グアテマラはどんな国? マヤ文明のティカル遺跡やコーヒーなど、有名どころをチェック【HugKum世界紀行】

かつてマヤ文明が栄えた場所で、コーヒーなどの産地としても有名なグアテマラ。メキシコ、ベリーズなどと接する中米の国です。そんなグアテマラの場所や人口、面積などの基本情報から、治安情報、住みやすさなどをご紹介。またマヤ文明の遺跡など観光スポットや見どころもまとめて解説します。

グアテマラってどんな国?

グアテマラはメキシコの南東に隣接する場所にあり、カリブ海と太平洋に面した中央アメリカの国です。

かつてマヤ文明が栄えた国で、国民のおよそ4割がマヤ文明を起源とする先住民で構成されています。それらの先住民は、22の言語の部族にわかれるなど、さまざまな文化や歴史を背景があります。

マヤ文明のティカル遺跡,グラン・プラザ(大広場)
マヤ文明のティカル遺跡、グラン・プラザ(大広場)

グアテマラ基本情報

まずはグアテマラの基本情報からご紹介します。

国名

グアテマラ共和国

首都

グアテマラ市

場所

グアテマラがあるのは、中央アメリカ。北と西をメキシコ、北にベリーズ、東にホンジュラスとエルサルバドルと接しており、カリブ海と太平洋の両方に面しています。

グアテマラ周辺地図
グアテマラ周辺地図

日本との時差

15時間(日本の方が15時間進んでいます)

面積

108,889平方km

日本の総面積は378,000平方kmで、グアテマラは北海道と四国を合わせた広さよりやや大きい面積です。

エリア

グアテマラは次の22の県に分かれています。首都グアテマラ市があるのは、グアテマラ県です。

・アルタ・ベラパス県
・バハ・ベラパス県
・チマルテナンゴ県
・チキムラ県
・ペテン県
・エル・プログレソ県
・キチエ県
・エスクィントラ県
・グアテマラ県
・ウェウェテナンゴ県
・イサバル県
・ハラパ県
・フティパ県
・ケツァルテナンゴ県
・レタルレウ県
・サカテペケス県
・サン・マルコス県
・サンタ・ローサ県
・ソロラ県
・トトニカパン県
・サカパ県

人口

1711 万人(2021年時点)

東京都の人口がおよそ1400万人(2023年2月時点)で、グアテマラの人口は東京都の約1.2倍にあたります。

言語・公用語

公用語はスペイン語。その他に22のマヤ系言語等があります。

グアテマラ国旗
グアテマラ国旗

通貨

ケツァル

1ケツァル=17.44円(2023年3月10日時点)

宗教

カトリック、プロテスタント

歴史

年月 略史
1523年 スペインによる征服
1573年 スペイン王領の総督領となる
1821年 スペインから独立
1823年 中米諸州連合結成
1838年 中米諸州連合より分離独立
1960年 内戦勃発(1996年まで)
1986年 民政移管
1987年 中米和平合意
1996年 内戦終結

天気・気候

グアテマラ市は標高が高い高原にあり、年間を通して温暖でとても住みやすい気候から「常春の郡」と言われます。5~10月までの雨季、11~4月の乾季にわかれており、雨季はスコールのようなまとまった雨が降り、ハリケーンもよく発生します。

またグアテマラは日本と同じく火山が多くある国であることから、地震も多く、各地に温泉もあります。

グアテマラの治安・住みやすさ

グアテマラの治安情報はどうでしょうか。

グアテマラ国境風景
グアテマラ国境風景

治安はレベル1~2

外務省「海外安全ホームページ」によると、2022年3月22日時点で、グアテマラ全土で「十分注意」のレベル1が発令されています。

また、以下の地域は、「不要不急の渡航は止めてください」のレベル2が発令されています。
・ナワラ市とサンタ・カタリーナ・イシュタワカン市周辺(ソロラ県)
・エル・エストール市周辺(イサバル県)
・イシュチグアン市とタフムルコ市周辺(サンマルコス県)

グアテマラで発生する凶悪犯罪の4割ほどは、グアテマラ県で起きています。麻薬犯罪に関わる事件や、テロの被害などに巻き込まれる可能性もあるため、十分な注意が必要です。

