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プレイヤー全員が社会人。いろんなメンバーがいることがこのチームの面白さ
「Cheer Re-Man’s(チアリーマンズ)」は、チアリーディングを披露するパフォーマンスチーム。早稲田大学の男子チアリーディングチーム「SHOCKERS」のOBで構成され、プレイヤー35名全員が社会人。忙しい仕事の合間を縫って練習を重ね、海外オーディション番組への出演も果たしました。本作『チアリーマンズ 軌跡 空飛ぶサラリーマンの挑戦』ではその裏側、そしてチアという競技の面白さにも触れることができます。
――『チアリーマンズ 軌跡 空飛ぶサラリーマンの挑戦』執筆のきっかけを教えてください。
山岡さん 両親の趣味が読書で、本が身近にある環境で育ったことから、自分が書いたもの、考えたものを形にすることに漠然とした憧れがあり、ずっと本を出したいと思っていたんです。
チアリーマンズを始めてからは、「このチームについて本を書きたい」という夢を抱いていたところ、徳間書店さんからお声がけいただき、今回執筆することになりました。

――これまでに何かを執筆した経験はありましたか?
山岡さん 高校の文化祭で、全クラスミュージカルをやるのが伝統だったんです。目立ちたがり屋だったのもあり、自分が主役をやりながら脚本を担当しました。既存のストーリーを尺に合わせて調整する程度でしたが、すごく楽しかった記憶があります。
――本作は山岡さんが筆者ですが、山岡さんだけでなく、さまざまなメンバー目線のストーリーで構成されています。これらの内容は各メンバーから聞き取りをして構成されましたか?
山岡さん そうですね。書こうと思ったエピソードがあるものは本人に直接ヒアリングしましたし、みんなに「エピソードに困っているから何かない?」と聞いて、送ってくれた人のものは全員分書きました。
メンバーのエピソードの長さにばらつきがあるのも、丁寧に書いてくれた人はちゃんと書いているし、何もなかった人の話は書いていないっていう(笑)。
――そんな裏話があったのですね。今回、ご自身目線だけでなく、ほかのメンバーの視点を交えた理由はありますか?
山岡さん 自分目線にするのか、一部の幹部の目線にするか悩みましたが、いろんなメンバーがいることがこのチームの面白さのひとつかなと。
全員がサラリーマンですが、業種が違ったり年齢が違ったり、チアのポジションも違うので、それぞれの特性でしか味わえない気持ちもあると思い、今回のような形にしました。

チアリーマンズの活動は、仲間が好きで楽しいから仕事との両立もきつくない
――普段の仕事とチアリーマンズの両立はスケジュール的にも、体力、精神的にも大変なのかなと想像します。両立し、成長を続ける原動力はどんなところですか?
山岡さん 心から楽しんでいればそんなにきつくないと思うんです。僕らは土日に集まって活動していますが、集まることがそもそも苦ではないというか、毎週友だちに会いに行ってたまたまチアをしている感覚です。それに深い理由はなくて、単純に仲間が好きで楽しいから。いつもわくわくしながら向かっています。
――チアという競技自体、信頼関係がないとできないですよね。仲の良さ、チームワークが抜群なのですね。
山岡さん 好きなメンバーとだからできている、というのはあると思います。仲間にはすごく恵まれました。練習もですが、みんなで合宿をしたり、遊びに行ったり、飲み会をしたり、家族みたいにずっと一緒にいるので、強固な信頼関係が構築されているのかなと思います。
――スケジュール管理はどうしていますか?
山岡さん 土日に本業の仕事が入ってしまったときは、チアリーマンズの活動は休まざるを得ないですし、有休が足りなくてイベントに出られないこともあります。そこは本業優先で、自分たちで折り合いをつけながら活動しています。
――活動の支えになってるものはなんでしょうか。
山岡さん 人の前でパフォーマンスをする活動なので、気持ちが下がっているときも、そこでやる気を取り戻せるところがあります。
原動力としては、人前に立って、お客さんの表情を変えたいとか、静まり返っていた会場が一気に盛り上がるとか、学生時代に感じたリアルな温度感が忘れられなくて、このチームを結成したところもあります。
本にも書きましたが、意外と客席ってよく見えるんです。最初は仏頂面で見ていた方が最後に拍手喝采してくれると、結構快感です。

