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会社員のママが抱える「見えない壁」とは
4月に発売した『らしく起業』で、著者の相坂サオリさんは、実際にあったこんな事例を紹介しています。
「私って、もう会社に必要ないと思われているのかな?」
育休復帰後、Aさん(34歳)は、産休前に担当していたプロジェクトのリーダーに戻れるものと思っていました。
ところが、復職すると、自分は単なるサポート役であることに気づきました。(中略)会議室からプロジェクトのメインメンバーたちの楽しそうな笑い声が聞こえてきくるたびに、惨めな気持ちがこみ上げてきました。(P.26より引用)
Aさんのように居場所を取り戻せない人もいる一方で、元の仕事量をそのまま求められるケースも。
Bさん(40歳)は、復職後、仕事内容も量も産休前と変わらず、毎日髪を振り乱して仕事に没頭することになりました。
定時までに仕事を終わらせて、保育園に子どもを迎えにいかなければならないので、ランチに行く時間も惜しんで働きます。(中略)平日の就寝はきまって深夜2時。(P.26ー27より引用)
どちらの例も、育休を経てからの復帰後に感じたジレンマ。ここから抜け出す道は本当にないのでしょうか?
「起業」という新たなキャリアの選択肢

相坂さんは、この状況を打破する選択肢として「起業」を提案しています。起業することで大きく変わるのは働き方だけではなく、これまでの会社員としての価値観も変わっていくといいます。
会社組織の世界と起業の世界では、「ゲーム(仕事)のルール」が全然違います。
会社員として会社で出世をしていくには、上司から言われたことをきちんとミスなくやる必要があります。(中略)起業してうまくいくために必要なことは、会社員とはまったく別物です。(P.3ー4より引用)
起業というととてもハードルが高く感じ、失敗したら安定した仕事も時間もお金も失うのでは、となかなか踏み切りづらいですが、起業をするとどう変わるのでしょうか?
「失敗こそが財産」です。たくさん失敗したほうが成功への近道です。なぜなら、起業の現場では、やってみないとわからない、失敗しないと学べないことがたくさんあるからです。(P.4より引用)
子育て中の起業、ベストなタイミングは?

「子どもがいるけど、今から起業しても大丈夫?」そんな不安を持つママたちへ、相坂さんは自身の経験から具体的なアドバイスを本のなかで伝えています。
ご自身も出産前に起業したという相坂さんのように、出産前に起業するメリットもあります。
私自身は、一人目を妊娠する前に独立し、一人目の出産の3ヵ月前に会社を設立しました。
子どもを産む前に起業するメリットとしては、圧倒的に時間もお金も体力もあることです。(中略)起業してすぐの時期は行動したもの勝ちです。(P.16より引用)
一方で、すでに子育て中のママが起業することにもメリットはあるといいます。
子どもを産んだ後に起業するメリットは、この時期に起業をするというよりは、会社員であれば起業の準備をしっかりできるということです。(中略)会社員なら育休や産休中に手当をもらいながら、マイペースに起業の準備をするのはとてもおすすめです。(P.18より引用)
起業後の「お金・時間・人間関係」はどう変わる?

起業すると生活のさまざまな面が変化します。相坂さんは特に重要な3つのポジティブな変化を挙げています。
無駄使いが減り、お金の使い方が変わる
会社員の頃と比較して、起業したら無駄使いが圧倒的に減りました。
会社員の頃は、無駄にストレス消費をし、たいしてほしいかわからないものを給料やボーナスが入ったら買っていました。
しかし、起業してから、ストレスが激減したこともあり、逆に「お金」の使い方がシビアになったと感じます。(P.6より引用)
「今すぐ行動」を意識して、時間の使い方も大きく変化
実は、「お金」よりも「時間」のほうがもっと大事だったりします。お金は一度失っても、また頑張れば失ったお金を取り戻すことはできます。
しかし、時間は二度と取り戻せません。(中略)もし、ビジネスで成し遂げたい夢や目標があったら、今すぐ行動してください。(P.7より引用)
人間関係も自分で選べる
あなたは、たいして行きたくもない会社の飲み会に付き合いで参加し、聞きたくもない上司や先輩の愚痴や説教を聞き、非生産的な時間を過ごしていませんか。
もちろん、起業したからといって飲み会をすべて断りましょうとは言いません。しかし、乗り気ではないのに惰性の付き合いの飲み会には行く必要がなくなります。(P.9より引用)
自分らしいビジネスの種はどう見つける?

起業したいけれど、何をすればいいのかわからない…そんな悩みを持つ人も多いはず。相坂さんは「Will. Can. Must の法則」を使った方法を紹介しています。
好きなこと、やりたいこと(=will)の見つけ方
できること、得意なこと(=Can)の見つけ方
やらなければいけないこと、求められること(=Must)の見つけ方
この3つの要素が重なるところに「マイビジネス」のヒントがあります。起業というと大変さが先立って自分ごととして考えにくい人も多いかもしれませんが、好きなことやできること、求められること、という視点で考えると、身近なことが起業のきっかけになるかもしれませんね。
起業したい人が最初に踏み出すべき一歩
相坂さんは、本書で起業への第一歩を踏み出す勇気の大切さを強調します。
起業したいけど、どうやったらいいかわからない人やなかなか動けない人が、少しでも勇気を出して最初の一歩を歩むきっかけに本書がなれば幸いです。 起業して、自分らしい人生を生きてみたいと思った気持ちを、今すぐ誰かに言ってみてください。きっと新たなステージへの扉が開きます。
一度きりの人生、なりたい自分になろう。
わがままに、欲張りに。(P.24より引用)
『らしく起業』は、会社員としての経験しかなくても、子育て中でも、自分らしいビジネスを作り上げる方法を全方位から解説してくれます。著者自身の起業で得た学びも惜しみなく伝えているので、自分が起業に向けて何をすればいいのかを明確にできるはず。自分の強みを活かして、主役として輝く新しい働き方を始めてみませんか?
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著者

株式会社LASSIC代表取締役CEO。主に法人向けにマーケティングPR支援事業と個人向けにキャリアデザイン事業を展開し、自身も国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得。大手広告代理店勤務を経て、33歳で起業。自身が不妊治療と仕事の両立で悩んだ経験や“キャリア迷子”を経て独立した経験から、ワーママや女性のキャリア支援に尽力。会社設立から3か月後、第一子出産。現在は5歳&2歳の娘の子育てと起業に奮闘中。株式会社LASSIC【公式】サイトはこちら>>
構成/HugKum編集部