大人も子どもも自律神経が乱れている!効果的な腸活は味噌やヨーグルトから!

『医者が考案した「長生きみそ汁」』アスコム で有名な順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の本『本番に強い子になる自律神経の整え方』が小学館より発売となりました。現代の子どもの自律神経が乱れていることに気付いている親は少ないかもしれません。自律神経を整えることはお子さんの心身の安定につながります。今回は生活の中で取り入れられるものを2つご紹介します。

自律神経を整えるには【腸活がおすすめ】

自律神経の乱れは様々なトラブルを引き起こします。毎日の生活の中で、親ができることとして食生活を整え、体の水分バランスや、お通じを整え腸内環境を整えることは、自律神経にとってとても大切なことだそうです。ですが給食のように栄養バランスをきっちりと考えることは難しいですよね。本書で紹介されているアイデアは「平日はバタバタで…」という親御さんでもきっと取り入れることができますよ。

手軽にできるアイデアとして、食物繊維、発酵食品をうまく取り入れるための味噌汁とヨーグルト、についてご紹介していきます。

合わせ味噌もポイント。味噌汁が子どもの腸をぐっと整える!

味噌玉で手軽に。赤味噌と白味噌に、おろし玉ねぎとリンゴ酢で最強のみそ汁が出来上がる!

 

出典:『本番に強い子になる自律神経の整え方』著/小林弘幸(順天堂大学医学部教授)

腸内環境を改善するためには、発酵食品と食物繊維が非常に有効ですが、その両方を一度に摂取できるのが味噌汁です。味噌は日本が誇る発酵食品の一つです。しかも、発酵食品として優れているだけでなく、赤味噌には抗酸化作用のあるメラノイジンという成分が豊富に含まれています。一方、白味噌にはストレスを抑える効果があるギャバがたっぷりです。この両方の味噌を使い、かつ、食物繊維を多く含む具材を用いれば最強の「腸活フード」ができあがります。

 味噌汁は、海外の人からも「ミソスープ」と呼ばれ愛されています。あまりにも日常的なものになってありがたみが薄れているかもしれませんが、もう一度見直して毎日の食卓に取り入れましょう。 ただ、忙しいときに、いちいちつくるのはなかなか面倒なものです。
 そこで、私がすすめているのが、まとめて「味噌玉」をつくり、冷凍しておくという方法です。

 味噌は、赤味噌と白味噌を合わせ、両方のいいとこ取りをします。さらに、強力な解毒効果を持つおろしタマネギと、塩分排出効果を有するリンゴ酢を混ぜます。これを1日分ずつ小分けにして冷凍します。製氷皿を用いればより簡単です。毎朝、冷凍庫から味噌玉を取り出し、凍ったまま水と具材と一緒に鍋に入れ、温めればできあがりです。 ダシは、味噌玉をつくる段階で粉末のものを加えてもいいですし、温めるときに入れてもいいでしょう。とにかくラクなほうを選んでください。

具材には、水溶性食物繊維をたっぷり含むワカメ、ナメコ、オクラ、サトイモなどを用いれば、腸内環境にとってベストです。さらに、豚汁風に肉を加えたり、豆腐を入れたりすれば、子どもの成長に必要なタンパク質もしっかり摂れます。この味噌汁を、できれば1日1杯、食べてください。 

味噌玉を取り入れているご家庭は多いかもしれません。ぜひここに、おろしタマネギと、リンゴ酢を混ぜてみてください。毎日の味噌汁がスーパーフードに変身します!

自分に合うヨーグルトを見つけよう!

腸内細菌は、大きく「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つに分けることができます。

善玉菌は、体にとって良い菌で、消化・吸収を助けたり免疫機構を高めたりします。ビフィズス菌や乳酸菌がその代表格です。悪玉菌は、悪臭のあるガスを発生させたり、腸の炎症を引き起こしたりします。発がん物質を促成することもわかっており、体にとって歓迎できない菌なのです。もう一つの日和見菌は、その名の通り、善玉菌か悪玉菌の強いほうの味方をする日和見的な行動を取ります。腸内細菌の7割は日和見菌なので、腸内環境は善玉優勢にも悪玉優勢にもなりやすいのです。

 腸内環境は自律神経と深い関わりを持っており、メンタルの影響を受けやすく、ストレスがかかると悪玉菌が増えます。すると、それまで善玉菌についていた日和見菌がどっと悪玉菌側に流れ腸内環境が悪化します。それによって自律神経が乱れ……という負のスパイラルに陥るのです。だから、普段から善玉菌を優勢にしておく必要があります。善玉菌を増やすのに有効なのが「発酵食品」の摂取です。発酵食品は、毎日食べ続けることで大きな効果が期待できます。

 子どもに毎日食べてもらうには、ヨーグルトが一番でしょう。親子で毎朝ヨーグルトを食べることを日課にしてください。
ただし、本当に自分に合うタイプのヨーグルトを見つけることが大切です。市販のヨーグルトは、メーカーが研究していろいろな菌を用いています。それによって「合う」「合わない」があり、腸内環境への効果も人それぞれ変わってきます。Aという商品が、BさんにもCさんにも効果があるとは限らないのです。そこで、まずはさまざまなものを試してみてください。2週間ほど同じ種類のヨーグルトを食べ続け、腸の調子がどう変わるかをチェックするのです。便の状態が良くなっていけば、そのヨーグルトはあなたに合っています。

腸内環境を整えてくれるヨーグルトは、人によって「合う」「合わない」があるそう!2週間程度試しながら、お子さんにも、ご自身にも最適なものを見つけましょう。

自律神経を整える方法をもっと知りたい方はこちら

呼吸法や、水分の取り方、就寝前の習慣など、今すぐできる方法がいっぱい。体の不調と心の不調は連動しています。まずはお子さんと一緒に、一つでもトライしてみてください。

 

著/小林弘幸|1540円(税込)

どれほど泰然自若としている人でも、なにかのきっかけで自律神経はすぐに乱れます。現代社会では、大人はもちろん、子どもたちも乱れて当たり前なのです。絶対に焦らず、無理をせず、親子で一緒に、なるべく負担を感じない方法だけを実践して、自律神経を整えていきましょう。

記事監修

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任する。
自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。
順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」としても知られ、腸内環境を整える味噌汁や自律神経を整える呼吸法やストレッチを考案するなど、健康な体と心をつくるためのさまざまな方法を提案している。
『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『整える習慣』(日経ビジネス人文庫)、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)など、ベストセラー多数。『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)や『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBSテレビ系)などテレビ出演も多数。

文・構成/HugKum編集部

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