いちじくは花のない果物!?
いちじくには、ほかの果物にはない“ちょっと不思議なひみつ”があります。
それは――「花が見えない」ということ。
りんごやみかんなど、多くの果物は春に花が咲いたあとに実をつけます。ところが、いちじくは漢字で「無花果」と書くように、花が咲いている様子が外からは見えません。だから「いちじくには花がないの?」と不思議に思う人も多いのです。
実はいちじくの花は、果実の内側に隠れています。切ってみると見える赤い部分や、プチプチとしたつぶつぶ――これらはすべて小さな花の集まり。つまり、いちじくは「花そのものが実になった果物」なのです。
この仕組みを知ってから食べると、いちじくがちょっと特別に感じられます。
お子さんに「いちじくってね、実の中に花が咲いているんだよ」と伝えれば、「ほんと?」「見せて!」と盛り上がること間違いなし。親子で一緒に切って観察しながら食べれば、自然の不思議も味わえます。
さて、そんな“花を食べるフルーツ”いちじく。
今回は、そのおいしい食べ方をご紹介します。
見た目も味もバランスよく。いちじくのおすすめカット

いちじくは、並べるだけで食卓を華やかにしてくれるフルーツです。
濃い紅色の皮と白い果肉、そして内側の花にあたるピンク色――そのコントラストはまるで小さな宝石のよう。
赤い部分は甘くとろけ、白い部分はやさしく爽やか。ひと口ごとに表情が変わる味わいは、デザートにも料理にもぴったりです。
そしてもうひとつの魅力は、“切るだけで映える”こと。
特別な技術がなくても、ナイフを入れるだけで華やかな断面があらわれ、食卓をパッと明るくしてくれます。次に紹介するフルーツカットでも、いちじくの美しさを存分に楽しめますよ。
いちじくは、ヘタの反対側、お尻部分がいちばん甘くなっています。甘さを均等に分けるなら、縦向きに切るのがおすすめです。
準備するもの
- ・まな板
- ・ペティナイフ ※1
・いちじく
・ミント、タイムなどお好みのハーブ ※2
※1 今回のカッティングは普通の包丁でもできます◎
作り方
1.いちじくのヘタを切ります


2. いちじくを縦半分に切ります

3. お好みで、1/8〜1/4に切り分けます

4. 皮にも栄養があり、基本的に柔らかいので、皮ごと食べられますが、お好みで皮をむいてもOKです!

5. ヨーグルトやグラノーラと合わせればおしゃれなカフェ風に、パンやケーキに添えれば一気に華やかなスイーツに早変わり!

親子で秋の味覚いちじくを味わおう
いちじくは、花が見えない不思議なフルーツ。
切ってみると中には小さな花がぎゅっとつまっていて、とろけるような甘さを楽しめます。
旬の今は、一年でいちばん手に取りやすい季節。とはいえ、いちじくはとてもデリケートなため、店頭に並ぶものは完熟手前で収穫されることが多いのです。
だからこそ、一度は産地から「完熟いちじく」を取り寄せてみるのもおすすめ。親子でカットしながら「ここがお花なんだね」「おしりのほうが甘いかな?」と観察して食べれば、忘れられない秋の思い出になります。
次回は、もうひとつの秋の代表的な果物「なし」を使ったかわいいアイデアを紹介予定です。どうぞお楽しみに!
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記事監修
フルーツギフトクリエイター。
理系大学院を修了後、メカエンジニアに。長男出産後、一度復職したのち、子育てに専念。
その中で出合った「フルーツカッティング」に魅了され、ディプロマを取得。
現在は東京都世田谷区を拠点に、自宅での少人数レッスンのほか、カフェやマルシェでのワークショップ、ギフト製作・販売などを展開中。大切なひとの笑顔と、日常を彩るフルーツの魅力を伝えています。
三兄弟の母。
特に好きなフルーツは、柿、いちじく。趣味は、キャロットケーキ巡り。
文/さちこ
