スポーツ学童に聞いた!自宅でできる「運動あそび」の絶大な効能とは!?

カラダを動かしココロを育てる! 自宅でできる 運動あそび体力だけでなく、学力、コミュニケーション力の向上に効果があると、近年学校教育現場にも導入されている「運動あそび」。ミズノが提供する新型スポーツ学童「あそりーと AFTER SCHOOL」で、小学生の発達に大切な「運動あそび」について、自宅で行うコツを聞いてきました。

小学校低学年は「運動あそび」にぴったりの時期

10歳までに「運動ができる」ことにおもしろさを感じられると、高学年になってスポーツに挑戦したり、大人になってからも健康的に過ごせたりなど、長期的な効果があるといわれています。低学年は、いろいろな動きを楽しく身につけられる「運動あそび」に最適の時期なのです。

さらに「運動あそび」は、ルールなどを工夫することで思考力・判断力を、友達や大人と一緒に取り組むことでコミュニケーション力を、同時に複合的に成長させることができます。

では、具体的にどんな動きが「運動あそび」になるのでしょうか。

3つの領域の動きをバランスよく

人間の基本的な動きは大きく「体のバランスをとる動き」「体を移動する動き」「ものを操作する動き・力試しの動き」の3つの領域に分けられます。

① 体のバランスをとる動き

「たつ」「おきる」「わたる」「ぶらさがる」など姿勢変化や平行維持の運動です。

② 体を移動する動き

「はしる」「はねる」「とぶ」「のぼる」など上下・水平方向の移動や回転運動です。

③ ものを操作する動き・力試しの動き

「はこぶ」「わたす」「なげる」「つかむ」など、ものや自分以外の他者を扱う運動です。

幼少期からそれをバランスよく身につけることが望ましいとされているのですが、多くは生活のなかで自然と行っている動きで、決して難しいものではありません。

今回は、自宅で実践しやすい動きを使った運動あそびを紹介します。

自宅でできる! 運動能力を伸ばす 運動あそび のコツ

 ① 体のバランスをとる動き 【組む】 【渡る】

「組む」は、体を積み重ねたり、組み合ったりする動きです。例えばおんぶをしたり、子ども同士で「カメの親子」のように積み重なったりする遊びのなかでできる動きです。

「渡る」は離れたものとものの間や、細い道を渡る動き。もし家の中に、子どもが跳んで渡ったりしても危険がないソファーなどがあるようでしたら、それを利用してみては。フローリングにビニールテープを貼るなどして「飛び石」を作り、「飛び石の外は海だから落ちないように!」などとルールを決めて遊ぶのもオススメです。

また、なわとびのようなひもを床に何本か並べて、ひもの上だけを通っていいというルールで鬼ごっこをするのも「渡る」動きを楽しむことができます。この「なわとび鬼ごっこ」の場合、遊ぶなかで、他の子とぶつかってしまったり前が詰まって押してしまったり、といったトラブルが発生することもあります。

そんなときは、「どうしてそうなってしまったと思う?」「どうすればよかったと思う?」と、原因や対処法を自分で考えさせる声かけをしてあげてください。相手を思いやる想像力や、思考力が育つチャンスです。

② 体を移動する動き 【跳ぶ】 【くぐる】

「くぐる」は体を低くしてせまい入り口などをくぐりぬける動き。段ボール箱などを使って簡単なトンネルを作ってもいいですし、親子で、股の下をくぐる遊びも楽しいです。馬跳びをしてからすぐ股をくぐる、という動きを10回、どれだけ早くできるか競うと盛り上がります。親が小さくうずくまって馬になり、子どもが馬跳びをしたらすぐ立ち上がって股の下をくぐらせてあげましょう。

③ ものを操作する動き 力試しの動き 【取る】 【運ぶ】 【渡す】

「取る」はボールなど、ものを受け止める動きです。やわらかいボールや丸めた紙を上に投げ、受け止めて遊ぶだけで十分。投げたボールが空中にあるうちに、手を何回叩けるか数えて競っても楽しいはず。

「運ぶ」は、ものを持って移動する動き、「渡す」は、持っているものを誰かに手渡す動きです。例えば、2人の子どもの片方がボールを持って、離れたところに立つもう一人にボールを渡しに行きます。親は、2人の間に立ち、それを邪魔してボールを持った子を捕まえます。捕まらないようにボールを渡せれば子どもの勝ち、途中で捕まってしまったら親の勝ちです。この遊びも、室内などスペースの限られた場所でやるときは、「走らない」「親(捕まえる側)は横にしか動けない」などルールを決めてできることを限定すると遊びやすくなります。

何でも自由にしてしまうより、ある程度動きを限定したほうがゲームとしてのおもしろさも増しますし、ルールのなかでできることを考える必要が出てきて、思考力を鍛えることにもつながります。

最大のポイントは「楽しむ」こと!

ここでご紹介した方法はあくまでも一例。自宅の状況や子どもの得意・不得意でこの通りにうまく遊べなくても、逆にそれを逆手にとって、親子で遊び方をあれこれ工夫してみましょう。自分たちで遊び方やルールを考えたり、うまくいかない部分を改善したりすることで頭を使い、思考力がぐんぐん伸びていきます。

また、友達と互いにルールを守ったり、ときにはぶつかったりしながら遊ぶことで相手を思いやる心も育っていきます。いちばん大事なことは、「トレーニング」としてではなく、遊びのなかに上手に取り入れて、楽しく体を動かすこと。

近年、遊ぶ場所(空間)・時間・一緒に遊べる友達(仲間)の3つの「間」が不足していることから、子どもの体力やコミュニケーション能力の低下が懸念されています。「体を動かす楽しさ」を発見することで、運動能力だけでなく、考える力や伝える力が総合的に育ち、大きくなってからもスポーツや勉強に対してポジティブに取り組むことができるようになります。

体を動かしながら、一緒に遊ぶ。生涯の財産となるその素敵な体験を、ぜひお子さんと楽しんでみてください。

「あそりーと AFTER SCHOOL」

ミズノが運営する、新型スポー
ツ学童。学習指導要領に沿って考えられた「運動あそび」プログラムを毎日実施しています。あそびを通じて子どもたちの可能性を広げ、夢を叶える力を育みます。

詳しい情報は公式サイトへ≫

ミズノ  スポーツ施設HPはこちら≫

監修/西岡 勝義 さん

ミズノスポーツサービス株式会社 スポーツ学童チーフインストラクター ミズノプレイリーダー2級

 

小学一年生』2019年11月号 別冊 HugKum
取材協力/ミズノ株式会社   撮影/松原敬子  文/オオタユウコ モデル/石川晴美さん、謙吾くん親子

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