社会人になったことで、生活にメリハリがつき、ノウハウをチーム運営に使えている感覚も
――平日は仕事、土日はチアですが、プライベートの時間はありますか?
山岡さん 土日の練習は午前中だけなので、午後はサウナに行ったり、飲みに行ったり、みんなそれぞれ過ごしていて、皆さんが思うよりはプライベートの時間も持てています。
――練習は過酷だと思いますが、体のケアはどうされていますか?
山岡さん まだ20代、30代とはいえ、全員学生の頃とは違って体の痛みがとれにくくなったので、整骨院に行くとか、体を鍛える、食事を考えるなど、今はみんな体に気を使うようになっています。
学生の頃は授業だけでなく、遊びやアルバイトなどで毎日忙しく、オンオフがないので、体を整える時間がありませんでした。学生の頃はノリでできていた部分もありましたが、今は土日はチア、平日はしっかり体を休めて整える、というメリハリのあるリズムがルーティーン化されている部分があるのかなと思います。
――ほかにも学生時代と今では山岡さんご自身やチームとして変化はありますか?
山岡さん 時間の使い方を工夫するようになりました。打ち合わせも絶対にずるずると長く時間がかからないようにしていて、社会人らしいノウハウをチーム運営に取り入れられている感覚がありますね。

メンバー間のもめごとは皆無! コミットメントを共有してモチベーションをアップ
――プレイヤー35人、マネージャー3人の大人数のメンバーとの関係を良好に築き、それをキープするために工夫していること、大切にしていることはどんなことですか?
山岡さん 自分自身は意識的にコミュニケーションを取りに行くようにしていて、「最近こいつとしゃべっていないな」ということのないようにしています。
あとは幹部メンバーで四半期に1回ミーティングを開いていて、チームの今後の動きと個人のコミットメントを話し、“言ったからにはやらなきゃ”とみんなのモチベーションを上げています。そういう機会もよく働いてるのかなと思います。
――とはいえ、揉めることはないんでしょうか?
山岡さん それがないんです。学生時代は若干あったかもしれませんが、今はコミットメントが高いメンバーしか集まっていないですし、みんな大人なので、議論はあってもケンカはないです。建設的じゃない話はしないですね。
――なるほど。では今チアは仕事という感覚ですか?
山岡さん いえ、個人感覚としては本当に趣味です。チームとしてはお金をいただいていますが、すべて運営費に回しているのでメンバーにお金は入っていないんです。
自分たちがやっていて楽しくないと意味がない、というのが根底にあります。また、それぞれサラリーマンなのでお金に執着していないのもあります。依頼を受けた際も楽しそう、もしくは組織拡大につながりそうだったら受ける、という感じで選んでいます。

忘れられない瞬間は、ゴット・タレントに出られると決まったとき!
――チームを結成して3年間、たくさんの経験をされてきたと思いますが、特に心に残っている出来事やイベントを教えてください。
山岡さん やっぱり2024年に『ゴット・タレント・エスパーニャ(その後、ブリテンズ・ゴット・タレントでは準決勝に進出)』に出られると決まったときですね。結成したばかりのときに夢物語として出られたらいいねと話していたのが、実際に決まったときは忘れられません。

あそこからガラッと変わって、僕らの第2章というか、全員の気持ちが一新された感覚がありました。
――本番はどうでしたか?
山岡さん 会場の皆さんがめちゃくちゃ盛り上げてくれて、技が決まると立ち上がってくれました。

