
「ワシントンD.C.」は、 アメリカの首都で、ホワイトハウスや大きな記念碑がある場所です。でも、名前の最後に付いている「D.C.」って何の意味か知っていますか? ワシントンD.C.の「D.C.」の意味や、なぜそんな名前になったのかを考えてみましょう。
「D.C.」の意味は「District of Columbia(ディストリクト・オブ・コロンビア)」
「D.C.」は「District of Columbia(ディストリクト・オブ・コロンビア)」の略です。日本語にすると「コロンビア特別区」という意味です。
ちょっと難しい言葉かもしれませんが、簡単に言うと、ワシントンD.C.はアメリカの他の州とは違う、特別なエリアだということです。この場所は、アメリカの政府が働くための特別な「区」として作られました。
「コロンビア」はアメリカで大切にされていた名前
「コロンビア」という名前は、昔のアメリカでとても大切にされていた名前です。
この名前は、探検家のクリストファー・コロンブス(アメリカ大陸を見つけた人!)からきています。アメリカができたころ、人々はコロンブスを尊敬していて、彼の名前をもとに「コロンビア」という言葉をよく使いました。

たとえば、アメリカの詩や歌でも「コロンビア」は国のシンボルとして登場します。だから、首都の特別な場所にも「コロンビア」という名前が使われたのです。
アメリカの首都は、ほかの都市になる可能性もあった
アメリカが国としてスタートしたとき、どの都市を首都にするかで争いが起きそうになりました。北の州は「ニューヨークがいい!」と言い、南の州は「フィラデルフィアがいい!」と言って、なかなか決まりませんでした。そこで、みんなが納得できるように、新しい場所を作って首都にしよう! というアイデアが生まれました。それが「ワシントンD.C.」です。
この場所は、どの州にも属さない「特別区」として作られました。なぜかというと、首都が特定の州にあると、その州が「自分たちが一番エライ!」と思ってしまうかもしれないからです。だから、公平にするために、ワシントンD.C.は州ではなく「コロンビア特別区」になりました。
「ワシントン」は初代大統領から

「ワシントン」という名前は、アメリカの初代大統領、ジョージ・ワシントンからきています。
彼はアメリカを一つにするために尽力した、とても尊敬されている人です。ですから、首都の名前には彼の名前が使われました。「ワシントン」と「D.C.」を合わせると、「ジョージ・ワシントンの名前の特別な区」という感じになりますね!
ワシントンD.C.の特徴
ワシントンD.C.は、アメリカの政治の中心地です。ホワイトハウス(大統領が住む家)、国会議事堂(法律を作る場所)、最高裁判所(法律を守るための裁判所)など、国の大切な建物がたくさんあります。しかし、観光地としても有名で、リンカーン記念堂やスミソニアン博物館など、面白い場所がたくさんあります!
また、ワシントンD.C.は州ではないので、ちょっと変わったルールがあります。たとえば、D.C.に住んでいる人は、州の住民のようには国会議員を選べません。これは、D.C.が「特別区」だからです。
美しい街、ワシントンD.C.
ワシントンD.C.は、1790年代に計画されて作られました。土地は、メリーランド州とバージニア州から少しずつ分けてもらい、ポトマック川の近くに作られました。
街の設計をしたのは、フランス人のピエール・シャルル・ランファン。彼は、広い道路や大きな公園があるきれいな街をイメージしました。今でも、ワシントンD.C.の街並みはとても整っていて、観光客に人気です。

もしワシントンD.C.に行ったら、ホワイトハウスや大きな記念碑を見て、「ここは特別なコロンビア特別区なんだ!」と思い出してくださいね。アメリカの心臓部ともいえるこの場所は、歴史や文化がいっぱいつまった、ワクワクする街ですよ!
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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。