おっぱいさわり、おちんちんいじり、プライベートゾーン…【性教育の悩み】に医師夫婦ユニット・アクロストンがお答えします!

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性教育を子どもと一緒に楽しく学べるシール絵本『おうちせいきょういく』(主婦の友社)発刊記念に、2~6歳の子どもを持つ保護者向けに「オンラインワークショップ」を行った医師夫婦ユニット「アクロストン」。先にその模様をお届けしましたが、今回は続編として、セミナー開催時に寄せられた質疑応答をご紹介。ぜひ、おうち性教育の参考にしてください。

Q 1 6歳の息子。まだおっぱいを触りたがるのですが…

6歳男子の母です。息子は寝る前や寝起き、おふろの際におっぱいを触りたがります。5歳ぐらいまでは精神安定剤のようなものだろうと思って触らせていましたが、最近は触られたくない思いが強く、どうやって断ろうかと悩んでいます。

 

A「嫌だからやめてね」とストレートに伝えましょう

基本的に授乳が終わったら、おっぱいを触ることは一応、終わりにしたほうがいいと思います。もちろん子どもがおっぱいを触ることに性的な意味はなく、授乳のなごりで触ると安心する、精神安定剤的な役割がありますが、あくまでもおっぱいは授乳のため。長く続けていると習慣化してしまうので、早めにやめるのが親も子もお互い楽だと思います。

今も触り続けていること自体、問題ではありませんが、これからやめるとなると、断るタイミングや言い方に工夫が必要になってきます。タイミングとしては、触ろうとしたときに「ママはおっぱいを触らせられたくないからやめてね」と自分の気持ちをストレートに伝えてみるのはどうでしょうか。大切なのは「おっぱいに触っていると恥ずかしいよ」と世間一般の目ではなく、「私は嫌だからやめてね」と、お母さん自身の気持ちをぜひ話してみてください。一度、言っただけではわかってもらえないことが多いので、おっぱいを触るたびに、繰り返し伝えてみてください。毎回、冷静に淡々と言うのが、一番効果がありますし、子どもにもメッセージが伝わりやすいと思います。

 

Q2 おふろで弟のおちんちんが大きくなると大はしゃぎする姉

2歳の息子と6歳の娘がいます。おふろで息子はおちんちんが大きくなると、「大きくなった!」と大はしゃぎ。それを見た6歳の娘はキャハハと笑っておふざけしています。二人とも楽しそうだけど、ママとしては、どう対応するのがよいでしょうか。

 

 

A 怒る必要はありません。淡々と事実を教えてあげてあげましょう

これも、まず淡々と伝えましょう。

そもそも子どもに性の話をするときは「淡々と」というスタンスがおすすめです。このケースも「おちんちんでふざけたらダメ」と怒る必要は全くありません。怒ってしまうと、おちんちんが恥ずかしいものや隠さないといけないものなど、タブー感が強くなってしまいます。

ただ、そこは「自分のプライベートなところ」という意味合いを伝えていきたいので、淡々と「おちんちんの話はおしまいにしてください」「おちんちんは人に見せるのではありません」と言い続けるのがよいでしょう。そういった対応は、上の子に向けての性教育にもなります。繰り返し言っていると、そのうち上の子も、同じような口調で言ってくれるようになるでしょう。何度も繰り返し言うことになりますが、淡々と事実を伝えてることが重要です。

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Q3 自分の子の大事なところを他の子がタッチしてきたら、どう声かけしたらいい?

5歳のわが子には「水着ゾーン(水着で隠れる部分)は大切な場所」と伝えていて、子どもも少しは理解しているようですが、水着ゾーンを知らないお子さんや保護者の方とのやりとりで温度差を感じるときがあります。水着ゾーンを知らないお子さんが服を脱いでふざけていたり、自分の子どもに必要以上にタッチしてきたりしたら、どのように声掛けするとよいでしょうか。

A 保護者の一人として、わが子と同じように淡々と伝えましょう

自分の子どもには伝えているけれど、周りでは浸透していないということは、けっこうありますね。

でも、よそのお子さんであっても、服を脱いでふざけていたら、「ここで脱ぐのは恥ずかしいよ」と世間の目線で伝えるのではなく、保護者のひとりとして「ここでは脱がないでください」「ズボンをはいてください」と淡々と伝えてください。そうしないと、わが子は「自分は家で親からいつも脱がないように言われているのに、なんで他の子には言わないんだろう、実はいいのかな」と疑問に思ってしまいます。

