世界の平和度ランキングとは?
皆さんは「世界の平和度ランキング」というものを知っていますか?
世界の平和度ランキングとは、さまざまな国が、どれくらい安全で、穏やかに人々が暮らせているかを表し、世界の国々がどれくらい平和かを調べたもの。オーストラリアに拠点を置く「経済平和研究所」というグループが作っています。
平和度は「社会の安全と治安」「戦争や内戦などの多さ」「軍事化(軍事費や軍人の数)」の3つのポイントを見て決められ、点数が低ければ低いほど平和で、高いほどリスクがあるということ。2024年は163の国や地域が調べられました。
今回は、小学生のみなさんにも分かりやすいように、どんな国が平和で、どんな国のリスクが高いのかを説明したいと思います。
日本は9位から17位へ!どうして下がってしまったの?
日本は2023年に9位だったのですが、2024年には17位に下がりました。これは、日本が少し平和ではなくなったということではありません。ただ、他の国と比べて、「軍事化」の部分で点数が悪くなったのです。
例えば、日本は最近、防衛費(軍隊を守るためのお金)を増やしたり、安全を守るためのルールを変えたりしました。それがランキングに影響したと考えられます。でも、日本はまだまだ安全で暮らしやすい国であることには変わりがありませんね。
世界一平和な国、危険な国トップ5はどこ?
それでは、ランキングの上位、つまりとても平和な国を見てみましょう。まず、1位になったのは17年連続でアイスランドです。アイスランドは英国の北西に浮かぶ小さな島国で、軍隊を持っていません。犯罪もほとんどなく、学校や福祉などのみんなが幸せに暮らすためのサポートがしっかりしています。また、自然がきれいで、みんなが穏やかに暮らしている国です。
2位はアイルランド、3位は治安のよさから観光客に人気のオーストリア、4位は日本と同じアジアのシンガポールが続いています。

次に、ランキングの下のほう、つまりリスクが高い国を見てみましょう。リスクが高い国は、戦争や争いが多かったり、安全が守られていなかったりする国です。
最下位になったのは、中東のアラビア半島の南端に位置するイエメンという国で、イエメンは長い間内戦、つまり同じ国にいる民族や、宗教が異なるグループ同士が争い合うという状態が続いています。テロ組織も活動しています。それに、スーダン、シリア、南スーダン、 アフガニスタンという国々が続き、どの国も戦争や不安定な状況が続いています。
平和な国とリスクが高い国の違いは何?
平和な国とリスクが高い国には、大きな違いがあります。平和な国は、戦争がない、犯罪が少ない、みんながルールを守る、という特徴があります。
例えば、アイスランドやシンガポールは、安心して学校に行ったり、遊んだりできる環境が整っています。一方、リスクが高い国は、戦争や争いがあって、食べ物やお家が足りなかったり、安全が守られていなかったりします。
まとめ
2024年の世界平和度ランキングで、日本は17位でした。平和な国トップ5は、アイスランド、アイルランド、オーストリア、ニュージーランド、シンガポールで、戦争がなくて安全な国が並んでいます。一方、リスクが高い国は、イエメンやスーダン、シリアなどで、戦争や問題がたくさんあります。
世界にはいろんな国があり、平和を守るのは簡単ではありませんが、人々が仲良くしようと努力することで、もっと素敵な世界になるはずです。皆さんもこれについてぜひ考えてみてください。
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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。