埼玉県をとことんディスるトンデモ映画「翔んで埼玉」に爆笑必至!【親子で観たい映画】

©2019映画「翔んで埼玉」製作委員会

 

「パタリロ!」の魔夜峰央(まやみねお)による話題のコミック「このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉」が、二階堂ふみ、GACKTをW主演に迎えてまさかの実写映画化。

原作は、埼玉県をこれでもか!というほど、おとしめた“ディスりコミック”だけに、2015年に単行本として復刊された時、各メディアで取り上げられましたが、それ以上に映画化の一報が入った時、思わず目を疑いました。

さらに、主演の2人のとことん原作キャラクターに寄せた耽美的なビジュアルを観て、その本気度に度肝を抜かれた方も多いのでは。さすがは「のだめカンタービレ」「テルマエ・ロマエ」を、国民的エンターテイメント映画に仕上げてきたヒットメーカー、武内英樹監督。期待を超える、いや、期待の斜め上をいく快作となりました!

二階堂ふみ、GACKTたちの振り切った熱演に爆笑

©2019映画「翔んで埼玉」製作委員会

 

まずは、豪華俳優陣のなりきりぶりがすばらしい。主人公・壇ノ浦百美(だんのうらももみ)を演じた二階堂ふみは、初の男性役にトライ。百美をときめかせる麻実麗(あさみれい)役を演じたGACKTも、高校生役に挑みました。

©2019映画「翔んで埼玉」製作委員会

 

また、伝説の埼玉県人として語られつつも、その姿は謎に包まれた埼玉デュークに京本政樹! GACKTと彫りの深さで渡り合える、顔の濃い美形スターはそうそういませんので、まさにウルトラCのキャスティングです。白髪・白塗りメイクで作り込んだ時代劇風なビジュアルは、原作ファンをもうならせそう。

もともと実にハードルの高いキャスティングでしたが、俳優陣はそこを軽々と飛び越えていて、思わず拍手!となりそうです。

ディスり映画なのに、親子で観ても大丈夫!?

©2019映画「翔んで埼玉」製作委員会

 

東京都知事・壇ノ浦建造の息子である壇ノ浦百美をはじめ、東京都民は、埼玉県人に対してよく罵詈雑言を浴びせます。たとえば、ポスターにも入っている「埼玉県人にはそこら辺の草でも食わせておけ」「ダさいたま、クさいたま、田舎くさいたま」など。

ネット社会となった今、どんな分野でも“ディスり”NGというのは、暗黙の了解となっています。通常、これらの台詞は、ギリギリの線……というよりは、完全にアウトな感じに思えませんか? 特に、いじめ問題に敏感なママたちは、子どもにこんな映画を見せて大丈夫かしら?と心配になってしまうのでは?

そこは自信をもって答えます。大丈夫!

なぜなら、観れば間違いなく、笑顔になれる、いや大爆笑できるから。むしろ親子で観てほしいです。観終わったあと、会話が弾むこと、間違いなしなので。

©2019映画「翔んで埼玉」製作委員会

 

コメディとしてのクオリティーの高さは言うまでもなく、そこには埼玉への愛、いや、もっと広く言えば、地元愛が散りばめられているからです。ディスりをここまで突き詰めれば、180度反転して、至高の愛となることに驚嘆しました。(まあ、ちょっと言い過ぎですが)

GACKTが鼻にピーナツを詰められそうになるシーンは特に必見!? 後半では、映画ならではの埼玉VS千葉の激闘シーンが圧巻です。埼玉あるある、千葉あるあるが満載ですよ。さらに、原作にはない東京都知事・壇ノ浦建造の執事・阿久津翔役を演じた伊勢谷友介の存在感にもご注目。このキャラクターが加わることで、埼玉と千葉の敵対関係の構図がよりおもしろくなっています。そして、実は埼玉以上にディスられている群馬、茨城の小ネタも個人的にはツボでした(笑)。

©2019映画「翔んで埼玉」製作委員会

 

久しぶりに映画館でゲラゲラ笑ってしまうこと、請け合いです。こんなに楽しい映画、そうそうありませんよ。きっとママたちの職場や、子どもたちの学校でも話題沸騰となりそうな本作。ぜひ、早めに足を運んでみてください。

 

『翔んで埼玉』2月22日(金) 全国ロードショー
原作:『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』魔夜峰央(宝島社)
監督:武内英樹
出演:二階堂ふみ、GACKT、伊勢谷友介、京本政樹ほか…ほか
公式HP:tondesaitama.com

文/山崎伸子

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