「コミュ力の低さ」がコンプレックス…【大学教授が教える】ママ友付き合いですべきたった2つのこと

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モヤモヤとしたとらえどころのない不安は、日常のさまざまな場面でネガティブな感情や言動として現れ、脳にダメージを与えてしまいます。とくにその傾向はまじめで頑張り屋、人の気持ちに敏感な女性ほど強いよう。

そんな女性たちの声を受けて、明治大学教授の堀田秀吾氏が科学的な裏付けを持つネガティブ感情を手放す方法を前半・後半の2回にわたりお伝えします。後半の今回はコミュ力の低さに悩む方からのお悩みです。

おもしろい発言や気の利いた返しって必要?

【相談:37歳会社員、子ども1人、時短勤務をしています。若い頃から、コミュ力やトーク力のレベルの低さがコンプレックスで、ママ友との付き合いもイマイチうまくできていません。ランチ会では会話が続かず、いつもスマホを見ている始末。ただ、このところママ友グループ内で“情報弱者になってる疑惑”があり、この状況を改善したいと思っています。】

堀田先生のお答え

そもそも“ママ友グループ”が、私からしたら謎(?)の団体かもしれません。ただの友、ではなくその前にママ、と付けるところが厄介そうな……。そういう気を遣いがちなコミュニティでの付き合いが苦手という話はよく聞きます。それに、落ち着いたと思ったら変異株が現れるなどコロナの状況は常に変化していて、感染者が増えている時期はそういった付き合いや集まりも減っていたかと思いますが、コロナが落ち着いてきて、以前のように付き合いも復活してくると気苦労が多くなって大変でしょう。

とはいえ、いきなりトーク力やコミュ力を上げようとして“当たり障りのない”話題を会話の糸口に……と思っても、今のご時世、どんな話題が安全なのかわかったもんじゃありません。出身地や趣味の話で地雷を踏んだり、仕事の話で険悪になったり……。コロナについての考え方はもちろん、個人情報のような要素も複雑に絡み合っているので、当たり障りのない話題やテーマを見つけるのは難しいのでは?

話すことが苦手なら、相づち&うなずくだけでOK

では、いつも会話が盛り上がらない、かといって自分から話題を振るのも怖いなら、いっそのこと相手にしゃべってもらって、自分は聞き役に徹し、相づちを打ち、ひたすらうなずいていたらどうでしょうか? 相づちやうなずきは侮れませんよ。このふたつを実践するだけで、好感度だってアップできるという研究もあります。

東京大学の川名氏の研究によると、会話中に相づちを打ったり、うなずいたりすると、話を聞いている人の魅力が高く評価されるだけでなく、話を聞いている人がいつのまにか会話の相手に好印象を抱くことがわかっています。これは、ただ会話の最中に相づちや、うなずくだけで、お互いを魅力的に感じることができるということ。苦手な相手との話題をあれこれ考えるより簡単な方法で、良好な関係を築けるのですから、気がラクになりませんか?

また、相づちも「すごい」「なるほど」ばかりではなく、いろいろなパターンを普段から考えておくのもおすすめ。あいうえお順に、あ→「あぁ」、い→「いいですね」、う→「うまいなー」、え→「えらいなー」、お→「驚きました」などとリストをつくってみるのもおもしろいですよ。私も前につくってTwitterでプチバズったことがあります(笑)。さらに「センスの塊ですね」、「尊敬します」、「ぬかりないですね」、「深いですね」、「無敵ですね」なんて会話の相手が気持ち良くなりそうな相づちも準備しておけば尚ヨシ。自分なりの〝相づちバリエーション〟は用意しておくと便利なだけでなく、間がもつんじゃないかと思います。

そもそも人間は話したがり。聞き役に徹するだけで好感度UP

そもそも人間は話したがりです。ハーバード大学のタミル氏とミッチェル氏による会話についての興味深い研究を紹介します。

この実験では37人の被験者に対し、自分の話をするとお金はもらえないが、自分のことと関係ない話をすればお金がもらえる場合、どうふるまうかを観察しました。

結果、もらえるはずのお金の2割近くを失っても、被験者たちは自分の話をしました。ちなみに、自分の話をしても、自分と関係ない話をしてもお金がもらえるようにした場合は、約7割の被験者が自分の話をしたそうです。

この実験では、話しているときの脳の活動も観察しているのですが、自分の話をしているときは、喜びや快楽と結びつく報酬系にかかわる部位に反応がみられています。だから話を聞いてあげるだけで、相手の快楽中枢が働き、気持ちよくしてあげることができるんです。

ママ友グループだけでなく、職場の同僚との付き合いの中でも、自分の話をしたがる人は少なくありません。こちらが話していたテーマを巻き取って自分の話をしはじめちゃう会話泥棒もいたりして。そんなことにまでストレスを感じているのもバカバカしいですから、そういう相手には聞き役に徹してしまえばいいんです。うなずいて相づちを打つだけで相手と仲良くなれるし、好感度だった上がるんですから。

前編はこちら!

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文/青山のりこ、生活編集室

堀田秀吾小学館1210円
「自分ばっかり損してる」とモヤモヤ。「言いすぎちゃったかな?」とウジウジ。
「なんでわかってくれないの?」とイライラ。「わけもなく不安でたまらない」とクヨクヨ……。
40歳を過ぎたころから、若いときとは種類の違う感情ストレスに振り回されていませんか?
しかもコロナ禍でこれまでの“当たり前”がそうでなくなり、何が正解なのか迷う毎日。
ついつい「もう無理・・・・」が口癖になっていませんか。
そこでかんたんな行動でモヤモヤやクヨクヨを手放す方法を、脳言語学専門の明治大学教授にネホリハホリ聞いてみました。

記事監修

堀田秀吾(明治大学教授)

1968年、熊本県生まれ。シカゴ大学言語学部博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了、同博士課程単位取得退学。専門は社会言語学、理論言語学、心理言語学、法言語学、コミュニケーション論。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学から脳科学まで、さまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。テレビ番組『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)の元レギュラーコメンテーター、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)などにも出演。著書に『図解ストレス解消大全』(SBクリエイティブ)、『科学的に元気になる方法集めました』(文響社)、『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『科学的に自分を思い通りに動かすセルフコントロール大全』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、共著に『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(クロスメディア・パブリッシング)など多数。

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