こんにちは!てぃ先生です。
第3回の「パパの役割 」はいかがだったでしょうか?難しく考えすぎず、できることから始めてもらいたいと思います!
第1回:【人気保育士 てぃ先生連載エッセイvol.1】 「子育てを楽しくするには、考え方をちょっと変えるだけ」
第2回:【人気保育士 てぃ先生連載エッセイ vol.2】「子どものつぶやき記録のススメ」
第4回は「季節違いな服を着たがる子ども」をテーマにお話します。
梅雨が終わり、本格的な暑さがやってきました。
今まではたまーに涼しい日もあったので、簡単に羽織れるものやちょっとした長袖などを残していたと思います。保育園のお着替えカゴにもそのような服が見られます。
お外遊びをする前のことです。
「これ着たい!」
キャラクターが描かれたお気に入りの服をカゴから出す3歳の男の子。どうぞお好きなものを着てください…と言いたいところですが、取り出したのは長袖のTシャツ。
こんな暑い日にわざわざ長袖を着なくても…と大人は考えますが、子どもには関係ありません。着たい服を着る。そんな想いが伝わってきます。
その男の子の対応をしたのは同じクラスを担当する保育士でした。
「暑いよ?」「絶対暑いって」「やめときなよ」
こんな感じの声かけをしていました。ド正論です。
しかし、皆さんお察しの通り、これでは男の子は納得しません。
「やだ!これ着る!」「やだやだやだやだ!」
イヤイヤ期ど真ん中の男の子はもう止まりません。
お気に入りのキャラクターの長袖Tシャツ、絶対にこれを着たいのです。
保育士も、
「暑いのに長袖着たら具合悪くなっちゃうよ」
などと応酬しますが、こうなった子どもに正論はもう届きません。どうしたものか…と困り果てた様子だったのでバトンタッチしました。
「先生が変わったって、僕は絶対に譲らないぞ!」
そんなことが顔に書いてあるかのように見えます。
僕はまず、その長袖Tシャツを褒めました。
「かっこいいお洋服だね!」「○○くんが大好きなキャラクターのやつだ!」
男の子の頬が緩みます。自分が好きなものを褒められているのですから、まんざらでもない感じです。
そして、続けてこう言いました。
「そのお洋服が好きなんだもんね!いいよ、それ着てお外いこう!」
まさかの提案に男の子は少し意外そうな表情を浮かべましたが、喜んでそれに着替えました。
いざ、お外へ!
男の子は楽しそうに遊び始めました。と思ったのも束の間、すぐに戻ってきて一言。
「あつい…」
そりゃそうです。どう考えたってこの暑いなか、その服装では地獄です。
でも偉い。自分で暑いと気がつくことができました。そうなればあとは簡単です。
「じゃあ半袖の涼しいやつにしようか?」
「うん!」
大人は日常のことであれば、ほとんどすべてのことに先の見通しをもつことができます。それは今までの経験や知識があるからです。
子どもにはまだそれがありません。大人に「こうでこうだから」と説明をされても、自分が体験をしたわけではないので想像もつかないですし、当然納得するのも難しい。
だったら、体験させてあげるのが1番の近道です。
もし、上手く言いくるめることができたとしても、次回はまた必ず同じことが起こります。
その度に押し問答を繰り返していては、大人も子どもも疲れますし、イライラすることでしょう。一方、子どもが自分で気がつくことができれば、同じことは起こらないのです。
お洋服のことに限らず、
「なんで分かってくれないんだ!」
と大人が悩むようなことのだいたいは、実際に子どもに体験してもらうことで解決できる場合が多いです。キーッとムキにならず、「ならばやってみるがいい」というくらいの余裕を持てると良いですね。
ご参考までに。
てぃ先生連載エッセイのバックナンバーはこちら
第1回:【人気保育士 てぃ先生連載エッセイvol.1】 「子育てを楽しくするには、考え方をちょっと変えるだけ」
第2回:【人気保育士 てぃ先生連載エッセイ vol.2】「子どものつぶやき記録のススメ」
第3回:【人気保育士 てぃ先生連載エッセイ vol.3】「乳児期と幼児期で変わるパパの役割」
てぃ先生
都内保育園保育士。2012年に始めたTwitter(アカウントは@_HappyBoy)がブレークし、現在フォロワー41万人。それをまとめた『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか』、『ハンバーガグー』(共にベストセラーズ)や、そのコミック版など、著書もベストセラーに。