白髪は抜くと増えるの?これ以上白髪を増やさないための方法は?【医師監修】

白髪が生えたり増えたりすることは、遺伝や加齢が原因とされています。白髪があると老けて見えるため、多くの人は抜いたり染めたりして対策を講じています。よく「白髪を抜くと逆に増える」といわれますが、それは本当でしょうか。白髪が生えた時の正しい対策を知って、今後増えないように努めましょう。

白髪の原因は?

白髪は原因なくして生えてくるものではありません。生えたり増えたりする原因を知り、適切な対策をすることが重要です。

加齢

年齢を重ねると、体内で生成されるメラニン色素の量が減少します。メラニン色素は髪の色を決定する役割を持っており、減少すると髪の黒色を維持できなくなります。加齢によって増える白髪への対策は、メラニン色素がポイントです。

遺伝

白髪になるタイミングや白髪と黒髪の割合は、遺伝的な要因によって決まることがあります。遺伝要因で白髪になる人は、比較的若年の頃から白髪が生えたり増えたりする傾向にあります。

ストレス

加齢でも遺伝でもなく白髪が増える時は、ストレスが原因になっていることがあります。またストレス解消のために過食や喫煙、過度のアルコール摂取をした結果、白髪が増えるケースもあります。栄養不足や病気も心身にストレスを与え、白髪の原因になることがあります。

白髪を抜くと増えるのは嘘? 根拠は?

白髪を抜くと新しい白髪が生えてきたり本数が増えたりするという噂には、実は根拠がありません。実際に白髪を抜いてみるとその毛穴から新しい髪が生えてきますが、絶対に白髪が生えてくるわけではないのです。

しかし白髪を抜くことには、別のデメリットがあります。白髪を抜いた毛穴周辺の細胞がダメージを受けて、炎症を起こすことがあるのです。そうなると細胞が正常に機能しなくなり、新しい毛髪が生えにくくなったり、周りの毛髪に影響が及んだりするケースがあります。白髪を抜いた毛穴周辺の細胞が正常に機能しなくなることで、周りも白髪になりやすくなるのです。

また、白髪を抜きすぎると毛穴自体が損傷を受けます。これが原因で、その後の髪の生え方に影響を与えることがあります。例として、直毛だったのがうねった毛が生えるようになるなど、抜くことにより髪質が変わる可能性があります。白髪を抜くこと自体はNGではありませんが、控えめにしておく必要があるのです。

白髪を見つけたときの対処法

白髪を見つけたときの対処法としては、以下のようなものがあります。正しい方法で対処することで、白髪を増やさずにすむでしょう。

白髪染めをする

白髪染めは、白髪を隠せる方法のひとつです。市販の白髪染め製品を使って自分で染めるほか、美容室での白髪染めもあります。

仕上がりを気にする場合は、プロに依頼しましょう。自分で染める場合は髪質に合った製品を選び、使用方法をしっかりと確認してからおこないましょう。

髪の健康を意識する

白髪を見つけた時点から、髪の健康のための手入れをスタートしましょう。健康的な髪を保つために、良質なシャンプーでの洗髪、コンディショナーでの手入れ、食生活の改善、適度な運動やストレスの管理を行うのがおすすめです。

運動は、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が髪質の改善にいいとされています。

白髪ありきで考えてみる

白髪をそのままにしておくことも、ひとつの選択肢です。白髪をファッションと捉え、年齢や経験を重ねた人ならではの魅力的な要素として楽しむ発想です。自分に合った髪型やファッションで、白髪を生かしたスタイルを楽しんでみてください。

