【星野リゾート リゾナーレ那須で親子旅育】脱穀作業でお米がパチパチ取れた! 体験が自信につながる1泊2日

食卓にのぼるご飯を見て、生産者や食卓に届くまでの工程に思いを馳せたことはありますか?
今回はHugKum編集部の村上編集長一家が、星野リゾート リゾナーレ那須の「お米の学校」に参加。稲刈り後、乾燥したお米を、脱穀・精米し、羽釜で炊くまでを、みつきさん(小5)、りくくん(小1)が体験しました。背景を知ることで、何気なく食べていたご飯への思いも新たになったといいます。旅育コンサルタントの村田和子がレポートします。

子どもが夢中になる!身近な「食」がテーマ

旅で子どもの成長を育む旅育が注目されています。

特に身近な「食」をテーマにした体験は、小さな子どもから興味を持って取り組めて、実体験を通じた学びが日常の関心へつながりやすいメリットがあります。

今回は、二児の母でもあるHugKum編集部・村上奈穂編集長親子が旅育プログラムにチャレンジしました。
お米と自然にたっぷりふれた、1泊2日の様子を密着レポートします。

村田和子|旅行ジャーナリスト・旅育コンサルタント

「旅行者・地域・社会が旅を通じて元気になる」をモットーに、人生や日常を豊かにする旅の提案を行う。新聞・雑誌への寄稿やテレビ・ラジオへ出演。

旅育メソッド🄬を提唱し、旅育イベント企画・監修や講演を行う。著書に「家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ~旅育BOOK(日本実業出版社 )」。総合旅行業務取扱管理者。

旅育プログラム「お米の学校」に参加したHugKum編集部 村上編集長一家

旅育の舞台となるのは、栃木県那須町にある日本初のアグリツーリズモリゾート「星野リゾート リゾナーレ那須」。

旅育プログラム「お米の学校」は、4月の種まきから始まり、田植え(5月)、田んぼの手入れ(6月)、稲刈り(10月)を経て、5回目となる最終回は「収穫後のお米」がテーマ。

収穫したお米は乾燥したのち、脱穀・籾摺り(もみすり)・精米を経て、初めて炊いて食べられるようになります。
昔ながらの手法も交えながら体験し、最後は家族で協力して、薪を使った羽釜での炊飯にもチャレンジするというプログラム。

みつきさん、りくくんのふたりが通う小学校では、観察用に小さなスペースで稲を育てているとのこと。
リゾナーレ那須に到着し、さっそく広い「ホンモノ」の田んぼを前にして興味津々です。

日本の原風景が広がる田んぼで「お米の学校」がスタート

田んぼは、稲刈りが終わり稲を乾燥させる「はざかけ」がされ、のどかな田園風景が広がります。
はざかけは、前回のお米の学校で、稲刈り後に行ったもの。今日はこの乾燥したお米を引き継ぎ、食べられる状態へと加工していきます。

 

はざかけのある田んぼを前に、お米の学校が開校

リゾナーレのスタッフに加え、今日はお米の学校を監修・見守ってきた、現役の農家・稲作本店(farm1739)の井上ご夫妻も参加するスペシャルな回。井上ご夫妻は、ご自身もふたりの小学生の子育てをしているパパとママ。

挨拶では、子どもたちの未来に向けて、田んぼや美しい自然を残していく意義など熱い思いが語られ、参加している親御さんも共感し大きく頷きます。

稲作本店(farm1739)の井上ご夫妻

まずはクイズを交えながら、春からのお米の学校の様子を振り返り、今日の工程をスタッフが説明します。
前半はお米を食べられるようにする工程を体験、後半は薪を使った羽釜でグループごとに1つの窯を担当して炊き上げます。

クイズを交えながらお米の育成についておさらい

初めての脱穀作業。お米が取れるパチパチという音に感激!

初めは、稲から米粒を引き離す脱穀の作業。
田んぼの傍らには、資料館などに展示がある木製の脱穀機がスタンバイ。
足ふみミシンの要領でタイミングよくペダルを踏み込むと、凹凸のついたドラムが回転し、ドラムに稲穂を押し当てることで、茎から米粒が離れる仕組みです。

今回使用する脱穀機

「昔の道具というイメージですが50年ほど前までは現役だったようです。今は電動化されていますが原理は同じです」と井上さん。

スタッフのレクチャーを受けて、まずは、りくくんがペダルの踏み込みにトライします。
タイミングがずれるとすぐに逆回転してしまい、難易度は高め。真剣な面持ちで足に力を込め、踏み込みます。

