目次
防災グッズは必要?
はじめに防災グッズの必要性について考えてみましょう。防災グッズの有無でどのような違いがあるのでしょうか?
災害への備えが命を守る
日本は、世界の中でも地震の多い国です。また、台風の通り道になることもあり、年間の降水量が多く河川の氾濫なども毎年のように発生しています。
災害時には救援や支援がありますが、手元に届くまで時間がかかることも考えられます。備えの有無により、命が助かるかどうかが決まると言っても過言ではありません。
避難するときに慌てて用意をしていると、避難の遅れにより命が危険にさらされてしまいます。異常事態では冷静な判断ができず、必要なものを見落としてしまう可能性もあるでしょう。そのような事態にならないためにも、日頃から防災グッズを準備しておくことが大切なのです。
最低限必要な防災グッズリスト
災害時は状況に応じて、さまざまな防災グッズが活躍します。まずは最低限必要な防災グッズを紹介しましょう。
貴重品
現金・通帳・保険証・運転免許証・マイナンバーカードなどの貴重品は、非常時にはすぐに持ち出せるようにしておきましょう。
とはいえ、普段から防災グッズと一緒にしておく必要はありません。緊急時に探さなくてもいいように、置き場所を決めてまとめておくことが大切です。
保管中に火事や水害に遭うことも考えられるため、耐火・防水ケースなどで保管しておくとよいでしょう。避難中に持ち歩きやすいよう、身に着けられるケースにコンパクトにまとめられると便利です。
水、食料
災害発生時は救援物資が届くまでに時間がかかることも想定されます。そのような場合に備え、水や食料を準備しておきましょう。
飲料水は、「1人当たり1日3l」必要といわれます。家族の人数で備蓄すべき量は異なりますが、多めに用意しておくに越したことはありません。サイズは500mlでもよいですが、2lのペットボトルなら空きボトルを給水の際にも使えます。
食料はレトルト食品や缶詰など、常温で長期間保存できるものを選びましょう。水も食料も最低でも3日分、可能なら1週間程度の量があるのが理想です。
・水(3日分×家族の人数分)
・食料(3日分~1週間分×家族の人数分)
情報ツール
災害時は、情報を把握することが重要です。平時であれば、テレビやスマホで情報を調べられますが、被害状況によっては電気や通信回線に影響が出ることもあり、使えなくなるかもしれません。
そのような場合に備えて、携帯ラジオがあると安心です。ラジオは乾電池だけでなく、USBやソーラー充電、手回し充電ができるタイプもあるため、複数の充電方法があるものを選びましょう。
また、周辺の避難場所などを記載した防災マップが行政から配布されているケースがあります。そのような地図があれば、一緒にしておくと便利です。
スマートフォン用防災アプリは、地域情報と連携して地震速報や豪雨予報を通知してくれます。災害時の情報収集ツールとしてダウンロードしておくと安心です。
・携帯ラジオ
・防災マップ
・スマートフォン用防災アプリのダウンロード
医療品・衛生用品
災害時には、けがをしてしまうことがあります。そのような場合に備えて、応急処置ができるセットを用意しておきましょう。
消毒薬・ばんそうこう・包帯など、素早く簡単に処置できるアイテムがあると便利です。急な発熱なども考えられるため、解熱剤や風邪薬なども入れておきましょう。持病がある人は、7日分程度は薬を切らさないようにすることが大切です。
状況によっては、水道が止まりトイレが使えないケースもあります。衛生用品は、簡易トイレや消臭袋などが必要です。また、歯ブラシやウエットティッシュも準備しておきましょう。
・応急処置セット(消毒薬・ばんそうこう・包帯など)
・簡易トイレ
・消臭袋
・歯ブラシ
・ウエットティッシュ
家族構成別の防災グッズリスト
家族構成によって、必要となる防災グッズには違いがあります。女性や子ども、高齢者がいる場合には、どのようなグッズがあるとよいでしょうか?