例えばヘアバンドやヘアピン、ヘアゴムなど、自分に合ったアクセサリーを使ったり、ヘアカラーを追加したりすることで、おしゃれな印象を与えることもできます。

シルバーヘアを自分のスタイルとして取り入れる考え方も

白髪を増やさないための方法

「これ以上白髪を増やしたくない」という人のために、白髪を増やさない方法をいくつか紹介します。

栄養を考えた食生活

髪を健康に保つ栄養素は、主にメラニン色素の生成に関係するものや抗酸化作用のあるものです。以下に、髪の健康のために必要な栄養素を紹介します。

●ビタミンB12
メラニン色素の生成に必要な栄養素のひとつで、不足すると白髪の原因になるとされています。肉や魚、貝類、卵、乳製品などに多く含まれるため、積極的に摂取しましょう。

●鉄分
不足していると、十分な酸素が細胞に行き渡らなくなります。鉄分はレバーや赤身の肉、貝類、小豆、ひじき、ほうれん草などに多く含まれています。

●亜鉛
亜鉛は抗酸化作用もある栄養素です。貝類、レバー、肉、卵、大豆、牡蠣などに多く含まれています。

●銅
銅にも抗酸化作用があります。銅は、レバー、魚介類、豆類、ナッツ類などに多く含まれます。

●ビタミンC
抗酸化作用があり、メラニン色素の生成を促進する機能も備えています。ビタミンCは、レモン、オレンジ、キウイフルーツ、ブロッコリーなどに多く含まれています。。

睡眠をしっかりとる

睡眠は、健康な髪を維持するために非常に重要な役割を持っています。睡眠不足は髪にもストレスを与え、健康な髪の成長を妨げる原因となります。また身体の免疫力を低下させ、頭皮にも悪影響を与えます。

白髪対策としての睡眠は、1日に約7~8時間が理想です。十分な睡眠は身体のストレスを軽減し、頭皮の血流を促進します。また睡眠中は成長ホルモンが分泌されるため、健康な髪の成長が促進されます。

睡眠の質もまた重要です。良質な寝具、室内環境にも配慮するようにしましょう。就寝前の過度なアルコール摂取や食事、スマホやパソコンなどのブルーライトを浴びることも避けるようにしてください。

自分に合ったシャンプーを使う

白髪対策には、自分に合ったシャンプーを選ぶことも重要です。白髪の発生は、メラニン色素が減少することに起因します。メラニン色素を保護するために、適切なシャンプーを選ぶ必要があるのです。

以下、白髪対策におすすめのシャンプーを紹介します。

ノンシリコンシャンプー

シリコン入りシャンプーは、髪の表面に膜を作り、髪を保護する働きがあります。一概に悪いとはいえませんが、長期的に使用すると髪の根本の頭皮や毛穴の部分にまで膜が入り込み、頭皮全体の環境を悪化させることがあります。

ノンシリコンシャンプーを使っていくことは、長い目でみると白髪対策になるといえます。

ナチュラルな成分が含まれたシャンプー

天然由来の成分が含まれたシャンプーは、頭皮環境を整える効果があります。例えば、オリーブオイル、アルガンオイル、ハチミツなどには、頭皮の保湿効果があります。またナチュラル成分はストレスを和らげる効果もあるため、白髪対策にふさわしいでしょう。

白髪用シャンプー

白髪対策のための白髪用シャンプーを使うのもおすすめです。白髪用シャンプーには、ヘマチンやNアセチルLチロシンといった、メラニン色素をサポートする効果がある成分が含まれているものがあります。

白髪を増やさないように対策しよう

白髪の有無や生え方には個人差があります。遺伝や加齢が要因で白髪が生えてくる人は、早いうちから対策をしていきましょう。すでに気になっているなら、白髪をこれ以上増やさないために、上でご紹介した内容を参考に取り組んでみてください。

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記事監修

三橋 裕一|医師

ひなたクリニック理事長。会津若松生まれの54才。産婦人科診療の傍ら、婦人科で行う医療VIO脱毛(介護脱毛)に真剣に取り組んでいる。ライフワークとして、総合格闘技のリングドクターとしても活躍中。
北海道フードマイスター、利酒師、焼酎利酒師の資格を持ち、おいしい食べ物、酒をこよなく愛する。

医療法人社団みぶな会ひなたクリニック

 

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