洗濯機は自分で設置できる?
洗濯機は自分でも設置が可能ですが、1人での作業はおすすめできません。設置に必要な人数と、洗濯機の重さの目安を見ていきましょう。
けが防止のために2人以上がベター
洗濯機は重いものが多く、大人の男性でも1人で持ち上げられない機種もあります。洗濯物が多くなりがちな子育て世代向けの機種なら軽くても40kgはありますし、ドラム式だと80kg以上が一般的です。
最低でも大人が2人以上いなければ、動かすのは難しいでしょう。
また、洗濯機はサイズも大きいため、持ち上げたときにバランスを崩して転倒するおそれがあります。けがを防ぐためにも、夫や友人など設置作業を手伝ってくれる人を探しておきましょう。
洗濯機を設置する前に確認すること
洗濯機は、あらかじめ住居に設けられた専用スペースに設置するものです。住居によってはスペースと洗濯機のサイズが合わなかったり、蛇口の形状が違っていたりして、設置できない可能性もあります。
新しい洗濯機を購入する際に、チェックするべきポイントを解説します。
搬入・設置スペースは十分か
まずは欲しい洗濯機が、洗濯機置き場まで運べるかどうかを確認します。
玄関から洗濯機置き場までの中で、最も狭い通路の幅を測ってみましょう。通路の幅が洗濯機の横幅よりも6cm以上広ければ、搬入可能です。
次に、洗濯機置き場のサイズを測ります。「防水パン」がある場合は、平面部分の内寸を測りましょう。
最後に、洗濯機のドアを開けたときを想定して、手前や上のスペースの空きを確認します。
ドラム式洗濯機の場合は手前に、縦型洗濯機の場合は上に壁や棚などがあると、ドアがつっかえて使いにくくなります。また、ドラム式はドアの開く方向によって使い勝手が変わるため、どちらが使いやすいのかもシミュレーションしておくとよいでしょう。
参考:洗濯乾燥機・洗濯機 ご購入前のチェックポイント (joshinweb.jp)
設置場所の安定性
洗濯機置き場の床にゆがみや凹凸があると、運転時の振動が激しくなり、故障するおそれがあります。さらに、振動によって大きな音が出て、近隣に迷惑をかけることも考えられます。
現在は問題なく使えている家庭でも、より重くて大きな機種に買い替える場合は、念のため洗濯機置き場の安定性をチェックしておきましょう。不安なときは、防音マットや補強板、洗濯機用のかさ上げ器具などで対応可能です。
蛇口の形状と水栓の位置
洗濯機置き場には、基本的に給水用の水栓が付いています。ただし水栓の蛇口の形状は、住居によって異なります。
そのまま取り付けられるタイプなら問題ありませんが、別売の部品が必要なタイプもあるため、メーカーのホームページで事前にチェックしておきましょう。
また、ドラム式の洗濯機を設置するためには、床から水栓までの高さが120~130cm必要です。足りない場合は、別途給水用部品を購入しましょう。
参考:設置場所を測る(ドラム式) | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
排水エルボの有無
「排水エルボ」は、洗濯機と排水口を接続する部品です。洗濯機置き場には必ず取り付けられているため、基本的に住人が用意する必要はありません。
洗濯機を買い替える場合は、排水エルボを間違えて捨てないように注意しておけば問題ないでしょう。
ただし、賃貸住宅に引っ越す場合は、前の住人が持っていってしまい、見当たらないケースもあります。その場合は管理会社に連絡して、取り付けてもらいましょう。
洗濯機の接続手順は4ステップ
事前確認が済んで新しい洗濯機が届いたら、いよいよ設置作業です。洗濯機を自分で設置する手順を、四つのステップに分けて紹介します。
1.排水ホースをつなぐ
洗濯機の梱包を解き、底部から排水ホースを引き出しておきます。排水口から排水エルボを外して、引き出したホースを差し込みましょう。
ホースの先端をしっかりと奥まで差し込み、抜けないように固定します。排水エルボに固定用の器具が付いていない場合は、ビニールテープや結束バンドを使って補強します。
