【人気保育士 てぃ先生連載エッセイ vol.5】「子どもの人懐っこさの裏側に…」

こんにちは!てぃ先生です。

4回の「季節違いな服を着たがる子ども 」はいかがだったでしょうか?言って聞かせるより、体験してもらった方が早いことはたくさんあります。できること・できる場面から始めてみてください。

 てぃ先生連載エッセイのバックナンバーはこちら

 

 第1回:【人気保育士 てぃ先生連載エッセイvol.1】 「子育てを楽しくするには、考え方をちょっと変えるだけ」

第2回:【人気保育士 てぃ先生連載エッセイ vol.2】「子どものつぶやき記録のススメ」

第3回:【人気保育士 てぃ先生連載エッセイ vol.3】「乳児期と幼児期で変わるパパの役割」

 第4回:【人気保育士 てぃ先生連載エッセイ vol.4】「季節違いな服を着たがる子ども」

 

5回は「人懐っこい子ども」をテーマにお話します。

 

保育園では、日々、子どもたちの姿をよく見て観察しているわけですが、なかでも気になる行動というものがあります。

それは「お友達を叩く」とかそういったことではなく、今回のテーマである「人懐っこい」行動・様子です。

 

「人懐っこい」と聞くと良いことでは?と思われるかもしれませんが、それが性格的にそうなのであれば問題ないです。ただ、初めて会った人(例えば保育園でいうと、新しい先生や実習生、初めて来た保護者など)に対しても、全く同じ行動が見られた場合、保育士としては気になります。

 

どういうことかというと、通常、子どもに限らず人間というのは、初対面の方に対して程度の差はあるものの警戒をします。それがなく、いきなり抱きついたり、べったりくっついて遊んでもらおうとするのは、普段、周りにいる大人たちからの愛情が足りていない場合があるのです。それを補おうと初対面だろうと何だろうとベタベタと接しようとする、一種の子どもからのサインとも受け取れます。

 

 

初対面の方に限らず、それこそ保育園の先生や、おじいちゃんおばあちゃんなどに会った際にも、普段より過剰に甘える姿があったり、その人の傍を離れなかったりなどした場合には同様のことが言えると思います。

 

実際、過去担任をしていたクラスで、ある日を境に男の子が今までにないくらい甘えてくるようになったことがありました。数日様子を見ながら、保護者の方にもそれとなく聞いてみたのですがこれと言った返答はなし。

甘えてくる子どもを突き放す理由はありませんから、その姿を受け入れ、認めて、抱きしめたりたくさん言葉をかけたりなどしていました

 

それから1ヶ月ほど経ったところで、男の子のママに話しかけられました。

 

「実は妊娠をしていて、前回お話くださった時は安定期に入っていなかったため言えなかった。妊娠がわかってから、以前と同じようには遊べなくなってしまったんです。」

 

正直、そうかなと思ってはいたのですが、デリケートな部分であったので必要以上に踏み込むことはしませんでした。

はっきりと理由がわかり、そしてママも安定期に入ったので、そこからはいろいろと相談をしながら男の子の様子を伝えたり、お家でできるスキンシップについて話し合ったりなどしました。

 

程なく、男の子の過剰な甘える姿はなくなり、先生たちも、もちろんママも一安心。

 

 

大人としては甘えられることに対して悪い気がしないので「人懐っこいね〜」「可愛いね〜」と、自然と見逃してしまいがちなことも、もしかしたらそんな理由があるのかもしれないということを頭の片隅に入れておくと良いかもしれません。

 

疑い深くなる必要はありませんが、ご参考までに。

 

 

 

てぃ先生

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