海外で面白い指摘を受けました。日本ではスーツだとがむしゃらさや勤勉さがイメージされるので、「働きながら頑張っている」という印象を受ける方が多いと思うのですが、イギリスだとスーツはエリート階級の余裕のある方が着ているものなので、「趣味で楽しんでいるただのすごい人だ!」という認識になってしまい、「普通の会社員をしながら頑張る」という共感や親しみは得られにくいと。国によっていろいろな視点があるのだと勉強になりました。
――思い描いた夢をどんどん実現させています。常に夢を持ち続けられること、そしてそれに向かって挑戦していけるのはどうしてでしょうか?
山岡さん メンバーそれぞれ個性が輝く瞬間が多いので、僕は本を出すのが夢でしたが、ほかのメンバーには曲を出したい人がいたりします。各メンバーに個性や強みがあるからこそ、多様な夢が出てくるんだと思います。
今後は、この年齢まで男子チアを続けている人がいないので、先がわからずに進んでいる部分はあります。でもチアでなくても、この熱量のあるメンバーでほかの仕事をやっても楽しいねと話しています。
僕らは「誰もが、何者にでもなれる」というコンセプトで活動していますが、それは自分たちがなるだけでなく、誰しもがなれると思うんです。だから、日本にも「ゴット・タレント」のような“誰もが、何者にでもなれる場“、パフォーマーが目指せる場所を作るのもいいねと話しています。
個人的にはこの本のドラマ化や映画化が叶えばいいなと思っていますね。

”勉強を頑張ること”は、自分を好きになって人生が楽しくなるための方法のひとつ
――勉強とスポーツなどの両立や、夢に向かって頑張っている子どもたちにメッセージをお願いします。
山岡さん よく「なんで勉強しなければいけないの?」とか「こんなの役に立たない」と思う子が多いと思います。実際、役に立つわけではないかもしれませんが、頑張ることで自分自身を好きになることができる、というのが自分の考えです。
勉強でもスポーツでもいいですが、目標に対してやり抜く力が育ちますし、そうやって努力をしたり頑張ったりすることで自分を好きでいられれば人生が楽しくなります。逆に自分のことを好きになれないことが、おそらく人生でいちばんつまんないことなのかなと。勉強でもスポーツでも、目の前にあることを頑張る、それが大切だと思います。
――山岡さんは子どもの頃から、何か目標を立てたり、目の前のことを頑張ったりすることはしていましたか?
山岡さん そうですね。部活動もスポーツもいろいろやっていましたし、受験勉強もしていました。目標を達成することもゲーム感覚でとらえていて割と好きでした。
大学受験では塾に行っていなかったので、最初の一週間は勉強法の勉強をして、どう勉強するかを自分で決めるのが楽しかったです。そうやって下調べすることがもともと好きで、得意なんだと思います。
1つの目標に向かっていく様子は、どんな人の胸にも届くはず
――最後に、読者にはどんなことをいちばん伝えたいですか?
山岡さん 等身大のことを書いているので、チアリーマンズをチラッと見たことある方、スーツで踊る人たちだとなんとなく認識してくださっている方に読んでいただくと、ほんとに働いているんだなとか、こんな感じなんだというのが伝わるかなと思います。
”チア本”にはならないよう意識し、誰にでも届くものであってほしいと言葉を選んだり、文章を書いたりしました。チアをやっていなくてもパフォーマーじゃなくても、組織として1つの目標に向かっていく様子などは、教科書というほどのものではないけど、多くの方に刺さる内容であったらいいなと思っています。
――本日はありがとうございました。
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総フォロワー数は約60万人を突破。
チアリーマンズの軌跡から、挑戦する勇気、仲間の力、自分の可能性を信じることの大切さを学べる一冊。
お話を聞いたのは
社会人パフォーマンスチーム Cheer Re-Man’s(チアリーマンズ)のキャプテン。
東京都足立区出身。高校ではラグビー部に在籍し、早稲田大学在学中から男子チアリーディングを始め、サークルの代表を務める。
大学卒業後、一般企業で勤務する傍ら、Cheer Re-Man’s結成時の創設者からの呼びかけに応じて、キャプテンとして参加し、パフォーマンス活動を行う。本書が初の著書。
この記事を書いたのは
子育てや教育、エンタメにまつわる方々への人物インタビューを多く取材・執筆。大人はもちろん、子どもたちから話を聞くのも好きです。3兄弟を育てる母でもあり、同じように子育てに向き合っている方たちが共感できたり、悩みや困りごとに寄り添えるような記事を発信しています。