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「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」に行ってきました

JR上野駅公園改札より徒歩7分、上野動物園の近くにある「東京都美術館」。2025年12月21日(日)までの期間、「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が開催されています。
大阪展から始まり、東京、名古屋と巡回している本展。待望の東京での開催ということもあり、連日多くの人が観覧に訪れています。

東京都美術館正門から入ると、穴の空いた大きな銀色の彫刻が来場者を出迎えます。「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」は、この彫刻を右手に見ながら階段を下ったLB階の「企画展示室」で開催されています。

高校生以下の来場者向けに、「ジュニアガイド」が展示室入り口で配付されています。展覧会公式サイト、東京都美術館のウェブサイトからダウンロードも可能。ゴッホってどんな人? 今回の展覧会はどんな作品が展示されているの? など分かりやすく説明してあるので、お子さんとの鑑賞の際にはぜひ利用してみてください。
ファン・ゴッホ家のコレクションに焦点を当てた展覧会

1853年から1890年までの37年間を生きた、画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」は、ファン・ゴッホ家が受け継いできたファミリー・コレクションに焦点を当てた日本初の展覧会です。
作品の大部分を保管してきた弟・テオの存在や、義兄の作品を世に送り出すことに人生をささげたテオの妻・ヨー。また、コレクションを散逸させないために、美術館の開館に尽力したその息子、フィンセント・ウィレム。彼の“画家の夢”は、家族を通じて受け継がれていきました。

展覧会では、ゴッホの初期の作品から晩年の作品まで30点以上、彼の生涯をたどるような形で展示が行われています。日本の浮世絵から学んだという大胆な構図の作品であったり、巨匠の作品に影響を受けて描かれた作品であったりと、ゴッホの息づかいや想いが感じられるような作品が並びます。

ゴッホと言えば、鮮やかな色彩の《ひまわり》や、澄んだブルーが美しい《花咲くアーモンドの木の枝》などを思い浮かべがちですが、暗い色彩で描かれた作品も実は数多くあります。
一か所にとどまるのではなく多くの地域を旅するように暮らしを変えながら、作品を描き続けたゴッホ。暮らしの変化や心境の移り変わり、絵に求めたテーマなどによって、作品の雰囲気もがらりと変わります。展覧会では年代ごとに作品が並んでいるので、その変化の様子も楽しめます。

パリに住んでいたときに描いたという自画像も展示されていました。1890年5月、ゴッホに初めて会ったという義妹のヨー。病気と聞いて想像していた姿と異なり、たくましく健康的な様子に驚いたそう。ヨーは、「すべての自画像のなかでも、本作の姿がこのときの印象によく似ている」と回想していたそうです。
よく見ると、補色が効果的に使われた本作品。ぜひ間近で見てみてください。

展覧会では、初来日となる、ゴッホの直筆の手紙4通も展示されています。ゴッホが手紙に添えたスケッチや、彼の筆致は、ほかでは見ることのできない貴重な展示となっています。
幅14メートル! イマーシブ・コーナーが圧巻

展覧会では、没入感のある体験ができる「イマーシブ・コーナー」が実現されています。スクリーンの幅はなんと14メートル超え。大人も子どもも楽しめるエリアとなっています。
巨大なモニターでは《花咲くアーモンドの木の枝》などの、ファン・ゴッホ美術館の代表作が高精細画像で投影されるほか、3Dスキャンを行ってCGにした《ひまわり》(SOMPO美術館蔵)の映像など、まさに絵画の世界に入り込んだかのような体験を楽しめます。

魅力あふれるゴッホの作品を、まるでそこに展示されているかのように楽しむことができるのも、イマーシブ・コーナーの見どころのひとつです。ぜひゴッホの世界を心ゆくまでご堪能くださいね。
展覧会特設ショップにも注目!

展覧会特設ショップでは、ゴッホの作品をより楽しめるグッズが多数販売されています。ゴッホの作品をより楽しめる公式図録、飾って楽しめるポストカードなどのほか、トートバッグやアパレル商品、文具、キャラクターとのコラボレーション商品など多岐にわたります。

美しい絵画をデザインした「アクリルクリップスタンド」など、身近に作品を感じられるような商品もたくさんありました。

スイーツブランド「青山デカーボ」とのコラボレーションにより生まれた、展覧会限定の「ひまわり缶」にも注目です。グラスペイントアーティストのAlisa Horitaさんが、《ひまわり》の魅力を現代風のガラス絵で表現した本商品。手のひらほどの小さな缶の世界をお楽しみください。
『小学館の図鑑 NEO アート はじめてのゴッホ』も販売

親子での観覧の際に、ぜひ手に取ってみてほしいのがこちら。大人気アート図鑑シリーズ『小学館の図鑑 NEO アート』から、会場限定ミニブック『小学館の図鑑 NEO アート はじめてのゴッホ』が登場。展覧会出品作をはじめ、ゴッホの代表作がオールカラーで詳しく紹介されています。
代表作《ひまわり》の描き方、作品に使われている色使い、ゴッホが描いた空の姿など、何気なく作品を眺めているだけでは気づかなかったことに、あらためて気づかされる一冊となっています。もう一度展覧会を回り直したくなること間違いなし。小さな子どもでも楽しみやすいよう、漢字にはふりがなが振られているのもうれしい!

そのほか、すみっコぐらしやリラックマなど、かわいらしいサンエックスキャラクターズとのコラボレーショングッズや、サンリオの人気キャラクターたちである「はぴだんぶい」の、ゴッホの作品をイメージしたキャラクターグッズなど、ゴッホ展ならではのキャラクターコラボレーショングッズにも注目です。
※一部商品は購入個数制限を設けることがあります。
※商品は一時欠品、完売となる場合があります。
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18歳以下、高校生以下は無料の「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」。上野公園内にある東京都美術館はアクセスもよく、芸術の秋を楽しむのにぴったりのスポットです。
親子でゴッホの世界に深く入り込み、作品の魅力を体感してみてはいかがでしょうか。
【展覧会概要】
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」
会期:2025年9月12日(金)~12月21日(日)
会場:東京都美術館
観覧料:一般 2,300円、大学生・専門学校生 1,300円(9月中の平日は無料)、65歳以上 1,600円、18歳以下・高校生以下 無料
※土日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制(当日空きがあれば入場可)
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付き添いの方(1名まで)は無料
※詳しいチケットの販売方法や割引等に関しては公式サイトをご確認ください。
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取材・文/伊東ししゃも