「秋のお彼岸」とは? 2023年はいつ? お盆との違い、仏壇の準備、墓参りの仕方

2023年(令和5年)の秋のお彼岸は、いつからいつまでなのしょうか? 当記事では、秋のお彼岸と春のお彼岸がどのようなものなのか、またお彼岸とお盆の違い、秋のお彼岸の食べ物について確認してみました。
さらにお彼岸に墓参りをする理由や、墓参りの仕方をはじめ、お彼岸にやってはいけないこと、お彼岸の仏壇のお供え物と「のし」についてもご紹介します。

秋のお彼岸とは

秋のお彼岸
秋のお彼岸にはどんなことをするのでしょうか?

秋のお彼岸にはどんな意味や由来があるのでしょうか? ご紹介していきましょう。

意味

「彼岸」はもともと仏教で使われていた言葉で、煩悩のない仏様の世界である「向こう岸」という意味があります。つまりお彼岸とは、悟りの境地に達した極楽浄土の世界を表しているのです。そしてお彼岸は、ご先祖様がいる極楽の世界とこの世がもっとも近づく時期と考えられていることから、ご先祖様に感謝しながらお墓参りをする風習があるのです。

由来

「彼岸」の由来は、サンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」を漢訳した「到彼岸」といわれており、この言葉を「彼岸」と略しています。「パーラミター」は、菩薩が修行を行い「仏になる」=「完成する・達成する」という意味があり、煩悩や悩みを越えて到達する悟りの境地のことを指すようです。

春のお彼岸との違い

秋のお彼岸といえば、春にもお彼岸があることに気づくでしょう。春のお彼岸は、春分の日を中日にしたその前後3日間、合計7日間を指します。2023年は3月18日(土)から3月24日(金)が春のお彼岸でした。春と秋のお彼岸で特に意味の違いはなく、どちらもご先祖様を供養したり墓参りをしたりします。

秋のお彼岸はいつからいつまで?

秋のお彼岸の期間はいつでしょうか。2023年(令和5年)の秋のお彼岸の時期について確認してみましょう。

2023年は9月20日(水)から9月26日(火)までが秋のお彼岸

2023年の秋のお彼岸は、彼岸入りが9月20日(水)、彼岸明けが9月26日(火)で、9月20日から9月26日の7日間になります。

秋分の日は秋のお彼岸の中日

秋のお彼岸のちょうど中日にあたる日が、秋分の日。この秋分の日を中心に前後3日間をあわせた日付が、秋のお彼岸です。秋分の日は毎年異なるため、秋のお彼岸も毎年若干日付が異なることとなります。

お彼岸とお盆の違いは?

お彼岸とお盆の違いは?
お彼岸とお盆の違いは?

夏のお盆の時期にも、ご先祖様を供養したり墓参りをしたりするでしょう。では、お彼岸とお盆にはどんな違いがあるのでしょうか?

お盆はご先祖様がこの世に帰ってくる

お彼岸は、春分の日と秋分の日に、あの世とこの世がもっとも近くなると考えられていることから、お墓参りに行く習慣があります。一方お盆は、ご先祖様がこの世に戻ってくる時期と考えられています。お盆の1日目である「迎え盆」には迎え火を焚き、お盆の最終日である「送り盆」には送り火を焚いて、ご先祖様の霊を迎えたりお見送りしたりします。

お盆には「精霊馬」を飾る

お盆は、「精霊棚」と呼ばれる棚に、きゅうりやなすを牛や馬に見立てた「精霊牛・精霊馬」と呼ばれる人形を飾ったりします。そのような習わしはお盆特有のもので、地域ごとにもさまざまな形があります。

お彼岸には「ぼたもち」「おはぎ」を食べる

お彼岸では、ぼたもちやおはぎといった、あんこのお餅を食べるのが定番です。お盆にもさまざまなお供え物を飾りますが、このようなお餅をいただくのはお彼岸ならではの習慣でしょう。