女性がいる場合
女性がいる場合、生理用品を忘れないようにしましょう。災害時はストレスから周期が崩れることもあるため、最低でも1周期分は用意しておく必要があります。下着を頻繁に替えられないケースに備え、おりものシートなどもあると便利です。
避難所で生活する場合、更衣室がない可能性もあります。ラップタオルやケープなどがあると、人に見られることなく着替えやすくなるはずです。その他、普段使っているスキンケアアイテムなどがあると、災害時のストレスを軽減できます。
・生理用品
・おりものシート
・ラップタオルやケープ
・スキンケアアイテム
子どもがいる場合
子どもがいる場合、子どもの年齢に合わせた準備が必要です。赤ちゃんならおむつやおしりふき、ミルクと哺乳瓶、レトルトの離乳食なども用意しておきましょう。
汚れ物も出やすいため、ビニール袋があると便利です。母子手帳もすぐ持ち出せるようにしておきましょう。
少し成長した子どもなら、子どものサイズに合わせた下着を多めに入れておきます。絵本やノート、クレヨンなど好きな遊び道具があると、子どものストレスを軽減できるかもしれません。
また、避難所で多くの人と一緒に生活するため、万が一に備えて防犯ブザーを携帯しておくと安心です。
・おむつ、おしりふき、または下着
・ミルクや哺乳瓶
・レトルト離乳食
・母子手帳
・ビニール袋
・遊び道具
・防犯ブザー
高齢者がいる場合
高齢者がいる場合には、老眼鏡や入れ歯、入れ歯用洗浄剤、補聴器など普段使っているものを持ち出せるようにしておきましょう。杖や大人用おむつなど、状況に合わせた介護用品も必要です。普段柔らかい食事を好んでいるなら、おかゆなどの非常食を多めに準備しておきましょう。
いつも飲んでいる薬がある場合は、それも忘れずに持ち出します。お薬手帳のコピーなどがあると、避難時にも正しい処方をしてもらえて安心です。
・介護用品(大人用おむつなど)
・おかゆなどの非常食
・薬やお薬手帳のコピー
避難時にあると便利なものリスト
避難の際には多くのものは持ち出せませんが、あると便利なアイテムもあります。必要最低限の防災グッズ以外に、何を用意すればよいのでしょうか?
衣料品
避難時には、動きやすい服装が便利です。寝るときも着替えずそのままのケースが多いため、伸縮性があるものを選べば窮屈になりません。ジャージなどの動きやすい服装を、1セットは用意しておきましょう。
暑い時期には半袖や半ズボンを選びたくなりますが、災害時に肌の露出が多いとけがをする危険性があるため、長袖・長ズボンがおすすめです。
夜間や寒い季節には、しっかり防寒しておかないと低体温症になってしまうかもしれません。ウインドブレーカーなど、防寒性に優れかさばらないアウターもあるとよいでしょう。カッパは防寒と防水が可能なので、いろいろなシーンで活用できます。
・避難用の服装
・防寒具
・カッパ
日用品
避難所で生活する場合、他の人の生活音や明かりが気になり、ストレスになることがあります。耳栓やアイマスクを用意しておくと、周囲を気にせずに眠りやすくなるかもしれません。
食品用のラップは、食器にかぶせて使うと食器を洗う必要がなくなり、水が節約可能です。体に巻き付ければ防寒にもなり、傷口の保護などにも使えます。ひもやロープの代用になるなど使い道が広いため、多めに準備しておきましょう。また、がれきの撤去などでけがをしないためには、軍手も重宝します。
・耳栓
・アイマスク
・食品用ラップ
・軍手
調理器具
非常食はそのまま食べられたり、水で調理ができたりするため、火を使わない利点があります。しかし冷たい食事が続くと、それがストレスになるかもしれません。避難中も温かい食事をするためには、カセットコンロやボンベなどを用意しましょう。お湯が沸かせるだけでも、カップラーメンや温かい飲み物を口にできます。
普段からも活用できるカセットコンロは、一家に1台あると便利です。ボンベは6~7年保管可能なため、普段使いしながら在庫を切らさないようにしましょう。
・カセットコンロ
・ガスボンベ
モバイルバッテリー
災害時の情報収集や通信手段として、重要な役割を果たすのがスマホです。スマホを充電するためのモバイルバッテリーは、忘れずに用意しておきましょう。普段からバッテリーとケーブルをセットにしてバッグに入れておき、定期的に充電をチェックしておくのがおすすめです。そうしておけば、外出時に被災しても心配ありません。充電式以外にも電池で使えるものもあるため、使用状況に合わせて選びましょう。
・モバイルバッテリー
・ケーブル
感染対策グッズ
災害時には、衛生環境の悪化や水不足などが発生しますが、避難所では多くの人が近い距離で生活していることもあり、さまざまな感染症が発生しやすくなります。このような状況に備え、感染症から身を守るグッズを用意しておくことも重要です。除菌ウエットティッシュやアルコール消毒薬など、手を清潔に保てるようにしましょう。マスクやマウスウォッシュなどもあると便利です。ポリ手袋があると、さまざまなものに直接手で触れることを避けられるため、感染予防につながります。
・除菌ウエットティッシュ
・アルコール消毒薬
・マスク
・マウスウォッシュ
・ポリ手袋
防災グッズを準備するときのポイント
防災グッズをそろえて家に置いておくときには、どのようなことに気を付ければよいでしょうか? 防災グッズの準備のポイントを紹介します。
取り出しやすい場所に置く
