こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。1歳になると離乳食完了期に入ります。食事の回数は大人と一緒の1日3回プラスおやつが1日1~2回。母乳やミルクはまだ飲みますが、徐々に離乳食で栄養の大半を摂る時期になります。今日は、1歳児さんのごはんについて話しますね。
1歳児の食事量の目安
1歳の子供の食事量(グラム)
1歳の赤ちゃんの食事量の目安です。しっかりとした量がだんだん食べられるようになってきます。以下の量を参考にしてみてください。
軟飯 90g
野菜 40g
豆腐 50g
魚/肉 15g
普通飯になる、1歳4か月ごろの食事量の目安
1歳4か月ごろになると、軟飯を卒業し、普通のご飯も食べられるようになります。赤ちゃんから子供へと変化していき、食事量も増えていきます。以下の目安を参考に、だんだん量を増やしてみてくださいね。1歳の食事量とそう大きな変化はありませんが、子供が食べる様子に合わせて量を調節しましょう。
普通飯 80g
野菜 40~50g
豆腐 50~55g
魚/肉 15~20g
ご飯の固さや味付けの目的
1歳ごろの子供が食べるご飯の固さ
離乳食完了期(1歳~1歳半)は、ご飯は軟飯~普通飯。ほかの食材は歯茎で噛める硬さ、例えば若いバナナや肉団子くらいの硬さです。1歳半を過ぎ幼児食になってもまだまだかむ力が弱いので、幼児さんの噛む力に合わせながら固さを変えていきましょう。
1歳ごろの離乳食(完了食)の味付け
大人の味付けの目的は、しょう油や味噌などの調味料で素材の味を際立たせることですね。でも、離乳食期の味付けの目的は「風味付け」です。赤ちゃんの内臓機能は未発達ですので、大人と同じような味つけでは塩分が多く、内臓に負担をかけてしまいます。離乳食はだしや素材の味を大切にしながら、しょう油やみそで「風味をつける」ということを基本にしてくださいね。
味付けに関してはこちらの記事も参考に!
1歳、1歳半ごろの子供の食事の献立例
では1歳と1歳半の献立を紹介します。
1歳を過ぎると積極的に赤ちゃんが自分で食べる楽しさを徐々に体験させていきたいですね。手づかみ食べもできるメニューも取り入れるのがポイントです。
1歳の食事の献立例
・主食(左下)
軟飯 90g
・きのこのとろみスープ(右下)
<材料>
だし 150g
絹ごし豆腐 15g
玉ねぎ 10g
乾燥わかめ(もどし) 2g
なめこ 5g
しめじ 5g
<作り方>
・玉ねぎ 1㎝スライス
・乾燥わかめ 水で戻して5㎜に切る
・しめじ 5㎜に切る
・豆腐 1㎝角に切る
1.かつお昆布だしで材料を入れる
2.味噌0.5gで風味付け
・ささみのチーズ焼き(左上)
<材料>
鶏ささみ 10g
チーズ 3g
<作り方>
・鶏ささみ 削ぎ切り
1.フライパンにクッキングシートを敷いてささみを蒸し焼きする
2.出来上がり直前にささみをほぐしてチーズをのせて入れて少し加熱
・にんじんとキャベツのナムル(右上)
<材料>
にんじん 10g
キャベツ 5g
もやし 5g
ごま油 極少し
しょう油 0.3ml
<作り方>
・にんじんとキャベツ 1㎝千切り
・もやし 5㎜に切る
1.野菜をしんなりするまでゆがく
2.しょう油とごま油で和える
1歳半ごろの食事の献立例
赤ちゃんが手づかみやスプーンを使って自分で楽しく食べる時期です。手づかみ食べもどんどんできる献立にするといいですよ。
・主食(左上)
ご飯 80g
・にんじんと大根のお味噌汁(左下)
<材料>
だし 200g
にんじん 10g
大根 10g
しいたけ 5g
<作り方>
・にんじん、大根 いちょう切り
・しいたけ 1㎝スライス
