ウドってどんな食べ物?
ウドは、漢字で「独活」と書きます。ウコギ科タラノキ属の多年草で、古くから日本に生息する山菜の1つ。「ウド」や「山ウド」といわれます。食用として用いられるのは、春から初夏にかけて出た新芽の部分や、茎や葉の部分です。一般的に、スーパーなどで売られているウドは白っぽいものがほとんど。
これは「軟白ウド」といい、土をかぶせて光を遮断、もしくは暗い室内で栽培したものです。いっぽうで緑がかったウドを見かけたことはありませんか? これは「軟白ウド」に日光を当て緑化したもので、「山ウド」として売られていることもあります。
本来「山ウド」は、山野に生息しているウドを指しますが、野生しているウドがスーパーなどに並ぶことは、ほとんどないそうです。
ウドの旬はいつ?
ウドの旬は、春から初夏にかけて。春に収穫されるウドは「春ウド」と呼ばれ、柔らかく香りが良いのが特徴です。
ウドってどんな味?
「軟白ウド」は、柔らかく、苦味やクセがないあっさりとした味わい。香りも控えめで、食べやすいのが特徴です。それに比べて「山ウド」は、香りが強く、ほろ苦い味わいが特徴。野生味あふれる味を楽しみたい方は、「山ウド」がおすすめです。
ウドに含まれる栄養素は?
・アスパラギン酸
アスパラギン酸は、アミノ酸の一種で疲労回復効果があります。また利尿作用があり、有害なアンモニアを体外へ排出してくれる作用があります。
・クロロゲン酸
クロロゲン酸はポリフェノールの一種。ウドのアクや苦味の成分です。しかし、高い抗酸化作用があり、細胞の老化を抑制する効果が期待できます。
・ジテルペンアルデヒド
ジテルペンアルデヒドは血行を促進し、血液循環が良くなることで、疲労回復が期待できるといわれています。
「ウドの大木」とは?
「ウド」といえば、「ウドの大木」ということわざを思い出す方もいるのでは?
「ウドの大木」とは、「体が大きいばかりで何の役にも立たないこと」を言ったものです。ウドは成長すると、2~3mになるそう。しかし、大きくなりすぎたウドは美味しくなく食用には向きません。
また山菜であるウドの茎は、大きくなっても柔らかいため、建築の資材としても使えない。そのため、大きくなりすぎたウドは役に立たたないということから由来したことわざなんです。
美味しいウドの選び方は?
美味しいウドの見分け方、保存方法などをチェックしていきましょう。
美味しいウドの選び方
【軟白ウドの場合】
・根本から穂先の太さが均一のもの
・うぶ毛が密に生えているもの
【山ウドの場合】
・茎が太く短めのもの
・穂先がみずみずしいもの
・うぶ毛が密に生えているもの
ウドは捨てるところがない!
ウドは、茎の皮、茎、穂先、全て食べることができ、捨てるところはないといわれています。茎の皮は、きんぴらなどの炒め物に。茎は生で食べることが可能です。酢味噌和えやサラダにしても美味しく、シャキシャキとした食感を楽しめます。そして柔らかい穂先は、天ぷらにして食べるのがおすすめです。
ウドの保存方法は?
ウドを保存する際のポイントは、光を遮断すること。ウドは、光が当たってしまうと変色し固くなってしまいます。購入したウドは、濡れた新聞紙もしくは、キッチンペーパーで包み、野菜室で冷蔵保存するのが良いでしょう。
また、あまり長期間保存しておくと、ウドは固くなってしまうため、なるべく早く使い切るようにしてください。
ウドの下処理方法は?
ウドの下処理方法は、カットして酢水に浸けます。ウドは、それほどアクやエグミは強くありません。しかしポリフェノールを含むため、時間が経つと変色してしまいます。そのため、ウドは切り分けたら酢水に浸けてアク抜きをして、変色を防ぐのがおすすめ。
では、ウドの下処理の方法を一緒にチェックしていきましょう。
1:穂先・茎・皮に切り分ける
1、ウドを流水で洗い、根元の茶色い部分を切り落とします。
2、包丁の背を使ってウドの表面のうぶ毛を取り除く。
3、穂先の部分を切り落とします。
4、茎は5cmくらいの長さでカット。
5、4の皮を剥きます。このとき、皮は厚めに剝くのがポイントです。
2:酢水に浸けてアク抜きをする
1、ボウルに水400ml、酢を小さじ1入れます。
2、1に切り分けたウドを入れ、10分ほど浸けて下処理完了です。
ウドを使ったおすすめレシピ
茎の皮、茎、穂先を使ったレシピ、3品の紹介です。それぞれに違う食感や風味を楽しんでみてください。
ウドのツナマヨサラダ
【材料】
・ウド… 1本
・ツナ缶… 1缶(小さめ)
・醤油… 少々
・マヨネーズ… 大さじ1
・コショウ… 少々
【作り方】
1、ウドは茎の部分の皮を厚めに剥いて短冊切りにし、10分ほど酢水に浸けてアク抜きしておきましょう。
2、アク抜きしたウドは、サッと水で洗い流します。
3、ボウルにウド、軽く油を切ったツナ、マヨネーズ、醤油を入れ混ぜ合わせます。
4、最後にコショウを入れ、混ぜたら完成です。
ウドと舞茸のガーリック醤油炒め
【材料】
・ウドの皮… 1本分
・舞茸… 1パック
・オリーブオイル… 大さじ1
・ニンニク… 1片
・鷹の爪(輪切り)… お好みで
・醤油… 適量
・ブラックペッパー… 適量
・塩
【作り方】
1、アク抜きをしたウドの皮は千切りに。舞茸は食べやすい大きさにカット。ニンニクはみじん切り、鷹の爪は輪切りしておきます。
2、フライパンにオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪を入れ、香りが出てきたら、ウドの皮を入れ炒めます。
3、2に舞茸を入れさらに炒め、火が通ったら、醤油と塩、ブラックペッパーで味を整えたら完成です。
ウドの天ぷら
【材料】
・ウドの穂先… 2~3本分
・天ぷら粉… 170g
・水… 100g
・薄力粉… 適量
・揚げ油… 適量
【作り方】
1、ウドは穂先をカットしてアク抜きをします。
2、ボウルに天ぷら粉、水を入れ、サクっと混ぜます。
3、ウドの穂先の薄力粉をまぶします
4、粉を打ったウドの穂先は、2にサッとくぐらせます。
5、鍋に油を入れ加熱します。
6、油だいたい180℃になったら、ウドを揚げていきます。
7、2分くらい揚げたら、網にあげて油を切って完成です。
天つゆで食べるのも美味しいですが、塩やレモンをかけて食べるのもおすすめです。
今が旬のウドは余すことなく美味しく食べよう
ウドは、生で食べることが可能です。また、皮も食べることもでき、捨てる部分がないほど。部分ごとの食感や味わいも違います。炒め物や揚げ物、サラダなどにして、春の味覚であるウドをいろいろ楽しんでみるのもいいですね。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)