Q:子どもの持ち物や服をマネしないでほしいです。
幼稚園時代からのママ友は、娘の持ち物や服などを「これ、いいね。どこで買ったの?」と聞いてきて、「うちの子にも着せたらかわいいと思って」と、娘と同じものを買ってきます。最初は「おそろいでいいね」なんて言っていたのですが、最近はあまりに多くて私の心が引いています。持っているものをマネされるのは、悪いことではないと思いますが、心がざわつきます。娘同士は仲が良いので「マネしないで」というのも大人げないですし。先生ならどのように対処されますか? (K・M さん)
A:子どもも嫌がっているなら、相談しましょう。
ママ友はK・Mさんが好きなのでしょうね。子どもでも、服をお揃いにしたり、同じものを持ったりするのは、とくに女の子の間ではよくあることです。お互いに好きなら何の問題もなく、とても微笑ましいことです。けれど一方で、トラブルの原因にもなりやすいのです。
実際、私のところに寄せられた相談でも、幼稚園の仲の良い3人の女の子のうち、2人がお揃いの服を着るようになり、それが原因でもう一人の子ともめたというケースがありました。
K・Mさんは、お揃いにするのをやめてほしいと思っているようですが、娘さんはどうなのでしょう。
娘さんに気持ちをたずねる際は、誘導するような聞きかたはやめましょう。「(お揃いは)嫌じゃない?」とお母さんから聞かれたら、娘さんは楽しいと思っていたのに、「お母さんは、嫌なのかな」と思うでしょう。「○○ちゃんといつもお揃いだけど、どうなの?」とたずね、表情を見て、気持ちをくみとることが大切です。
相手に情報を伝えないことも一案
娘さんがお揃いを喜んでいるようでしたら、そのまま様子を見てもいいのかなと思います。
娘さんも嫌がっているのであれば、ママ友に相談したほうがいいですね。ただし、ストレートに「マネをしないでほしい」と言ってしまうと角が立ちやすいです。あくまで「相談」というスタンスでいくのが賢明かと思います。
「持ち物をお揃いにすると、ほかの子が私もしたいと思うかもしれないし、一緒に遊んでも仲間はずれにされたような気持ちにさせてしまうんじゃないかな。だから、お揃いはやめたほうがいいと思うのだけど、どうかな?」と。理由がきちんとしていれば、相手に納得してもらいやすくなるのではないでしょうか。
また今後は、ママ友から「どこで買ったの?」と聞かれても、「頂いたものだから、わからないの」などと、できる限り情報を伝えないようにするのも、ひとつの方法です。K・Mさんが、ママ友との距離を置いたとしても、子ども同士の関係は大切にしてあげてくださいね。
\私がお答えしました/
藤田 敦子 先生
ほめて認める独自の「ぺたほめ®子育て術」を提唱し、テレビ出演・出版・講演などで大活躍の子育てアドバイザー。「ぺたほめ®子育て術」によって成長した二人の息子は、最難関大学・京都府立医科大学医学部医学科に現役合格。著書に『母親が変わればうまくいく 第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』(講談社)。藤田敦子オフィシャルブログ https://ameblo.jp/petahome/
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2022年3月号別冊『HugKum』イラスト/やまのうち直子 構成/天辰陽子