排水ホースが折れたりつぶれたりしないよう注意して洗濯機を置き、排水エルボを排水口につなげば完了です。
2.給水ホースをつなぐ
次に、給水ホースで洗濯機と蛇口をつなぎます。洗濯機本体にホースを取り付ける際は、給水口の真上からネジを回すようにすると、しっかりとはまって水漏れを防げます。蛇口側も簡単に外れないように、各部品をきつく締めておきましょう。
また、蛇口と給水口の距離によっては、ホースの長さにゆとりがない状態になることもあります。そのまま使用すると、洗濯機の振動や地震などで外れてしまうおそれがあるため、延長ホースを使ってゆとりを持たせましょう。
3.コンセントとアースを取り付ける
水回りが終わったら、洗濯機を防水パンの上に設置し、電源プラグ部分にアース線を取り付けます。
アース線は、つながなくても洗濯機の使用に直接影響はありませんが、漏電が起きたときに感電を防ぐ効果があります。安全のためにも、必ず取り付けましょう。
アース線の取り付け場所は、コンセント下部のカバーで覆われた部分です。カバーを開けて中のネジをゆるめ、穴にアース線の先端(金属の部分)を差し込んで、ネジを締めれば完了です。
カバーを閉じてコードを軽く引っ張り、外れないことを確かめてから、電源プラグを差し込みます。
4.試運転をして水漏れしないか確認
最後に洗濯機を試運転して、水漏れや振動の有無を確認します。慣れない人が設置すると、排水エルボの継ぎ目がゆるかったり、給水ホースが真っ直ぐに差し込まれていなかったりして、水漏れを起こす可能性が高まります。
給排水時に少しでも水漏れがあれば、家の床が水浸しになるだけでなく、アパートやマンションの場合は階下の住人に迷惑をかけてしまう場合もあるため、念入りにチェックしましょう。
忘れずに確認しておきたいこと
買い替えた洗濯機を自分で設置する場合、古い洗濯機はどのように処分すればよいのでしょうか。洗濯機処分のルールと、引き取りを依頼する方法について解説します。
古い洗濯機は「家電リサイクル法」対象
洗濯機は「家電リサイクル法」の対象品目です。家電リサイクル法とは、廃棄物の減量と資源の有効利用を目的とした法律です。対象の家電を処分するときは、指定の「リサイクル回収料金」と「収集運搬料」を支払い、家電量販店や自治体の窓口に引き取ってもらう必要があります。
買い替えの場合は、新しい洗濯機を購入する店が、商品の配送と同時に古い洗濯機を引き取ってくれるサービスもあります。ネット通販でも引き取り可能な業者は多いので、購入時の参考にするとよいでしょう。
引越しやリフォームなどで、古い洗濯機を先に捨てたいときは、購入した店舗に問い合わせるか、自治体で決められた方法に従って処分します。
家電4品目の「正しい処分」早わかり!|家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)|経済産業省 (meti.go.jp)
家電量販店に依頼する場合
リサイクル回収料金は、サイズやメーカーにより決められています。同じサイズやメーカーの料金が、店によって変わることはありません。
洗濯機のリサイクル回収料金は、メーカー別に2530~3300円で設定されています。この金額に、依頼した店舗ごとに決められた収集運搬料が別途かかります。代金は配送時に現金で支払う決まりなので、あらかじめ用意しておきましょう。
なお配送時の設置費用は、ほとんどの場合は無料です。古い洗濯機の運び出しから設置まで全てお任せできるので、よほどの事情がない限り、自分で設置するよりも依頼する方がベターといえます。
洗濯機の設置は自分でも可能
洗濯機は給排水ホースや電源コードを接続するだけなので、業者に頼らなくても設置は可能です。確認事項も置き場所のサイズや蛇口・排水口の形状程度で、特に難しくはないでしょう。
しかし、本体の運搬や蛇口の部品調達、水漏れ対策などを全て自分でするのは大変です。古い洗濯機の処分まで含めて考えると、仕事や子育てで忙しい人にとっては重荷かもしれません。
洗濯機は大きくて重い家電です。決して無理をせず、自分でやるのか、業者に依頼するのかは慎重に判断しましょう。
文・構成/HugKum編集部