防災グッズは取り出しやすい場所に置きましょう。いざ災害が発生して避難しようと思ったとき、どこに置いたか分からないようでは役に立ちません。例えば納戸の奥などに入れてしまうと、地震などで物が崩れて取り出せなくなってしまう可能性があります。必ずサッと取り出せる場所に置き、すぐに使えるようにしておきましょう。
おすすめの置き場所は、玄関先や靴箱の中です。避難の際でも玄関から出ることがほとんどのため、玄関に置いておけば探す必要もなく、取り出しやすいでしょう。
また、寝室のベッドの横や車に積んでおくのもOKです。ただし、食料などを車に積んでおく場合、夏場などは車内の温度が高温になることもあるので注意しましょう。
定期的に点検、交換する
防災グッズは定期的に点検し、必要に応じて中身を交換する必要があります。特に水や食料品、医薬品などは賞味期限や使用期限があるため、確認しておくことが大切です。
また、乾電池にも使用推奨期限があります。3~10年で期限が切れるため、チェックして交換しておきましょう。その際には、ラジオや懐中電灯などの機器類も動作確認をしておくと安心です。
防災グッズを用意してから、家族構成が変わることもあります。子どもが生まれたり、親と同居したりしたときには、その都度防災グッズの中身を見直しましょう。
食料はローリングストック法で管理
ローリングストック法は、災害に備えた食料備蓄法の一つです。普段から加工品など賞味期限が長めの食材を少し多く買っておき、使ったら補充する形で常に一定量を確保しておきます。こうすることで、非常時にも食べなれた食材を食べることができるのです。
近年は、非常食を使ったローリングストック法も注目されています。非常食は賞味期限が3~5年と長く設定されていますが、防災袋に入れっぱなしでは期限が切れてしまうかもしれません。
そうならないよう定期的に非常食を食べる日を作り、また新たに非常食を買い足していきます。非常食は調理方法が特殊なものもありますが、日頃から食べていれば戸惑うこともありません。
防災グッズに入れたい人気の非常食
防災グッズには非常食がつきものですが、近年は多数の非常食が販売されています。その中から人気の非常食を紹介しましょう。
尾西食品「アルファ米ごはんシリーズ」
炊きたてご飯を急速乾燥させた、アルファ米ごはんシリーズです。お湯なら15分、水なら60分待つだけで、おいしいご飯が食べられます。中にスプーンが入っており、食べるときに食器も必要ありません。5年保存可能で、白飯の他、五目ごはんやドライカレー、えびピラフなど、種類も豊富にそろっています。でき上がりの量は210~320gで、お茶碗大盛1杯分程度です。
ボローニャ「備蓄deボローニャ6缶セット」
備蓄deボローニャは、おいしいブリオッシュタイプのパンが手軽に食べられる缶詰です。5年の長期保存が可能で、プルトップタイプのため缶切りなしで開けられます。災害時で水分に限りがある場合にも食べやすいしっとり感とほっとする優しい甘さです。味はプレーン・メープル・ライ麦オレンジの3種類。つぶれることなく手軽に持ち運べるため、防災用以外でもキャンプや登山の際に持参してもよいでしょう。
井村屋「えいようかん」
5年間長期保存できる、食べきりサイズのミニようかんです。1本当たり171kcalと、ご飯約1杯分のエネルギーが補給できます。普通のようかんに比べると柔らかくてすっきりした甘さなので、水なしでも食べやすいのが特徴です。コンパクトなため、防災グッズの袋に入れてもかさばりません。暗闇でも見つけやすいホログラムや点字表記など、パッケージも工夫されています。箱の裏面には、災害用伝言ダイヤルの使用方法が記載されているなど便利です。
必要なものが入った防災セットもおすすめ
防災グッズを一つずつそろえるのは手間がかかります。そのような場合には、必要なものが一通り入った防災セットを購入すると便利です。おすすめの防災セットを紹介します。
アイリスオーヤマ「防災セット 1人用 31点 BS131」
防災士監修で、「本当に必要だと感じたもの」を厳選した1人用防災セットです。衛生用品やレインポンチョ、アルミブランケット、懐中電灯など基本的なアイテムが31点入っています。特にこだわっているのが寝具です。避難所でも快適な睡眠が取れるよう、22cmの極厚エアベッドとエア枕が含まれています。大容量26lのリュックも付属しており、避難時の荷物を一つにまとめることが可能です。リュックはテントなどに使用されるターポリン素材で水に強く、安心して使えます。
防災防犯ダイレクト「地震対策30点避難セット」
2012年度に非常持出袋として初めて、グッドデザイン賞を受賞した商品です。防炎素材を使用したリュックで、持ち手部分に暗闇でも光る蓄光材を使用しています。スタイリッシュなデザインで自立するスタンドタイプのため、玄関やリビングなどに置いても違和感がありません。
セット内容は5年保存水や缶詰入りのパンの他、レイコートや簡易トイレなど30点です。中でもラジオは、LEDライトやスマホ充電などにも使用できる多機能タイプで、災害時にはさまざまな用途で活躍してくれるでしょう。
万が一に備えてしっかり準備しよう
日本は災害が多い国のため、万が一に備えることは大切です。家族構成に合わせて必要なものを確認し、防災グッズをそろえておきましょう。防災グッズは、一度そろえればそれでOKではありません。定期的にチェックし、必要に応じて中身を入れ替える必要があります。いざ災害が発生したときに困らないよう、しっかり準備しておきましょう。
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文・構成/HugKum編集部