「がまぐち」は、江戸時代にヨーロッパから輸入されたもの
閉めるとパチン!と小気味よい音がする「がまぐち」。パカッと開いたところが、ガマガエルの口が開いた時の様子に似ていることから「がまぐち」と呼ばれるようになりました。これ、意外にも西洋から入ってきたものでした。
ヨーロッパの社交の場で女性が持っていたパーティーバッグの口に使われていた、この留め金が、日本に入ってきたのは江戸時代後期。開国に伴い、明治時代に上流階級に洋装が広まると、がまぐちタイプの留め金を使った装身具も作られるようになったとか。
その後、1871年に小額紙幣が発行された頃から「がまぐち財布」の本格的な量産が始まり広まりました。戦後しばらくは、作られるバッグや財布のほとんどが「がまぐち」タイプだったそうです。
がまぐちの「留め金」にも名前があります
この「がまぐち」の丸い留め金にも名前がついています。
これ、「らっきょう玉」と呼ばれています。らっきょうの形状からついた呼び名です。
主にカレーライスの薬味としてのイメージが強いらっきょうですが、日本で野菜として普及したのは江戸時代。
1969年に刊行された『農業全書』には、「味少し辛く、さのみ臭からず。功能ある物にて、人を補い温め、または学問する人つねに是を食すれば、神に通じ魂魄を安ずる物なり」との記述があり、さしずめ、機能性食品と言うような意味合いで、現在より珍重されていたようです。
「お金がカエル(帰る)」という語呂で縁起の良い物とされている「がまぐち」に、健康によい「らっきょう」がついている。「がまぐち」タイプのお財布は最強ラッキーアイテムかも!?
今日、10月17日は貯蓄の日。金運を願って「がまぐち」を新しくあつらえてみてはいかがでしょう。
構成/Hugkum編集部