1.かつお昆布だしでにんじん、大根⇒しいたけの順に入れて煮る
2.軟らかくなったら、味噌0.8gで風味付け
・ひじきの鶏豆腐ハンバーグ(右)
<材料>
鶏ひき肉 15g
豆腐 10g
玉ねぎ 10g
乾燥ひじき(もどし) 2g
片栗粉 小さじ1
バター 1~2g
<作り方>
・玉ねぎ みじん切り
・ひじき 水で戻して水切りし、1㎝に切る
1.フライパンを熱し、バターを溶かして玉ねぎを炒める
2.豆腐、鶏ミンチ、ひじき、片栗粉、1を混ぜ合わせてしっかりとこねる
3.2を形作って熱したフライパンに置き、両面焼いて中までしっかり火を通す
・ブロッコリーとトマトのサラダ
<材料>
ブロッコリー 10g
トマト 5g
<作り方>
・ブロッコリー 赤ちゃんの一口サイズ
・トマト 湯むきして皮と種を取り除き1㎝角に切る
1.ブロッコリーを軟らかくなるまでゆがく
1歳の食事、先輩ママパパの体験談
HugKum編集部では1~2歳の子がいるママパパに、1歳ごろの食事についてアンケートで聞いてみました。特に多く聞こえてきたお悩み別に体験談を紹介します。
好き嫌いや食べムラがある
最も多く聞こえてきたのが好き嫌いが出てくるという悩み。大人に比べて味覚や嗅覚が敏感な赤ちゃんは、好き嫌いが多くなりがちです。今まで順調に進んでいた離乳食が、後退したように感じてしまうとママパパも辛くなってしまいますね。
体験談の中には、「食べて見せないと食べない。」といった声もあり、ママパパが食べる姿を見せることで赤ちゃんもチャレンジしやすくなるよう。苦手なものを無理に食べさせようとして食事の時間がつらくならないよう心がけるのも大切です。
★ママパパの体験談
「食べムラがひどく毎日の食事作りに非常に悩んだ」(30代・神奈川県・子ども1人)
「味が気に入らないと吐き出す。 ベビーフードに入っている肉は潰さないと吐き出す。 食わず嫌いをすることがあり、食べて見せないと食べない。 フォローアップミルクから牛乳に変えたが、哺乳瓶がないと分かるとしばらく泣いてごはんを食べない。」(30代・兵庫県・子ども1人)
レパートリーを考えるのが大変
手づかみ食べができるようになったら、食べやすいメニューで食べることの楽しさを知ってほしい時期。そうなってくると、食べやすいメニューのレパートリーを考えるのが難しく、マンネリ化に悩む声も多く聞こえてきました。
多様な味わいや食感を知ることが赤ちゃんの食の興味にもつながるので、できるだけ色々な食材を使ったメニューを心がけて。アレンジしやすい「おにぎり」に色んな具材を混ぜたり、「おやき」の基本の作り方を覚えてしまえば応用ができるのでおすすめです。
★ママパパの体験談
「食材や味がワンパターンになる」(30代・岐阜県・子ども2人)
「手づかみで食べやすいもの、というのが難しかった。」(30代・福岡県・子ども3人)
噛まない
あまり噛まずに飲み込んでしまう、モグモグさせるのが難しいというのもこの頃の悩み。離乳食は、赤ちゃんが食べやすいように小さく刻んだり柔らかく調理しますが、噛む力に合わせて固さや大きさをを変えていくことも大切です。また、赤ちゃんがモグモグして食べているところをママパパが焦らせていないかも注意して待ってみましょう。
★ママパパの体験談
「丸呑みすることが多く、なかなか噛んでくれなかった。」(20代・広島県・子ども2人)
1歳になると、大きさ、軟らかさ、味付けを赤ちゃん用にするだけで、大人の料理からの取り分けがどんどんできるようになります。家族と一緒に同じメニューが食べられる楽しさを、どんどん味合わせてあげてくださいね。
記事執筆
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。