大盛況で幕を閉じた障害児の可能性と未来を広げるテクノロジー体験イベント。きょうだい児も一緒に楽しめて、家族みんなが笑顔に

8/6におこなわれた、身体の動かしにくさ(肢体不自由)がある子どもたちとその家族を対象にしたテクノロジー体験イベント、「インクルーシブ・テックフェスタ2026~あそぼう!つくろう!つながろう!~」。障害児がさまざまなゲームを通して楽しみながら自分の可能性を広げられるだけでなく、普段付き添い役になってしまいがちなきょうだい児も一緒に楽しめるという取り組みが人気で、3回目の開催となる今年は60組を超える応募がありました。

ゲームを通してテクノロジーに楽しく触れる!

参加家庭や主催スタッフのほか、作業療法士ボランティア・作業療法士を目指す学生ボランティア、企業ボランティア、そしてお子さんのボランティアなどが集まり、総勢200名以上が関わる大規模なイベントとなった本イベント。会場は多くの人で賑わいを見せていました。

大きさや形の異なるコントローラーが20種類以上もズラリ
大きさや形の異なるコントローラーが30種類以上もズラリ

最初に目に付いたのは、会場の中央に並べられた色とりどりのコントローラー&スイッチ類。

作業療法士を始めとした有識者が親御さんの疑問にも丁寧に答えてくれます
作業療法士をはじめとした有識者が親御さんの疑問にも丁寧に答えてくれます

ゲームを体験する前に、まずは作業療法士の方が1人1人に合った最適なコントローラーやスイッチをじっくり選定してくれます。プロの方に相談できる絶好の機会ということで、作業療法士の言葉に熱心に耳を傾ける親御さんの姿が目立ちました。

スイカゲームなどさまざまなゲームを体験 © 2021-2026 Aladdin X Inc.
スイカゲームなどさまざまなゲームを体験 © 2021-2026 Aladdin X Inc.

広く設けられたデバイス体験エリアには8種類ものゲームを用意。スタッフや作業療法士、そして親御さんの声掛けやサポートを受けつつ、たくさんのお子さんがゲームに打ち込んでいました。

真剣にゲーム画面を見つめる子どもたち
真剣にゲーム画面を見つめる子どもたち

印象的だったのは、きょうだい児も一緒になって同じゲームを楽しむ姿。飽きてしまったり退屈そうにしたりしている子どもの姿がなく、みんなで同じものを同じように楽しむことができる、家族の誰にとってもうれしい催しとなっていました。

テクノロジーをもっと身近に! クリエイティブコーナー

スイッチを用いてわずかな力でも操作ができるクレーンゲーム
スイッチを用いてわずかな力でも操作ができるクレーンゲーム

デバイスゲーム体験エリアの他、スイッチを使っておもちゃで遊んだりiPadで楽器を演奏できたりと、身近なテクノロジー体験を味わうことができるクリエイティブコーナーも設置。

オリジナルのキーホルダー作りは特別感たっぷり!
オリジナルのキーホルダー作りは特別感たっぷり!

オリジナルのキーホルダーを作成できるブースでは、その場で描いたイラストのデータを取り込んで、3Dプリンタがそれを形にしてくれます。

会場を訪れていたたいせい君作・ローマ字で描いた自分の名前のキーホルダー
会場を訪れていたたいせい君作・ローマ字で描いた自分の名前のキーホルダー

普段あまり触れる機会のないテクノロジーを身近に体験できるだけでなく、世界で1つだけの思い出に残るアイテムを作れるということで、人気のコーナーとなっていました。

白熱! 声援飛び交う大画面でのゲーム対決!

たくさんの声援を受けながらのゲーム対決 ⒸSEGA
たくさんの声援を受けながらのゲーム対決 ⒸSEGA

メインステージに設置された大画面ではゲーム対決もおこなわれました。観客からの「がんばれー!」、「わぁ、上手!」などの声援と共に拍手も巻き起こり、会場は大盛り上がり。白熱した対戦が繰り広げられました。

少し先を歩く先輩たちからのメッセージも

「好きなことを見つければ、それが原動力となりどんどん世界は広がります」
「好きなことを見つければ、それが原動力となりどんどん世界は広がります」

イベントの最後を締めくくったのは、認定NPO法人フローレンスと共に今イベントを主催したテクノツール株式会社の広報担当・ホッシーさんと、企画アドバイザーとして参画した株式会社アシテック・オコで広報・アクセシビリティディレクターを務めているゆうがさんのトーク。

脊椎性筋萎縮症という難病を抱えたお2人がどのように小学校から大学、就職までの道のりを歩んできたのか、どのように工夫して生活しているのか、そして会場を訪れている未来ある子どもたちへ伝えたい想いなど、貴重なお話をたっぷり伺うことができました。

【参加家族の声】親の知識のアップデートにも繋がるイベント。来てよかった!

清野さんご一家
清野さんご一家

「これまでも福祉機器展を訪れていろいろ見てきたものの、なかなか本人にゆっくり体験させてあげる機会や時間が持てなかったので、今回のイベントはとても良い経験になりました。私自身がゲームをしない家庭で育ったため知識がなく、目に悪いなどマイナス面のイメージを多く持ってしまっていたのですが、今回参加して有識者の方に詳しくお話を聞くことができ、親の知識のアップデートにも繋がりました。子どもに色々な体験をさせてあげられたのはもちろん、自分の子どもだけでなく他の子たちがどういう風に、どんな方法でゲームを楽しんでいるのかを知ることができたのもよかったです。

今後学校と相談しながら取り入れてみたいと思うものも見つかったので、我が家にとってお出かけはかなりのチャレンジだったんですけど、がんばってきてみて本当によかったと思います」

【主催スタッフの声】出会い×テクノロジーによって、障害児の可能性は無限に広がる

認定NPO法人フローレンス ソーシャルテック事業部 システムチーム 岑 鮎美さん
インクルーシブ・テックプロジェクト プロジェクトマネージャー 岑 鮎美さん

「弊会は医療的ケアが必要なお子さんのご家庭に看護師が訪問する、障害児家庭支援をおこなっています。その活動を通して、自宅でスイッチ類などを活用してゲームを楽しんでいるお子さんや、絵を描いているお子さんがいることを知りました。それをもっとたくさんのご家庭に知ってもらえたら、障害のある子どもたちがやりたいことにもっとチャレンジできるだろうな、と思ったんです。一方、障害児の親御さんはケアや仕事、家事など日々色々なことに追われていて、情報を得るのが難しいという現状があって。そういった情報の発信の場を作りたい、せっかくなら楽しみながら知ってほしいと考えたのが今イベントを立ちあげたきっかけです。

子どもたちやそのご家族が本人の可能性に気付くためには、単純にテクノロジーがあるだけではなく、やはりそこに「出会い」は確実に必要。人と出会う、情報と出会う、やってみたいことに出会う。そんな思いで、『あそぼう!つくろう!繋がろう!』というのをコンセプトに掲げました。出会いがあれば、身体の制約を超える方法が見えてくるかもしれない。このイベントを通して彼らの将来の選択肢を増やすことにも繋がっていけばいいな、と思っています」

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単純にゲームなどを楽しむだけでなく、情報を交換する、知識を深める、そして繋がりを持てる場として大いに盛り上がったインクルーシブ・テックフェスタ2026。今回取材をおこなった筆者自身も、人と人との繋がりやコミュニケーションの大切さを再認識できたイベントでした。

テクノロジーの進化と共に、今以上に誰もが活躍できる社会へと発展していくことを願っています。

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文・構成/鈴木美奈子

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