真剣な面持ち。見ているより難しい

うまく回転ができるようになったところで、お母さんも参加し、ペダルを踏んでドラムを回す係が2名、稲穂をドラムに押し付ける係が1名という3名体制で、いよいよ脱穀に挑戦します。

稲穂が加わると抵抗でペダルも重たくなり、回転に負けないように稲を持つ手にも力が入ります。
みんなの息がぴったり合うと、お米は軽快なを立てながら、前に置かれたシートへと飛んでいきます。

感想を聞くと、りくくんは、この脱穀の工程が一番心に残っているといい「パチパチとお米がとれる音が面白かった」とのこと。

順番に子どもたちが挑戦し、脱穀機の前に敷かれたシートには、たくさんのお米の粒が集まりました。
「次は籾摺り(もみすり)をするので、各チームボールにお米を集めてください」と声がかかると、子どもたちは一目散にシートのお米をかき集め始めます。
その必死な姿に、まわりの大人たちはびっくり。すごい集中力です。

脱穀が終わったお米を集めるふたり。目が真剣!

籾摺り(もみすり)をすると、玄米のできあがり

籾摺りは、農家さんがお米の出来具合を確かめる際に使う、少量のお米を籾摺りできる手動の器具を使います。
手のひらサイズのコンパクトな籾摺り器に脱穀したお米をいれて、ハンドルをぐるぐる回すと……摩擦で籾がとれる仕組みです。

籾摺り器にお米をセットして、ハンドルをぐるぐる

「なんだか鉛筆削りみたい」と言いながら、ぐるぐるとハンドルを回すみつきさん。見守っていたお父さんも思わず「ちょっとお父さんにもやらせて」と参加。
お米の学校は子どもだけではなく、親世代も初めての体験が多く、親子で夢中になれるのがいいところ。

まだまだ先は長い!!

玄米が完成。黒い点があるお米の正体は・・・?

「このお米は玄米といって、炊飯したらもう食べられる状態です。黒い部分があるお米はありませんか?」というスタッフに促されお米を眺めると、確かに黒い点々があるお米が混ざっています。

「これは何が原因でしょう?」という問いに親子で思いを巡らせます。

 

正解は……カメムシが食べた

正解はカメムシの仕業。お米の出来はじめは甘い液体になっているそうで、それをカメムシが吸うと黒くなってしまうそう。
井上さんによると、味や健康に影響はないのですが、売る時には値段が下がってしまうとのこと。

低農薬や無農薬で育てたお米はカメムシの被害も多くなり、農家さんはLEDセンサーで米の色を識別し、不良品をはじく作業を行ってから出荷するといいます。安全安心なお米はロスや手間も増えることから、少し割高になるそう。
裏側を知ることで納得感があり、日常で何を選んで食べるのか?という尺度も広がります。

子どもから質問「精米の時に出た粉はどうなるの?」

精米は家庭用の電動精米機を利用します。

回転する様子を興味深くのぞきこんでいたみつきさんが「このお米からとった部分はどうなるの?」という質問をスタッフになげかけました。

精米したてのお米を見て、取り除いた部分(糠)が気になった、みつきさん

「これは糠(ぬか)といって栄養がたくさんあるので、ちゃんと活用します。お漬物を作る「糠床」になったり、お化粧品に加工されたりすることも。リゾナーレでは『ぼかし』という土に混ぜる肥料にし、畑のお野菜たちの栄養になります。」
なるほど……と頷くみつきさん。自らの疑問の解を得て、お米の知識が増え、ちょっと世界も広がりました。

参加者が脱穀・籾摺り・精米したお米は梱包し、自宅で食べるためにお土産に

薪と羽釜で炊飯にチャレンジ!

田んぼの傍らには、ずらっと羽釜がセッティングされ、いよいよ後半戦がスタート。
まずは着火剤を囲むように小さな細い枝を、その上に太めの薪を組み、着火の準備をします。

見回っていたスタッフが「みつきさん、りくくん、とっても薪の組み方が上手だね」と声をかけると、ふたりはにんまり。
「キャンプが好きで、都会の子にしては、アウトドアに慣れているかもしれません」とHugKum編集長でもあるお母さん。

羽釜に薪をくべるみつきさんと、りくくん

羽釜での炊飯は一見難しそうですが「とにかく強火で温度を上げるのがコツ。ぐつぐつと沸騰したら薪を減らして火を弱め、あとはそのまま置いておけばOK」とのこと。うちわで空気を送り込みながら、火を強くしていきます。

 

羽釜の火、これで大丈夫かな?

