今回から4回に渡って、悩める子羊「依頼主=S様」のキッチンを大解剖していきたいと思います。こちらのキッチンは、築25年弱の一戸建て。フルタイムでお仕事をされている忙しい2児のママです。
「自称、汚キッチン」を拝見!
キッチンを拝見しながら、何が問題になっているのかをひとつひとつ確認していきましょう。
たいていの場合、問題箇所を羅列するのですが、私は、「できているところ」から探していきます!
依頼者が「汚い! 散らかっている! 片付けができない」と嘆いている中にも、一筋の光はどこかにあるものです!
「できている」ところを探す意味
「できている」という事実は依頼者やご家族とってやりやすい!ということ!
それを増やせば良いのです。
ここでは、3つの良いことを取り上げます。
【Goodポイント①】使うものが使う場所の近くにあること!
ザルやボウルなど、水回りで使うものがシンク周りにあったり、シンク下に入れている調味料は、作業台からのアクセスは遠くとも、開く扉の向きからしたら使いやすい、火回りで使う物は、コンロ下にと、導線が考えられていました!
【Goodポイント②】グルーピングができている
製菓グッズ、お茶関係などと、それらを使うときに必要なものがまとめられていました!
これは、グルーピングというスキル。
使うものが一つにまとまっていたら、その行為が時短で効率的ですよね!
【Goodポイント③】自分にとっての利便性を取り入れている
カウンターから、配膳しやすいように、カトラリー類がコップに立ててありました。見た目より利便性を優先する。これは、自分のことを理解できているからこそできることなのです。
この「できていること」から分析すると、S様は、必要なものは使う場所の近くに自分が納得した状態で収まっていれば、戻すことができるということがわかります。
当たり前でしょ?と思うかもしれませんが、もっと簡単にしないと戻せないタイプの方もいらっしゃるのです。
3つの問題点
では、次に問題点を3つ見ていきましょう。
キッチンの状況説明を聞いていると、チラチラとキーワードが出てきました。
【問題点①】「なんとなく買っちゃって……」が多い
お話しを伺っていると
「なんとなく買っちゃいました」
というものが多く、そこに違和感を感じている様子。
先ほど、納得できていると片付けることができると申し上げましたが、食器に関しては納得できていないことがわかりました。
100均に行くと買ってしまうということもわかりました。
【問題点②】使っていないものが多い
バカラのグラスやエルメスの食器など、素敵な物は箱に入ったまま。
それでいて100均のものをヘビロテで使っていたり、欠けていたり。また、枚数が少なくなって家族の人数分揃っていない食器などもあります。
【問題点③】見た目が雑然としている
また、お話しを伺っていると
「見た目がイヤ!」
ということを何度かおっしゃっていました。
「できれば、もっとおしゃれにしたい」
とも。
S様は、完璧主義ではないものの、気に入らない状態は、ずっとどこかで気になっていて、毎回キッチンに立つたびにストレスを感じている様子。
できているところに比べると、食器関連は特にエネルギー値が下がるようでした。
100均で適当な食器を買ってしまっていること、お気に入りが明確にならず、なんとなく増えている食器にも疑問があるようです。
みなさんも、まずはこのように「できていること」や「できていないこと」、「ストレスに感じていること」を考えてみてください。収納グッズを揃えたところで、ストレスを解決出来なければ意味がないのです!
キッチンの片付けのゴールはどこ?
今回のゴールは「キッチンでの動きがスムーズであり、お気に入りのものに囲まれた、見た目の揃ったキッチン」ということになりました。
S様にとって、食卓に出したときに気分良く、気持ちよく感じられる食器を選びながら行っていきたいと思います。
次回vol.18は、「捨てるから始めない食器の選び方」についてお届けしていきたいと思います!
記事執筆
ライフオーガナイザー®
鈴木尚子
(片付けに悩む中、独学で生活を改善し、片づけとパーソナルスタイリングの仕事を開始。
メソッドを公開したブログが人気を呼びパワーブロガーに。
2011 年にSMART STORAGE!を創業し、現在は株式会社となる。日本初のクローゼットオー
ガナイザー認定講師として人材育成にも携わっている。
また、義母を看取った経験をもとに、人生折り返し地点からのライフマネジメント術AgeWell
Living を立ち上げ、活動の場を広げている)
公式ホームページ:https://smartstorage.jp
ブログ 「SMART STORAGE!」:https://ameblo.jp/naowr/