私たち親世代が子どもの頃と今を比べると、受験の問題に変化が見られることを知っていますか?どんな問題でも「答え」を出すことが重要だった昔とは違い、今や答えが導き出されるまでの「プロセス」を重要視する傾向があります。
そこで今回の記事では、答えよりプロセスを重視するとはどういうことなのかを紐解くと同時に、今の時代の子どもに必要とされる能力について解説します。
目次
近年の入試、答えよりプロセス重視へ
近年の入試では、「答え」よりも「プロセス」を重視する傾向があります。入試の問題を見ると、答えのみを回答させるのではなく「どういう手順で答えを導き出したのか」ということを求める問題が多いです。
入試は、中高一貫校などの中学受験のほかにも、高校受験やその先の大学受験まで、進学をするのであれば避けては通れないものです。これからを生き抜く子どもたちにとっては、答えを求められる学力だけでなく、答えが導き出されるまでのプロセスを考える力も必要だといえます。
プロセス重視の現代に求められる論理的思考力とは?
問題を解決するプロセスを導き出すためには、論理的思考力が必要です。ここでは、プロセス重視の現代に求められる「論理的思考力」について解説します。
物事を筋道を立てて理解・説明できる力
論理的思考力とは、物事を筋道を立てて理解し、それをわかりやすく説明できる力のことです。
論理的思考力が身についていると、物事をさまざまな観点から捉えることができ、複雑な問題でも一つひとつを紐解いていくことができます。しっかり理解できるので、他人にわかりやすく説明することも可能です。論理的思考はロジカルシンキングとも言われ、ビジネスシーンでも重要だといわれています。
論理的思考力がもたらすメリット
論理的思考力が身についていると、以下のようなメリットがあります。
- 問題解決力が身につく
- 説得力をもって説明できる
どんな問題に立ち向かうことになっても、筋道を立てて考えることができるので、解決するまでのステップを導きだすことも難しくありません。また、一つひとつをしっかり理解しているので、人に説明するときも説得力をもって話すことができます。論理的思考力がもたらすメリットを見ると、答えよりもプロセスを重視する現代において、まさに必要とされる力であることがわかります。
論理的思考力がもたらすデメリット
論理的思考力は、以下のようなデメリットもあります。
- 必ずしも論理通りに物事が進むとは限らない
- クリエイティブな分野では活用できない
論理的に物事を捉えることができても、その通りに物事が進むとは限りません。また論理的思考は「問題」「前提条件」がある場合に有効な考え方です。そのため、クリエイティブな分野では論理的思考は活用できないこともあります。
このように、論理的思考力にはデメリットな面もありますが、メリットのことを踏まえると、子供の将来のためには必要な力だと考えられます。とくに、中高一貫校の受験を検討している家庭は、できるだけ早く子どもの論理的思考力を伸ばす準備を進めることが大切です。
子どもの論理的思考力をアップさせる方法
論理的思考力の大切さはよくわかりました。では子どもの論理的思考力をアップさせるためには、どのような方法が有効なのでしょうか。ここでは家庭で実践できる5つのアプローチを紹介します。
本をたくさん読む
子どもの論理的思考力を高めたいなら、本をたくさん読ませてあげてください。プロセスを導き出し、それをより正確にわかりやすく説明するためには、ボキャブラリーの多さも重要です。本をたくさん読むことで、言葉のボキャブラリーが増えるとともに、思考力もアップします。
プロセスを尋ねる会話を日常的に取り入れる
プロセスを尋ねる会話を日常的に取り入れることも、子どもの論理的思考力アップに有効です。次のような質問を、子どもとのコミュニケーションに取り入れてみましょう。
- 「それってどういうこと?」
- 「たとえば?」
- 「他にはどんなことがある?」
- 「それはなんで?」
- 「じゃあどうすればいいかな?」
質問をされた子どもは、答えるために内容を考え直したり、複数の方法を考える努力をしたりするはずです。日常的にプロセスを考える機会を増やすことで、子どもの論理的思考力は自然にアップしていきます。
さまざまな物事に関心がもてるように促す
子どもの論理的思考力をアップさせるためには、さまざまな物ごとに感心がもてるよう促すことも有効です。論理的思考力が高い人は物事への関心も高く、興味をもってリサーチするからこそ、理解を深めることができます。関心がもてる物事が多ければ多いほど、論理的思考力は磨かれていきます。家族でさまざまなスポットやイベントに参加し、関心が持てるきっかけを作ってあげてください。
自分で調べる習慣を身につけさせる
子どもに「なんで?」「どうしたらいい?」と聞かれると、すぐに答えを教えてしまう…というパパ・ママは少なくありません。しかし、それでは論理的思考力はアップしないので、疑問は自分で調べる習慣を子どもに身につけさせましょう。「この本で調べてみたら?」と促してあげたり、一緒に調べたりしてみてください。
家庭学習にプログラミング教育を取り入れる
家庭でプログラミング教育を取り入れるということも、子どもの論理的思考力をアップするための方法の1つ。プログラミングをするためには、論理的な命令を細かく与える必要があります。少しでも命令に矛盾点があれば上手く動作しないので、論理的思考力はプログラミングに欠かせないものなのです。プログラミング教育を家庭学習に取り入れれば、論理的思考力も磨かれていきますよ。
子どものうちから答えよりプロセス重視を意識しよう
答えよりプロセスを重視する現代では、「論理的思考力」が必要だと考えられます。ぜひ、子どものうちから「答え」より「プロセス」を重視するように、意識させてみてください。受験はまだまだ先のことでも、日常的に論理的思考力を磨くことが、子どもの人生に大いに役に立つはずです。
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記事監修
「いいなぁ、みらい」をコンセプトに、子どもたちのみらいを切りひらくための機会を提供。webメディア「みらいい」やYouTube「みらいいチャンネル」を中心とした先端教育に関する情報発信や成功体験を得るプロジェクトを推進。プログラミング教育やSTEM教育、SDGsに関する情報格差の解消を目指します。