お彼岸の仏壇の準備

お彼岸には、ぜひ仏壇もきれいに整えて準備をしましょう。

仏壇の掃除をする

秋と春のお彼岸やお盆は、仏壇の掃除をするのにも最適な時期です。仏壇のホコリなどを払いきれいにすることで、ご先祖様の霊もきっと喜んでくれることでしょう。

お彼岸のお供え物・食べ物

秋のお彼岸では「おはぎ」を食べるのが定番です。

おはぎは、秋に萩の花が咲くことからついた名前で、つぶあんを使います。春のお彼岸では牡丹の花が咲くことにちなんで、こしあんを使った「ぼたもち」をいただきます。

おはぎやぼたもち以外では、めでたい席やお祝いの席に欠かせないお赤飯を、お彼岸にもいただきます。特に彼岸の中日にお赤飯を食べる習慣があります。また、お彼岸の時期は、季節の変わり目で体調を崩しやすい時期にあたります。そのため、消化のいいそばやうどんを食べて胃腸を整えるという考えから、「彼岸そば」や「彼岸うどん」を食べることもあります。

仏壇にお供えするお花

お供えの花には菊が好まれますが、季節にあったお花や故人が好きだった花でもOK。ただし毒やトゲのある花は避け、生花であればお水をきれいにして長持ちするようにしましょう。お彼岸用としてお花屋さんにアレンジなどをお願いすることもできます。配達で届ける場合は、お彼岸の中日までに届くように手配しましょう。

お彼岸のお供え物にのしは必要?

家族へのお供え物の場合は、のしをつける必要はないでしょう。親戚など別の家族の場合は、白黒で結び切りになっているのし紙をつけます。

のしにの表書きには、水引の結び目より上のスペースに「お供物」または「御供」と書きます。亡くなった方が四十九日の法要が終わっていない場合は「ご霊前」、四十九日が終わった後は「御仏前」と書きます。

お彼岸の墓参りの仕方

秋のお彼岸にお墓参りをするときは、どんなタイミングで、どんな風に行えばいいでしょうか? またお墓参りに行けない場合はどうしたらいいでしょうか?

お彼岸に墓参りをするのはなぜ?

これまでにご説明したように、秋のお彼岸はあの世とこの世がもっとも近くなる日と考えられています。そのため、この世の思いがあの世まで届きやすいとされ、お墓参りをする習慣があるのです。また、お彼岸は仏教の教えに日本古来の考え方が融合して生まれたもの。お彼岸は日本ならではの文化であり、昔からご先祖様を大切に考える日本だからこそ発展したものといえるでしょう。

いつ行けばいい?

秋のお彼岸でも春のお彼岸でも、それぞれ7日間あるお彼岸の期間ならいつお墓参りに出かけても問題はありません。もし日程に余裕があるのなら、中日に行くのが一番いいでしょう。中日は秋分の日や春分の日にあたり、祝日となるためお墓参りにも行きやすいはずですし、あの世とこの世がもっとも近くなる日といわれているからです。

行かない場合は?

年に2回のお彼岸にはぜひお墓参りをしたいものですが、遠方にあったり仕事や家族の都合で行けないこともあるかもしれません。お彼岸だからといって「必ず年に2回お墓参りをしなければならない」ということではありませんが、時間を見つけて、お彼岸の期間ではなくてもお墓参りをするようにしましょう。一番大切なのは、ご先祖様をうやまう気持ちです。

お彼岸にやってはいけないこととは?

お彼岸はご先祖様の霊を供養する期間のため、秋のお彼岸でも春のお彼岸でも避けるべきことがあります。

神社へのお参り

お彼岸は仏教の考えがもととなっています。昔から仏事と神事は一緒にしてはいけないという考えがあるため、お彼岸には神社でのお宮参りやお祓いなどは、避けた方がいいと考えられています。

結婚式

お彼岸にお祝い事をするのはいけないという考えもあり、結婚式を避ける人も多くいます。特に神前結婚式の場合は、仏事と神事が重なるため避けた方がいいかもしれません。ただし、お彼岸に結婚式を行うことに抵抗を感じない人も増えています。もしかしたら、それを不快に感じる年配の人もいらっしゃるかもしれないことを念頭に、考えてみましょう。

お見舞い

お彼岸はお墓参りをする期間であるため、入院中の人や体調を崩している人をお彼岸にお見舞いすると、相手から「亡くなった人と見られている」と受け取られる心配があります。親しい間柄で、そのようなことを気にしない相手ならば問題はありませんが、年配の人などには配慮する必要があるでしょう。

秋のお彼岸は家族でお墓参りを

お彼岸はご先祖様へ日頃の感謝を伝え、思いを馳せる日。頻繁にお墓参りに行けない人も多いかもしれませんが、秋のお彼岸には家族でお墓参りにお出かけして、ご先祖様を供養してはいかがでしょうか。

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文・構成/HugKum編集部

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