優しくて自然な甘さを感じるさつまいもは、子どもにも人気の食材です。栄養価が高いさつまいもを、食事やおやつに積極的に取り入れていきましょう。さつまいもに含まれる主な栄養素や、栄養をたっぷり摂れる調理方法、おすすめの食べ方を紹介します。
さつまいもの栄養価とは?
さつまいもには、子どもの成長やパパママの美容・健康に役立つ栄養素がたくさん含まれています。主な栄養素と含有量について、詳しく見ていきましょう。
食物繊維
食物繊維とは、消化酵素によって消化・吸収されずに大腸まで届く食品成分のことです。水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ健康維持に欠かせない栄養素とされています。
水溶性食物繊維には、食後の血糖値の上昇を抑えたり血中のコレステロール値を下げたりする働きがあり、生活習慣病の予防に効果が期待できます。不溶性食物繊維の主な効果は、便秘の予防・解消です。
厚生労働省では、成人女性が1日に摂るべき食物繊維の量を、18g以上としています。しかし、実際の摂取量は平均で14g程度と、ほとんどの人が不足している状態です。
さつまいもには、2種類の食物繊維がバランスよく含まれています。さつまいもを食事に取り入れれば、不足しがちな食物繊維を手軽に補えるでしょう。
出典:食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
出典:生活習慣病の予防と食物繊維 | 公益社団法人 千葉県栄養士会
ビタミンC・ビタミンB1
ビタミンCは、血管や皮膚の老化を防ぐ効果が期待できる栄養素です。成人女性の場合、1日当たり100mgが目標量とされています。
ビタミンB1は糖質の代謝に必要な栄養素です。不足すると、糖をエネルギー源とする脳や神経に悪影響を及ぼします。成人女性の1日の必要量は1.1mgですが、平均摂取量は0.87 mgとやや不足気味です。
さつまいもには100g当たり58mgのビタミンCと、0.11mgのビタミンB1が含まれており、足りないビタミンを効果的に補給できます。
出典:「健康食品」の安全性・有効性情報
出典:日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要|厚生労働省
カリウム
カリウムは、余分なナトリウムや老廃物を体外に排出する作用を持つ栄養素です。
塩分量を調整して血圧を下げる効果や、体にたまった老廃物を出してむくみを解消する効果が期待できます。
カリウムの1日の目標量は、成人女性の場合2600mgです。さつまいものカリウム含有量は100g当たり480mgと多く、血圧が高めの人やむくみやすい人に、大変おすすめです。
出典:カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)
出典:いも及びでん粉類/(さつまいも類)/さつまいも/塊根、皮むき、生 – 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
さつまいもの栄養を効率よく摂るには
さつまいもにはさまざまな食べ方があります。豊富な栄養素を効率よく摂るための、調理法や食べ方を見ていきましょう。
蒸して食べる
さつまいもの調理方法で、最もおすすめなのが蒸し調理です。さつまいもを蒸すと、デンプンがゆっくりと糖化されることによって甘くなり、ホクホクの食感に仕上がります。
ビタミンCは熱に弱い栄養素ですが、さつまいもに含まれるビタミンCはデンプンによって守られるため、加熱しても大丈夫です。
ただし、ゆでると栄養分が溶けだしてしまうため、水分を閉じ込められる蒸し調理が適しています。
水に溶けやすいカリウムも、蒸し調理なら無駄になる心配がありません。焼く・揚げるなどの調理方法に比べてカロリーが低く抑えられ、ダイエット中のおやつにもぴったりです。
皮も一緒に食べる
さつまいもは、できるだけ皮も一緒に食べるようにしましょう。さつまいも100gに含まれる食物繊維の量は、皮付きと皮無しでは0.6gもの差があります。
また、皮にはカルシウムやポリフェノールの一種「アントシアニン」などの栄養素も多く含まれています。よく洗って皮ごと食べる方が、さつまいもの栄養をたくさん摂れるのです。
子どもに人気の好きなさつまいも料理・お菓子は?
Hugkum編集部では、0~12歳のお子さんを持つママやパパにアンケートで子どもたちが好きなさつまいもの料理やお菓子についてアンケートで聞いてみました。
Q.お子様が好きなさつまいもを使った料理やお菓子は何ですか?
甘くてほくほくとしたさつまいもを味わえる、スイートポテトや大学芋などのスイーツが人気のよう。料理では、天ぷらやさつまいもごはんも人気の声が聞こえてきました。
スイートポテト
大学芋
焼き芋
天ぷら
さつまいもごはん
子どもも喜ぶおすすめの調理法
栄養価の高いさつまいもは、子どもに積極的に食べさせたい食品の一つです。子どもが食べやすく、喜んでくれる調理法を紹介します。
さつまいもごはん
栄養が多いとはいえ、さつまいもの皮は子どもには食べにくいかもしれません。
皮がやわらかくなる「さつまいもごはん」なら、子どもでもおいしく食べられるでしょう。皮のおかげで煮崩れしにくく、色もきれいです。
具はさつまいもだけでも十分ですが、豚肉や鶏肉、にんじん、きのこなどを入れて炊くと、さらに栄養バランスがよくなります。水を少なめにすると、さつまいものホクホクとした食感を出せます。
さつまいもプリン
さつまいもを使ったプリンは、素朴な甘さが魅力です。材料が少なく、作り方も簡単なので、子どもと一緒にチャレンジしてもよいでしょう。
皮をむいたさつまいも200gを、やわらかくなるまでレンジで加熱してしっかり潰します。粗熱が取れたら卵2個、牛乳200cc、砂糖40gを加えてなめらかになるまでミキサーで混ぜ、プリン液を作ります。
耐熱カップに分けて注ぎ、オーブンや蒸し器などを使って加熱しましょう。竹串をさしてみて、プリン液が付いてこなくなるほど固まったら完成です。
よく冷やし、生クリームやハチミツ、メイプルシロップなどをトッピングして食べましょう。
さつまいもの保存方法
さつまいもは正しく保存すれば、意外に長持ちする食材です。おいしさをキープし、無駄なく使い切れる保存方法を解説します。
常温保存か冷凍保存
さつまいもは低温に弱いため、冷蔵庫に入れるとかえって傷みやすくなります。1本ずつキッチンペーパーや新聞紙にくるんで、風通しのよい場所で常温保存しましょう。
土が付いたままのものや水洗いしていないものなら、1カ月以上保存可能です。カットしたさつまいもや、蒸す・ゆでるなど調理済みのさつまいもは、密閉袋に入れて冷凍庫で保存します。
栄養たっぷりのさつまいもを食べよう
食物繊維やビタミン・カリウムが豊富なさつまいもは、健康な体づくりに役立ちます。加熱してそのまま食べるのはもちろん、ごはんやデザートにも。
日々の献立にさつまいもを取り入れて、親子でおいしくいただきましょう。
文・構成/HugKum編集部