新型コロナウイルスによる休校の影響で、今年は多くの自治体で夏休みを短縮しています。短いところでは9日間、長いところでも23日程度と、例年に比べ大幅に短くなっているようです。これは先生や子どもたちにどんな影響があるのでしょうか?
そこで、小学校教員のための教育情報サイト『みんなの教育技術』の協力のもと、全国の小学校の先生方104名に緊急アンケート。夏休みの宿題や、夏の過ごし方について先生方の意見を聞きました!
今年の夏休みの宿題はある?例年より減った?
例年では30〜40日間ほどある夏休み。長期休暇を計画的かつ有意義に過ごすため、自由研究や読書感想文など夏休みならではの宿題がつきものでした。
特に「自由研究」は子どもたちが興味・関心がある事柄を自由に調べたり、観察したり、長い休みだからこそできる夏休みの宿題の定番。探究心や好奇心を思う存分発揮してオリジナリティ溢れるものを仕上げたいと気合いが入る親子もいる一方、「何をやらせればいいかわからない!」など保護者を悩ませる要因でもありました。
短い期間しかない今年の夏休み。自由研究を仕上げるのはなかなか至難の技。先生方は自由研究の宿題を出しているのか聞いてみました!
今年は「自由研究」の宿題がない小学校が約9割!
なんと約9割の先生が、今年の自由研究の宿題はないと回答。この結果にホッとしている家庭が多いのではないでしょうか?自由研究の宿題がある子どもたちは、短い期間でできるものなど、ネタ選びにも工夫が必要そうですね。
例年より宿題の量も少なめ!
全体的に宿題は例年より減ったという小学校が43%、変わらないという学校が42%という結果に。
また、全く宿題がない小学校も7%ありました。夏休み短縮で子どもたちに負担が掛かることを考えた学校が多いようです。
先生が子どもたちに、夏休み中やって欲しいことは?
先生方が子どもたちに望む、夏休み中に身につけて欲しいことや、やって欲しいことを聞きました。休校明けの子どもたちの様子をじっくりと見てくれていた先生らしい温かなコメントがたくさん!
規則正しい生活
夏休みは生活リズムの乱れが心配の種。早寝早起きや3食しっかり食べることを親子で心がけたいもの。また、一年生の担任の先生からは、休校の影響で一学期に生活面の指導が十分にできなかったことを心配している声も。ぞうきんの絞り方や食事の盛り付けなど、家庭でのお手伝いを通して身につけたいですね!
規則正しい生活 (30代・男性/小3担任)
家庭のなかで日常生活リズムを、崩さないことと、感染予防のために体力作りに励むこと。(40代・女性/特別支援級担任)
ぞうきんの絞り方、食事の盛り付けなど、一学期に十分指導できなかったことを家庭で身に付けてほしい。(40代・女性/小1学年主任)
思いっきりリフレッシュ!
せっかくの夏休み、思いっきり遊んで楽しんで欲しいというのは先生も親も共通の思い。休校が続き、なかなか学校に行けなかったり、楽しみにしていた行事が中止になったり、活動が制限されたりと、子どもたちも知らず知らずの間にストレスを溜め込んでいるよう。夏休みはとにかくリフレッシュして!と考える先生方が多くいました。
10日という短い期間なのと、休業中、学校再開後の新しい生活様式での学校生活でストレスもかかえていると思うので、おもいっきり遊んでほしい。(50代・女性/小5担任)
とにかくリフレッシュしてほしい! (20代・女性/小4担任)
まずはストレスを発散してほしい。(個人で発散する手段を見つけてほしい) (30代・男性/小2学年主任)
ゆっくり休んで心と体を整えること
長い自粛期間を経てバタバタと学校再開…、目まぐるしい環境の変化に心も体も疲れている子どもたち。コロナ禍の先の見えない不安な状況も子どもたちの心に少なからず影響を与えています。体力が落ちている子も多いので、この夏はいつもよりゆっくりと過ごして欲しいという声が多数。
ゆっくり休んで、体調を整えてほしい。(20代・女性/小3担任)
今年は少しのんびりと過ごしてほしい。(30代・女性/音楽専科)
コロナ以前の落ち着いた心を持ち、人に優しくなってほしい。(コロナ休校中にyoutubeたくさん見たらしく、言葉遣いが非常に荒くなっている。)睡眠時間を確保してほしい。(常に眠そうで、イライラしている) (30代・男性/小6担任)
ボーとして、自然の音に耳を傾けたり、のんびり読書したりしてほしいです。(30代・男性/小2学年主任)
夏休みが終わった後、年末ギリギリまで授業があるので、睡眠、休養を十分とるなどの体調管理をすること。夏季登校での体力ダメージを取り除くことのみ。(40代・男性/小3担任)
家族との時間を大切に
旅行に行ったり、祖父母の家に帰省したりといった定番の過ごし方がなかなかできない今年の夏。だからこそ家族で過ごす時間を大切にして欲しいというコメントが。たくさん会話をしたり、家の手伝いをしたり、一緒に何かを作ったり。家族の思い出をいっぱい作って、二学期への英気を養うことが大切!
親子でたくさん触れ合ってほしい。40代・女性/小4学年主任
「英気を養う!」これに尽きます。家族との時間を大切に、規則正しい生活をして、2学期からも元気に学校に来てくれたらハナマルです。30代・女性/特別支援級担任
家族とのんびり過ごし、心を整えてほしい。50代・女性/小1学年主任
コロナで旅行など行けないからこそ、家族の団欒の時間を大切にしてほしい。体力が非常に落ちているので、少しずつ体力を向上させてほしい。20代・男性/小5担任・体育主任
興味があることにチャレンジ!
思うようにお出かけができなかったり、制限はあれど学べるチャンスは身近にたくさんあるはず。できないことに目を向けるのではなく、今できることにトライしてみましょう!という先生方の熱い思いを受けて、夏休みならではの体験をたくさんさせてあげたいですね。
興味のある学習をどんどん進めてほしい。読書に親しんでほしい。50代・女性/小4担任
コロナだからではなくコロナだからこそできることに挑戦してほしい。外に出られないなら家で普段取り組んでいないことなど。30代・男性/小2担任
できないことばかりを思うのではなく、チャレンジできることを見つけたり、作ったりしてほしい。30代・男性/小3担任
例年と比べると制限はあるが、夏休みにしかできないことを経験してほしい。30代・女性/小2担任
短いからこそ、貴重な夏休みを思いっきり楽しもう!
そもそも夏休みは子どもにとっては大きな楽しみ。旅行に行ったり、祖父母の家に帰省したり、お祭りや花火大会、プールや海で思いっきり遊んだり…。それらがほとんどできない状況は、親だけでなく先生方も心苦しく思っています。
いつもより短い夏休みですが、子どもらしく思いっきり楽しんで欲しいというのが大人たちの共通の願い。宿題も少ないことですし、今年の夏休みはゆっくり家族で過ごして、二学期に向けて心と体のパワーチャージをしましょう!
文・構成/HugKum編集部