子どものおちんちんの皮ってむかないと「包茎」になるの?【アクロストン式おうち性教育Q&A】

ネット社会の現代では、子どもたちは簡単に性情報にアクセスできます。子どもたちが間違えた情報をうのみにしないために、家での性教育は必要不可欠です。とは言っても、いったいいつごろから、どんな話をすればいいのか困惑しますよね。

2018年から公立小学校や企業主宰のイベントで、性教育の授業やワークショップを展開している医師夫婦のユニット「アクロストン」が、ママ&パパのお悩みに応えます。

 

3歳の息子がいます。「おちんちんの皮」をむいた方がいいのか悩みます。むかないと包茎になるの?

息子といっしょにおふろに入るたびに気になるのが、おちんちんの皮をむいたほうがいいのかどうか。少しずつむいたほうがいいのか、それとも自然に放っておけばいいのか、悩むところです。このままむかずに、思春期に包茎手術となったら、それはそれでやっかいですよね。(3歳の息子の母)

生まれたときは、みんな真性包茎。年齢が上がれば、ほとんどが自然にむけていきます

男の子ママにとって、未知の世界であるおちんちん。皮をむいたほうがいいのか、むかなくていいのか、むくとしたらどうやって……?

お母さんが息子といっしょにクリニックにやってきて「おちんちんの皮はむいたほうがいいですか」「おちんちんが赤くなってはれているんですけど」といった相談は、よく受けます。子どもの年齢は3、4歳から小学校高学年までとさまざまですね。

おちんちんはA~Cのどの状態でも大丈夫です!

みなさんもご存知のとおり、おちんちんの皮がかぶっていることを「包茎」といいます。

具体的に亀頭(ペニスの先端)が包皮(皮膚)に包まれている状態。包茎には、「真性包茎」と「仮性包茎」があります。大人になっても常にCの状態の人は3割もいないと言われていますので、あまり心配することはありません。

真性包茎とは、包皮と亀頭がぴったりとくっついて引っ張っても動かず、亀頭が露出できないもの。一方、引っ張れば包皮がむけて、亀頭を露出できるものを仮性包茎といいます。

 

小児外科学会によると、生まれたときは100%真性包茎。1歳までで80%、1~5歳で60%、小学生で30%、思春期以降はさらに減少します。

小学校高学年になると「むけていないとトイレで見られて恥ずかしい」「修学旅行のときに、おふろで見られたくない」という子がいますが、むけていないこと自体は、この年齢では問題ありません。年齢が上がれば自然にむけてきますので、特定の場合を除いてはむく必要はありません。

 

汚れがたまると炎症を起こすことも

特定の場合というのは、皮がむけてないことによって起こるトラブルのこと。具体的には、亀頭包皮炎になったり、尿の出口が狭くなり排尿しづらくなったりといったことです。亀頭包皮炎とは、包皮と亀頭の間に汚れがたまり、炎症を起こす病気。冒頭でもご紹介した「おちんちんが赤くなってはれている」場合は、亀頭包皮炎であることが多いですね。

 

亀頭包皮炎にかかったら、ちょっとむいて洗うだけで改善することもありますが、頻繁に繰り返すようなら薬で炎症をおさえたり、場合によっては皮をむいたりする場合もあります。小児科や泌尿器科を受診してみましょう。

尿の出口が狭くなりすぎて排尿しづらいというのもトラブルのひとつ。おしっこの方向がうまくコントロールできず、便器の外におしっこがかかったり、ズボンを濡らしたりしてしまうことがあります。こういった困りごとに関しても、小児科や泌尿器科に相談してみることをおすすめします。

 

自分で体を洗えるようになったら、自分で洗うことを教えてください

こうしたトラブルを避けるためにも、自分で体を洗えるようになったら、むける範囲でおちんちんの皮をむいて洗うように教えてあげましょう。そうしているうちに、自然とむけていくという流れがベストでしょうね。

洗い方のステップ

 

 

洗い方は、おちんちんの皮を少しむいて、先が少し出たら洗う。くっついている状態を一気にむくと痛いので、最初はちょっとずつ、頭が見えるかどうかという程度にむきます。そこに直接シャワーをかけてしまうと痛いので、いったんおなかにシャワーをかけて、そこから流れるお湯で洗うとよいでしょう。本人も恐々とするので、嫌にならない程度に行うことが大切です。

ただし、幼少期のおちんちんは、小さくてやわらかいため、皮がむきづらい。せっかくむいても、すぐにくっついてしまうので、一週間か二週間に一度は洗うようにするといいですね。

 

これは話しながらできることなので、親がわざわざやってあげる必要はありません。おふろにいっしょに入って、思いついたときにすすめるといいでしょうね。

成長して包茎でも治療は不要です

子どもが成長して包茎で悩んでいたとしても、排尿ができれば射精も問題なくできますので、無理に治療をする必要はありません。

一部の美容外科クリニックでは「包茎は恥ずかしいことだ」「包茎は必ず手術が必要」といった広告を出し、不要かつ高額な手術を行っているところがあります。国民生活センターからも注意喚起が出ていますので、こういった広告に惑わされないでほしいですね。

 

包茎だとセックスのときに女性が嫌がるのではないかと心配になる人もいるようですが、からだのパーツはひとりひとり違うもの。気にすることはありません。実際のところ、コンドームをつけると包茎かどうかはわかりません。

実は多くの男性が、大人になっても仮性包茎です。この仮性包茎という言葉自体が日本独自のもの。もしかすると、日本人は包茎について敏感すぎるのもかもしれません。

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教えてくれたのは

アクロストン

妻のみさとは産業医、夫のたかおは病理医をしながら、2018年に「アクロストン」としての活動をスタート。公立の小学校の授業や企業主催のイベントなど、日本各地で性にまつわるワークショップを行う。『3~9歳ではじめるアクロストン式「赤ちゃんってどうやってできるの?」いま、子どもに伝えたい性のQ&A』(主婦の友社)、『思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになっているなんて!』(主婦の友社)が発売中。公式HP

いま、子どもに伝えたい性のQ&A』主婦の友社/刊

 

思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて!』主婦の友社/刊

構成/池田純子 イラスト/堀出隼(holiday)

 

 

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