ですから、せっかく家でも言っているのなら、他のお子さんにもぜひ言ってください。タッチのときもそうです。いきなりぎゅうとしたら、「ぎゅうしてもいい?って聞いた?」「ぎゅうしていいって言われてからしようね」と伝えてみてください。

子どもからそういうことがあったと聞いたときは「教えてくれてありがとう」と言って、子どもの気持ちを確認しましょう。相手の親御さんに言うか言わないかというのは、その後の関係もあるので、けっこう難しいところです。しかし、ちょっとこれはあんまりだ、とご自身の中で思うことがあれば、やはり、伝えるのがいいなというふうに思います。「相手のママにちょっと言おうか」と、子どもと作戦会議ができたらいいですね。

また、スカートめくりやズボンおろしは、保育園や幼稚園でやってしまっているようであれば、園に相談して、先生から子ども達全員に話をしてもらうのがいいですね。そういった形で次のアクションに移すことを考えていけるとよいと思います。

 

Q4 はだかになることに抵抗感のない娘。外ではダメと伝える際にどう言ったら?

家の中ですっぽんぽんになることに抵抗のない6歳の娘。「家族の前だけね、他の人には大事な体は見せないようにしようね」と言っていますが、なぜ体を見せてはいけないのかまで突っ込んで話せていません。どんな伝え方がいいでしょうか。

 

A 「そういうもの」だと知っていることが大事。親子で一緒に考えてみてほしい

実は、これは私たち夫婦も性教育を始めたころから、なんでだろうねとしょっちゅう話していることです。いろいろな理由があっていいと思いますが、私たちが考える理由は2つ。ひとつは、そういう文化が培われてきているから。女性は胸を隠さないといけないけれど、男性は隠さなくていいというのが、私たちが今住んでいる日本の文化であって、胸を隠さなくてもいい文化もあります。

もうひとつは、防犯の意味合い。やはり裸で歩いていると、あえて狙われることもあるので、そこは隠したほうがいいということです。

これは、ぜひお子さんと話し合ってみてください。なんで裸で歩いちゃいけなんだろうね、他人に体を見せちゃいけないのはなんでだろうね、なんでだと思う?……これは絶対的な答えはなく、そういうものだと知っていることが大事ですので、そこは親子で一緒に考えてみるのはすごくいいと思います。

 

Q5 おちんちんいじりが始まった5歳の息子。どう対応したらいい?

最近、5歳の息子がおちんちんを触るのが気持ちいいのか、よくいじっています。どういう声掛け、対応をするとよいのでしょうか。

 

A かゆい、痛いがないかを聞いて、一人になれる場所でやさしく触ることを教えて

子どもは男女問わず、性器をいじることはよくあります。まずは、性器がかゆかったり、痛かったりしないのか確認をしてください。炎症が起こっているなど病院受診が必要になることがあり、特に男の子では、おちんちんの先に、ゴミがたまって腫れてしまう「亀頭包皮炎」の可能性があります。そうでなく、単に触りたいから触っているのであれば問題ありません。

触るのはOKですが、伝えたいことが二つあります。

ひとつは「一人になれる場所で触る」こと。子どもが小さい頃は、自分の部屋があるわけではないので、「隣の部屋やカーテンの陰でやってね」とか「ブランケットをかけてやってね」と、子どもが一人になれる空間を親が伝えるのがいいでしょうね。

もう一つは「やさしく触る」こと。強く触り始めると、どんどんエスカレートし、気づいたら床や机に思い切りこすりつけてしまう場合があり、そうすると将来的に強い刺激がなければ射精できない、セックスで射精できなくなるといったことにつながるので、とにかく「やさしく触ろうね」というのは伝えてください。小さい頃の方が言いやすいので、チャンスがあれば、むしろラッキーと思ってぜひ。

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その他、性教育についてお悩みがある方は、ぜひ過去の連載「アクロストン式 おうち性教育Q&A」を参考にしてください。

 

教えてくれたのは

アクロストン|性教育 医師夫婦ユニット

妻のみさとは産業医、夫のたかおは病理医をしながら、2018年に「アクロストン」としての活動をスタート。公立の小学校の授業や企業主催のイベントなど、日本各地で性にまつわるワークショップを行う。『3~9歳ではじめるアクロストン式「赤ちゃんってどうやってできるの?」いま、子どもに伝えたい性のQ&A』(主婦の友社)、『思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになっているなんて!』(主婦の友社)、『10歳からのカラダ・性・ココロのいろいろブック(ほるぷ出版)』が発売中。

いま、子どもに伝えたい性のQ&A』主婦の友社/刊

 

思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて!』主婦の友社/刊

 

構成/池田純子 イラスト/まる

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