火の調整も子ども自身で。難しい体験が自信になる

沸騰し火を弱める際には、熱々の薪を火ばさみで取り出して調整します。
どの親御さんも『熱いから気を付けてね』と声をかけ、ちょっぴり心配顔で見守ります。

子どもたちはスタッフのアドバイスに耳を傾けながら真剣に丁寧に薪を取り出していきます。無事にミッションを達成すると親子でほっとした表情に。
ちょっぴり難しい体験は、『できた』という達成感が大きく経験は自信へとつながります。

「いい?あけるよ~」がんばってやり遂げると成功体験に

炊きあがるまで思い思いに過ごしていた子どもたちも、おいしそうなにおいに誘われ羽釜の近くへ集まってきました。

「一つ炊きあがったので蓋をあけてみましょう」と、 カウントダウンをして蓋を開くと……
まっしろな湯気の先に、つやつやのお米が見えます。「おいしそう!」「いいにおい」と歓声があがります。

全てのグループのご飯が炊きあがり、いよいよ実食。地元のたまり漬とともに炊き立てのご飯をほおばる子どもたち。
「おいしい」「僕が炊いたのだよ」という会話とともに、家族の笑顔がこぼれる心地よい時間が流れます。

 

農家では、小休憩を「おこじはん」というそう

田んぼはお米を生み出すだけではない

お米の学校の締めくくりは、井上さんからのお話。
日本人は米を食べなくなっていて、田んぼは減り続けていること。田んぼはお米を生み出すだけではなく、治水の役割も担っており、田んぼがなくなれば災害が多くなることを紹介。
今、体験したばかりとあって、子どもたちにも響き、自然と心に留まります。

「お米、がんばって食べなくちゃね。日本の伝統文化だもの」とみつきさん

参加した子どもたちは、帰宅後も食事の際など折を見て「農家さんの思い」「美味しかった炊き立てご飯」などを思い出し、「がんばった自分」を認めて自己肯定感を育むことでしょう。

お米の学校は、2022年度は今回で終了となり、次年度は20234月の種まきからスタート予定です。
なお、リゾナーレ那須は一年を通して農家さんを身近に感じる畑の体験「ファーマーズレッスン」も開催。
食をテーマにお子さんとお出かけしたい方はこちらもおすすめです。

お米の学校を終えて~HugKum編集長&井上ご夫妻

お米の体験を終えて、HugKum編集長ならびに監修者である井上さんご夫妻に、感想や次年度に向けての意気込みをうかがいました。

中央:HugKum編集部 村上奈穂 向かって左:稲作本店・井上真梨子さん、右:稲作本店 井上敬二朗さん

HugKum編集部 村上奈穂

子どもたちがどの工程も「自分でやる!」と積極的に楽しむ姿が印象的でした。
今回の経験は、帰宅後の日常の生活にもつながり、家で実践できる旅育もあると感じます。例えば、お米を買う時にも、楽しかったお米の学校の光景を思い出せば「栃木県那須産のお米」に手が伸びるし、農家さんの大変さや稲作の裏側、田んぼを守る必要性を知ることで、高くても安全なお米をという選択肢も出てきます。
大変な手間と愛情をかけて育てられたお米を、おいしく食べられるように、土鍋でご飯を炊くのもよさそうです。
子どもは好奇心の塊。コロナが落ち着きつつある今だからこそ、リアルな体験の機会を持ち日常へとつなげる必要性を改めて感じます。

お土産の自分たちで精米したお米は、お友だちが遊びに来た時に土鍋で炊いてふるまったそう

稲作本店 井上敬二朗・真梨子さん

われわれは仕事としてお米と向き合っているので、ともすると米作りの楽しさを忘れがち。
目をキラキラさせて米作りのプロセスを楽しむ子どもたちに元気をもらいました。お米の学校も2年目を終えましたが、アグリツーリズモリゾートへ泊まるお客さまは、農業者生産者への関心も高く、お米の学校での体験も響いていると実感します。

現在は稲作の原理を学ぶことにフォーカスしたプログラムですが、例えば農業もハイテク化の時代ですし、輸入飼料の高騰で苦しむ酪農家の方とコラボし、休眠している田んぼでの飼料米の生産にもチャレンジしています。生産者のリアルな姿を見て、社会を知ってもらう体験も、今後に向けて考えたいと思います。

稲を前に、新しい遊びも開発??