住みやすさには不安が残る

グアテマラ政府が近年治安面の改善に努めていると言われていますが、「海外安全ホームページ」で全土にレベル1~2と発令されています。

グアテマラと隣接するメキシコ、ホンジュラス、エルサルバドルも、どれも危険情報が発令されていて、安全に暮らせる国と言うのは難しいでしょう。

グアテマラの見どころ・観光

グアテマラのおすすめ観光スポットをご紹介しましょう。

ティカル遺跡

グアテマラに数多くある古代マヤ遺跡の中で、最大規模になるのがこのティカル遺跡です。高さ50メートル近くになる神殿が複数そびえたち、世界遺産に登録されています。4世紀から9世紀ごろに反映したマヤ文明の政治や経済の中心地を体感できる場所です。

ティカル遺跡の2号神殿。上にのぼって1号神殿やほかの遺跡を眺めることができる
ティカル遺跡の2号神殿。上にのぼって1号神殿やほかの遺跡を眺めることができる

ティカル遺跡への観光の拠点となるのが、「世界一美しい湖」といわれるアティトラン湖畔の村で、ボートに乗って対岸の村まで出かけたりできます。

アティトラン湖。湖畔の村サンペドロ・ラ・ラグーナからのぞむ

セムク・チャンペイ

欧米などの観光客に人気と言われる秘境が、セムク・チャンペイ。山道をすすんでいったところにある階段状にできた湖で、透明度が高く、エメラルドグリーンに輝く湖にはたくさんの魚が泳いでいます。水の中にダイブしたり泳いだりして楽しむほか、近くにある洞窟や展望台を訪れてもいいでしょう。

アンティグア

アンティグアは、グアテマラ市から車で1時間ほどの場所にあり、グアテマラの旧都として栄えた街。スペイン植民地時代に栄えてきた町で、スペインのような鮮やかな色の建物が数多く残っています。

アンティグア旧市街。メルセー教会へと続く道の途中にあるアーチ式の時計台
アンティグア旧市街。メルセー教会へと続く道の途中にあるアーチ式の時計台

街のシンボルとなっているのが、メルセー教会の近くにある時計台。ぜひ記念写真をおさめておきたい人気スポットです。

十字架の丘

世界遺産に登録されているアンティグアの街を見下ろし、アグア山も望める絶好の景色が広がる十字架の丘。

20分ほどをかけて山を登っていくと絶景が待っています。頂上には、大きな十字架と、守護聖人の像が立てられています。

十字架の丘から見下ろすアンティグアの市街。正面は「アンティグアの富士山」とも呼ばれるアグア火山
十字架の丘から見下ろすアンティグアの市街。正面は「アンティグアの富士山」とも呼ばれるアグア火山

グアテマラの特徴・有名なもの

グアテマラといえば、マヤ文明で栄えた地であり、コーヒーなどの産地として知られています。

マヤ文明の中心地

グアテマラはマヤ文明の中心地として、9世紀ごろまで栄えてきました。高度な文明がありながら、その後突然姿を消したことから、気候変動などの諸説が唱えられていますが、いまでも謎に包まれています。

そんなマヤ文明の遺跡が数多く残り、それらの歴史を感じられるのが、グアテマラなのです。

グアテマラ随一の観光スポット・マヤ遺跡
グアテマラ随一の観光スポット・マヤ遺跡

コーヒー

グアテマラといえばコーヒーの産地として世界的にも知られています。それはグアテマラの地形や気候がコーヒー豆の栽培に適しているから。

国土の半分以上が火山に囲まれた山岳地帯にあるグアテマラでは、寒暖差が大きく、雨季にはまとまった雨が降ります。さらに火山灰の土壌などが、コーヒー豆の栽培に絶好の条件なのだそう。そのため、18世紀頃にコーヒーが持ち込まれ、それからコーヒーの一大産地となっています。

グアテマラコーヒーは、果物を感じさせる強い酸味や花のような香りがある上品な味わい。日本をはじめ、世界中に輸出されています。

ロースト前の生のコーヒー豆。手前がグアテマラコーヒー
ロースト前の生のコーヒー豆。手前がグアテマラコーヒー

チキンバス

通称「チキンバス」は、グアテマラの路線バスのことで、正しくはカミオネタと言います。カラフルに色が塗られ、派手にデコレーションされていることから、グアテマラの名物的存在になっています。旅行者の移動手段としても便利な存在ですが、安全面では十分な注意が必要と言われています。

マヤ文明で栄えた国グアテマラ

先住民が多く暮らし、マヤ文明で栄えてきた国、グアテマラ。マヤ文明は世界各地で都市国家を築いてきたため、各地にさまざまな建築様式の建物が残されています。

グアテマラでは、ティカル遺跡をはじめ、数多くのマヤ文明遺跡があります。マヤ文明をきっかけに、グアテマラについて調べてみても楽しいかもしれませんね。

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文・構成/HugKum編集部

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