学校生活がスタートして一年目の小学1年生。今月は、コロナ禍特有の学校生活における影響について、ママ・パパのご相談にお答えします。
Q:コロナ禍での生活は、子どもにどんな影響がありますか?
給食は前を向いて静かに食べなくてはいけない、普段はマスク着用、友だちと握手してはいけないなど、制約だらけの毎日です。こんな生活を送っていると、子どもの成長にどのような影響があるのか、とても気になります。悪影響があるとしたら、どのようなことに気をつけたらよいでしょう。親としてフォローできることなどがあれば教えてください。(ゆいママさん)
A:コミュニケーション力を学ぶ機会を家庭で補いましょう。
1年生の6~7歳は、いろいろな大人や友だちと関わるなかで、話を聞く力や理解する力、そして伝えるための語彙力を身につける大切な時期。また、友だちと遊ぶなかで、コミュニケーションの取り方や相手の気持ちを考えることを学んでいくのです。
ところが、その大切な時期をコロナ禍によって奪われています。やはりこの先の成長過程に影響を及ぼすことも考えられます。ただ、不足しているコミュニケーションの機会は親御さんが補うことができます。
まずは、親子の会話を増やしましょう。「いつも子どもとたくさん話している」という家庭でも、さらに増やすのです。とくに、一人っ子の家庭では、親御さんとの関わりがとても大切です。
次に、運動をたくさんさせること。散歩したり、買い物に行くだけでも十分です。できるだけ外へ連れ出して、一緒に体を動かしましょう。
それから、1、2年生のうちは、音読も重要です。宿題として出されるのは、目で得た情報を耳で聞きとり、その情報を理解する練習になるからです。宿題のほかにも、絵本を音読させたり、お子さんに読み聞かせをしたりすることを心がけましょう。
どれも普段からしていることだと思いますが、意識的に行うことがポイント。不足しているコミュニケーション力を補うことにつながるのです。
\私がお答えしました/
加藤 俊徳 先生
脳を8つの系統に分けて育てる「脳番地トレーニング」を提唱。昭和大学客員教授。加藤プラチナクリニック院長。著書に、『すごい左利き』(ダイアモンド社)、 『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)など多数。 InterFM 897 「脳活性ラジオ Dr. 加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務める。
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2021年10月号別冊『HugKum』 イラスト/やまのうち直子 構成/天辰陽子