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新生児が昼夜逆転してしまうのはなぜ?
生まれたばかりの赤ちゃんは1日の大半を寝て過ごします。でも体内時計はまだ未熟なので、浅く短い睡眠で寝たり起きたりを繰り返しています。そのリズムが整ってこないと、昼夜逆転してしまうことは珍しくはないのです。
では、実際に赤ちゃんが昼夜逆転してしまったという人がどのくらいいるのか、0〜2歳の子を持つママ・パパにリサーチ。またその体験談を聞いてみました。
Q.赤ちゃんの生活リズムが昼夜逆転してしまったことはありますか?

約1/3のママ・パパが昼夜逆転を経験していました。また明確ではないものの昼夜逆転していないと言い切れない人たちをプラスすると約半数に。多くのママ・パパが夜にちゃんと寝てくれないと感じているようです。
昼夜逆転のママパパ体験談
日中にしっかり寝てしまい、夜は寝てくれなくて自分も寝られずつらかったという声が多く挙がりました。日中も家事育児や仕事があるので体力的に大変ですよね。
「日中に寝ていて、夜になると目がパッチリになってしまい、こちらの睡眠時間が減ってしんどかった」(30代・宮城県・子ども2人)
「午前中にスヤスヤ寝てしまって、夜中は3時間くらいしか寝てくれなかった」 (20代・埼玉県・子ども1人)
赤ちゃんの体内サイクルが整っていない新生児期は特に昼夜逆転がつらかったというママ・パパが多いよう。特にママは産後の疲れが残っているときついですよね。
「生まれて1ヶ月くらいは日中ほとんど寝ていて、夜中は1時、2時まで夜泣きして全く寝なかった」 (30代・福井県・子ども1人)
「新生児期は夜起きて昼間寝ることが多く、夜がこわく、長く感じた」 (30代・長野県・子ども2人)
「新生児のときずっと昼夜逆転していました。お昼はすぐに寝てくれるのに夜になるとずっと起きて泣いてつらかったです」(30代・兵庫県・子ども2人)
新生児の昼夜逆転と考えられる原因
ここでは、新生児が昼夜逆転してしまう原因についてみてみましょう。
昼や夜の区別がない
新生児は、生まれて間もない頃は昼と夜の区別がはっきりしていません。これは、まだ体内時計が整っていないためです。お腹の中にいる間はママの生活リズムに影響を受けますが、昼と夜の区別がつかない状態で生まれてきます。一般的に昼夜のリズムが少しずつ整い始めるのは生後3ヶ月頃からで、6ヶ月頃にはある程度安定することが多いとされています。そのため、新生児期は昼間に長く寝て夜に起きやすいのも自然な現象です。
夜にぐっすり眠れていない
新生児が夜にしっかり眠れない原因として、室温や寝具、服装などの環境が影響していることがあります。部屋が暑すぎたり寒すぎたり、パジャマが不快だったりすると、夜間に目を覚ましやすくなります。また周囲が明るかったり騒がしかったりする環境も、赤ちゃんがぐっすり眠れない原因になります。快適な室温(冬期には20~25度程度、夏期には外気よりも4~5度低いくらい)、適切な湿度(50〜60%)、そして肌に優しい寝具や衣類を選ぶことが、夜間の睡眠をサポートするポイントです。
家族の生活リズムに影響されている
家族の生活リズムが夜型の場合、新生児もその影響を受けやすくなります。たとえば仕事で夜遅く帰宅する家族が、部屋の明かりをつけたり音を立てたりすることで、赤ちゃんが目を覚ましてしまうことがあります。また家族が夜に活動的な場合、自然と赤ちゃんもそれに合わせて目が覚める時間が長くなり、昼夜逆転の原因になることも。家族全体で赤ちゃんの生活リズムを意識し、できるだけ夜は静かで暗い環境を保つよう心がけるといいでしょう。
昼間の刺激が足りていない
新生児が昼夜逆転しやすい原因のひとつに、昼間に十分な刺激が足りていないことが挙げられます。工夫のひとつとして、日中にたくさん話しかけたり、抱っこで外の景色を見せたりするといいでしょう。また、適度な光や音に触れることも大切です。昼間は明るい部屋で過ごし活動的に動く時間を作ると、体内時計が整いやすくなり夜にしっかり眠れるようになることがあります。
赤ちゃんが夜通し寝るようになるのはいつから?