毎年進化を続けるお米の学校。来年度も楽しみです。

子どもが喜ぶアクティビティがいっぱい!星野リゾート リゾナーレ那須

お米の学校以外にもリゾナーレ那須には、子どもたちが夢中になる自然環境が整い、子どもが楽しみながら学べるアクティビティがたくさんあります。最後に一家の滞在中の様子をご紹介しておきましょう。

  • ファミリーに人気のメゾネットの客室に大興奮

  • みつきさん、りくくんは上下に別れて会話をしたり、階段を行ったり来たり

    メゾネットタイプのお部屋はファミリーに大人気。階段も子ども達にかかれば遊びの要素に!
    窓から見える風景に癒やされてパパ・ママもゆったり気分に。

    • 自然の中にたたずむリゾナーレ那須では、そこら中に遊びの「種」が


    • とにかく自然がいっぱいのリゾナーレ那須。追いかけっこをしているだけで楽しさ全開!
      あっという間に遠くへいってしまい、追いつくのが大変です。
  • ミッションシートを手に施設内を散策していると、大きなカエルを発見

  • 到着した時にゲットしたミッションシートを持ち、森を探索します。
    カエルのゆったりした動きに「簡単に捕まえられそう」「冬眠前だから?」と、家族の会話も盛り上がります。

  • 敷地内の川で水切りにチャレンジ。お父さん上手!
  • 子どもが夢中になる POKO POKO(ポコポコ)

  • みつきさんがリゾナーレ那須で一番印象に残った場所という「POKO POKO(ポコポコ)」。
  • 童話の世界のようなPOKO POKO(ポコポコ)

中にあるネット遊具は、ふたりのお気に入り!

クラフトが大好きなみつきさん。アクティビティ「木の葉のステンドグラス」にチャレンジしました。

リゾナーレ那須で集めた木の葉を貼り付けて・・・

すてきな作品ができました!

りくくんは、お父さんと焼きマシュマロに挑戦。美味しそうに焼き上がり、食べようとした瞬間落としてしまい、泣きそうになりながらも再挑戦!

 

  • グリーンハウスお茶を頂き、ヒンメリ作りに挑戦

  • 北欧で人気の伝統装飾・ヒンメリ作りにも挑戦しました。グリーンハウスでは一年中、農家のお仕事を体験できる「ファーマーズレッスン(無料)」も開催しています。
  • ファーマーズレッスンは、季節や天候でどんな内容になるかはお楽しみ

    リゾナーレ那須「旅育」WEBページが開設

  • 星野リゾート リゾナーレ那須では、子どもの成長を育む「旅育」への取り組みの一環として、子どもが楽しみながら旅の計画に関われる旅育webページを開設。ぜひお子さんと一緒にチャレンジしてみてくださいね。
  • 星野リゾート リゾナーレ那須 旅育webページ
  • 星野リゾート リゾナーレ那須

  • リゾナーレ那須オリジナル「ミルクジャム・トートバッグ・ポストカードのセット」を5名様にプレゼント!

星野リゾートのミルクジャムは森林ノ牧場で育つジャージー牛の牛乳から作った濃厚なミルクジャム。
希少なジャージー牛の香りを生かすため、焦がす直前まで煮詰めてキレのある味を引き出しました。トーストはもちろんアイスクリーム、ヨーグルトなどに合わせるのにピッタリです。

今回はミルクジャム・トートバッグ・ポストカードをセットにして抽選で5名様にプレゼントいたします。

↓↓↓↓↓ご応募はこちらから↓↓↓↓↓

※抽選の結果、当選された方には「リゾナーレ那須オリジナル『ミルクジャム・トートバッグ・ポストカードのセット』」 をプレゼントします。
※こちらのプレゼントに応募される場合、事前に発送先となる個人情報の入力と、アンケートへの回答が必要となります(応募時に賞品送付先ご登録フォームとアンケートフォームのご案内があります)。

■応募締切日:12月12日(月)23:59まで

■抽選方法:ご応募いただいた月の翌月以降、HugKum編集部にて抽選を行います。
■発送方法:日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便などの配送業者より発送させていただきます。配送希望日時はご指定いただけません。
■個人情報および特定個人情報の適正な取り扱いに関する基本方針:こちらをご覧ください。

<注意事項>
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。落選の方へのご連絡はいたしておりません、ご了承ください。
※応募はお1人様1回とさせていただきます。
※お届け先住所をご登録いただけなかった場合や、ご登録内容に誤り等があった場合には、抽選対象から除外させていただきます。
※抽選に当選された場合、賞品はご応募いただいた日の翌月以降の発送となります。
※賞品の発送は日本国内に限らせていただきます。

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構成・文/村田和子

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