ギニアってどんな国?
ギニア(ギニア共和国)は、アフリカ大陸西部に位置し、大西洋に面した国です。大西洋沿いには熱帯雨林が広がり、内陸は草原地帯。水や森、海、地下資源に恵まれていますが、政治的に不安定で、2014年にはエボラ出血熱の流行もあり、大きな痛手を受けました。
1958年、西アフリカの中では最も早く独立。セク・トゥーレ初代大統領の「豊かさの中の奴隷より、貧困の中の自由を選ぶ」という言葉は当時、大きな注目を集めました。
また「ギニアビサウ」と「赤道ギニア」は同じアフリカにありますが、ギニアとは別の国です。混同しないようにしましょう。
ギニア基本情報
まずはギニアの基本情報からご紹介します。
国名
ギニア共和国
首都
コナクリ
場所
アフリカ大陸の西部にあります。北にセネガル、北東にマリ、南にシエラレオネ、リベリア、南東にコートジボワール、北西にギニアビサウ、西は大西洋に面しています。
日本との時差
9時間(日本のほうが9時間進んでいる)
面積
245,857平方km
本州とほぼ同じ面積で、日本の約1.5分の1にあたります。日本の総面積は378,000平方km。
エリア
ギニアは次の8つの州に分かれています。
・ボケ州
・コナクリ州
・ファラナ州
・カンカン州
・キンディア州
・ラベ州
・マムー州
・ンゼレコレ州
人口
1,350万人(2021年)
東京都の人口とほぼ同じ。東京都の人工は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
フランス語、各民族語(プル、マリンケ、スースー等)
通貨
ギニア・フラン
宗教
イスラム教、キリスト教、伝統的宗教
歴史
・14~15世紀、西アフリカ一帯をマリ帝国が支配。
・16世紀、ヨーロッパ人が入植。
・1890年、フランス領ギニアが成立。
・1947年、ギニア民主党が結成。
・1958年、他の西アフリカ諸国に先駆けてフランスから独立を果たす。
天気・気候
熱帯性気候とサバンナ気候に属します。ギニアの多くの地域は熱帯性気候に属し、年間を通じて気温、湿度ともに高い状態が続くのが特徴です。とくに3~6月にかけてが最も暑く、気温が30度を超えます。
サバンナ気候に属する地域は、乾季と雨季がはっきりしています。また、国土全体で降水量は多くなっています。
ギニアの治安・住みやすさ
気になるのはギニアの治安や住みやすさでしょう。さっそく見ていきます。
治安は悪い
外務省から、国土全体に危険レベル2以上が公表されています。
北から北東部の国境線付近は、渡航中止を勧告する危険レベル3となっており、治安がいいとはいえません。理由としては、金鉱山を巡るトラブルで武力衝突や強盗が多く発生しているためです。また隣国のマリから、イスラム過激派組織が入ってくる可能性もあります。
危険レベル2でも不要不急の渡航中止が要請されているため、やむを得ない事情がない限りは渡航を避けるべきでしょう。
住みやすいとはいえない
治安が悪い点やインフラ整備が不十分な点が、住みにくい主な原因となっています。具体的には、首都のコナクリで断水や停電が発生することがあります。今のところ落ち着いているようですが、かつては頻発していたため注意が必要です。
また外国人向けのレストランなどは、価格が高めに設定されています。ギニアは総合的に、外国人にとって住みやすいとはいえないでしょう。
ギニアの見どころ・観光
ここでは、ギニアの見どころや観光スポットをご紹介します。
ブライダルベールの滝
ギニアにあるブライダルベールの滝は「花嫁のベールの滝」とも呼ばれています。高さ約60m地点から流れ落ちる水が、花嫁衣装のベールに見えることに由来しています。
首都から車で3時間ほど(約150km)の場所にあるためアクセスが大変ですが、見る価値は十分にあるスポットです。
ニンバ山厳正自然保護区
ギニア、コートジボワール、リベリアの国境をまたぎニンバ山や他の山々が連なっています。山には深い森が広がり、ふもとには草が生い茂り、一帯が自然保護区に指定されています。
生息する動植物の中には、ニンバ山の固有種が十数種類いるとわかっており、タイミングが合えば観察できるかもしれません。また1992年にはリベリアからの難民によって、危機遺産にも登録されています。
ロス諸島
ロス諸島は首都のコナクリ沖合にあります。島は3つあり、いずれもヤシの木や森に囲まれています。週末になると、バカンスのために観光客が大勢訪れます。各島は、水泳やセーリング、シュノーケリングなどを楽しむのに最適な観光スポットです。レストランもあるため、グルメを求めて訪れるのもいいでしょう。
フータジャロン
ギニアの北東部にある山地です。標高の最高地点が1538mで、面積は77,000平方kmにおよびます。
先住民のフラニ族が多く住んでおり、牧畜や農耕を営んでいます。とくに牛の牧畜が盛んで、ギニアでの牛の主要な産生地になっています。農耕では、コーヒーやパイナップルなどが作られます。またフータジャロンには、キンコン滝もあります。水量が多い梅雨の時期には、ダイナミックな滝の様子を見ることができます。
マディナ市場
マディナ市場は、西アフリカ最大の市場です。野菜や果物・魚・香辛料などの食材や、衣類・工芸品などが販売されています。ギニアの人々のサッカーに対する情熱の強さから、ユニフォームも多く売られています。マディナ市場は人が多く訪れ、店員の声が常に飛び交っています。
グランドモスク
コナクリで最古のモスク(1960年建立)がグランドモスクです。ギニア全体でイスラム教の信仰者が多いですが、コナクリはとくに多く、人口の約80%以上が信仰者とされています。
グランドモスクは細長く高い塔が特徴的です。広大な土地に建てられており、収容人数は5000人と、イスラム教徒が多いことがよくわかります。
ギニアの特徴・有名なもの
観光スポット以外に、ギニアの特徴や有名なものを見ていきましょう。
パーニュ
パーニュは、綿やポリエステルなどの素材で作られたカラフルな柄が特徴的な生地です。ギニアの市場ではさまざまな色の布が売られており、伝統的な衣服や室内の装飾などに使用されます。パーニュで神聖なものを表したり、行事に合わせて特別な柄を作ったりするのも特徴的です。
近年は、ファッションアイテムとして世界でも取り入れられるようになっています。ギニアを訪れた際は、好きな柄のパーニュを見つけてみましょう。
サッカーへの情熱が強い
ギニアで人気なスポーツといえばサッカーです。国民のほとんどがサッカーファンだともいわれています。国内リーグの試合やFIFAワールドカップなどの試合がある時期は、とくに熱狂的な盛り上がりが見られます。
ハチミツ
ギニアは高品質なハチミツを生産する国のひとつとして知られています。2000年には55万トン以上のハチミツが生産されました。主に中部ギニアや高地ギニアで生産されており、民族によってハチミツを使ったオリジナルの調味料が作られているのも特徴的です。
自然あふれるギニア
今回はギニアについてご紹介しました。ギニアは治安こそあまりよくありませんが、自然豊かで魅力ある国です。今回の記事でギニアに興味が湧いた方は、ぜひ書籍や動画なども利用して、さらに深く学んでみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部