赤ちゃんによってタイプは異なりますが、生後5ヶ月〜8ヶ月頃には、1日の睡眠時間が13~14時間程度になってきます。夜も6~8時間連続して眠るようになり、昼と夜の区別がはっきりしてくる時期。しっかり夜に寝るようになるのには時間がかかるようです。
新生児の昼夜逆転の効果的な工夫
新生児が昼夜逆転してしまうと、その後もずっと続いてしまうこともあるので、なるべく早く治したいもの。どんな工夫があるのかまとめてみたので、困っているママ・パパはすぐに取り入れてみて!
夜は部屋を暗くする
新生児期は昼間も寝ることがほとんどなので、赤ちゃんが眠そうにしたら寝かせてあげるのが正解。ただ、夜に寝ることを身につけるのには明るさが肝心。夜寝るときには部屋を暗くすることで、昼夜の睡眠サイクルが身についてきます。
夜はしっかり授乳・オムツ替えをしておく
新生児期の赤ちゃんが起きるのは、喉が渇いた、オムツが濡れているなど不快な状況になったときです。なるべくその状態にならないように、夜に寝かせる前は授乳やオムツ替えをして、整えておきましょう。部屋の温度を快適に保っておくことも大切です。しかし新生児は、万端に準備しても夜中に起きることが多々あることは承知しておきましょう。
沐浴は夕方遅めにする
人間は夜寝るときには、体温が低くなっていくと眠りに入るようにできています。赤ちゃんもそのサイクルを利用し、沐浴を夕方遅めにします。たとえば、19時に寝かせたいなら17時半頃に体温が上がる沐浴→お風呂後のケア→授乳、としていくと、自然に体温が下がり眠りにつきやすくなるのです。
赤ちゃんを昼夜逆転させないための対策
完全に昼夜逆転してしまうと大変なので、そうなる前になんとか対策を打っておきたいですよね。昼夜逆転してしないというママ・パパも取り入れておくと安心です。
朝はカーテンを開けて日差しを浴びる
朝に日差しを浴びることで、夜にきちんと眠くなるホルモンが分泌されます。このホルモンが出ていると出ていないとでは大違い。まだ寝ているからと暗いままにしておかず、しっかり早起きして朝日を浴びましょう。
寝る前は静かに過ごす
寝る前まで元気に遊んでいると脳が覚醒してしまうことに。興奮してしまった状態ではなかなか眠りにつけないですよね。お風呂から上がったら、ママ・パパも静かな声で話しかけるようにし、赤ちゃんが落ち着けるような空気を作ってあげましょう。
お風呂上がりは明かりを暗めに
お風呂から上がったら、明かりは暖色系などの暗めにします。大人でも暗めな空間にいると眠くなってきますよね。赤ちゃんに眠る時間だよというサインを送ってあげるのが大切です。
昼夜逆転しないためのルーティーンを
昼夜逆転の解消法、対策について参考になりましたでしょうか? 難しいものではなく、夜寝るための儀式としてルーティーン化できるよう工夫してみてください。そして夜眠るためには朝から昼間の心がけも大事。赤ちゃんが自然に夜眠れるように1日の流れを作ってあげましょう。
記事監修

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために修士課程に進学・修了。親御さん方へのアドバイスを充実させたいと思い、保育士・公認心理師の資格を取得して役立てている。現在は、世界に住む妊婦さんや産後の方向けに、オンラインサービス中心のエミリオット助産院を運営。
文・構成/HugKum編集部