意外と知らないビュッフェでの「マナー」。子どもと気を配りたい食べる順番、盛り付け方をマナー講師が解説

皆さんはビュッフェ形式のお食事は好きですか?ショッピングモールの中にも、ビュッフェ形式で食べ放題のレストランをよく見かけるようになりました。旅先の旅館でも朝夕ビュッフェ形式でお食事をいただくところを多く見かけます。
自分の好きなお料理を和食・洋食・中華・デザートに至るまで選ぶことができ、食べたいお料理を食べたいだけいただくことができるビュッフェはとても魅力的ですね。ゴールデンウイークの時期、子どもとビュッフェ形式のお料理をいただく機会に、気をつけたいマナーをおさえておきましょう。

ホテルや旅館でビュッフェ形式の食事の機会が多いGW

ビュッフェとは好きなお料理を好きな分量だけ取っていただくスタイルの呼び名です。ですから、ビュッフェと表記されているからといって全てが食べ放題ではないこともあります。お店によってはこのお皿に一回、ビュッフェ形式でサラダ取り放題です。(取りに行っていいのは一回だけ)というお店もありますので、確認してくださいね。

旅館やホテルでは、食べ放題であることがほとんどです。今回はホテルや旅館、お店で、食べ放題・飲み放題のビュッフェを子どもと利用するときに気を付けたいことをお伝えいたします。

食べる順番はあるの?

ビュッフェですから“最初にどのお料理を取って食べる”という正式な決まりはありません。例えば、ローストビーフが美味しいと評判のお店で“今日の目的はローストビーフを食べること”と、まずローストビーフを一番に食べると決める方はいらっしゃるかもしれません。

もしそのような特別な理由がなければ、前菜から始め、次にお魚やお肉のメイン料理、最後はデザートという流れでお料理をとりに行くことをおすすめします。お料理を作ってくださる方も、食事の流れを考えてメニューをつくってくださっていますし、お料理の並べ方も前菜からメインに流れるように配置されているところが多いです。

そうは言っても、うちの子どもはお皿をとったらすぐにメインのお料理を食べたいからと、お肉やお魚の料理を取りに行きたがりました。そんな時はまず一緒にお料理全体を見て声をかけました。

「お料理にはこの順番で食べるといいよ、という順番があって、大きく分けると3つに分かれるの。まずは前菜、次にメイン。最後がデザートだよ。今日のお料理だと、どんなふうに分かれていると思う? そうそう、この辺が前菜だね。ここはメインでお魚やお肉だね。デザートはあちらのコーナーだね。」

というようにお料理の分類を一緒に確認したあと

「最初の前菜から取りにいこう。どれにする?」

と一緒に選んでいきました。子どもに「なんで前菜からなの?」と聞かれたとき、私は「お腹(胃)の準備体操だよ」と答えていました。皆さんでしたらどのように伝えますか。

ビュッフェはコース料理の流れを教えてあげるいい機会

そしてもう一つ、順番に食べさせるようにした理由があります。それは、ビュッフェだからこそコース料理の流れを教えてあげることができると思ったからです。

ファミリーレストランにいく時には単品でハンバーグ、グラタン、お子様ランチと頼んでしまうため、なかなか前菜からの流れを伝えることはできません。さらに、家で前菜からメイン・デザートと毎食作るほど私は器用ではありません。そこで、全て揃っているビュッフェは、食の流れを伝えるチャンスだと思い、前菜・メイン・デザートの順番を伝えています。

ビュッフェは、食の流れを伝えるチャンス

子どもが小さいうちからコース料理を食べるわけではありませんが、いずれ大きくなってレストランでコース料理を食べに行く機会があるかも、結婚式に参加してコース料理をいただく機会がこの先あるかも・・しれませんよね。その時に“小さい時にもこの順番で食べていたな”と思い出してもらったらうれしいと思っています。

綺麗な盛り付け方のコツ

一回で沢山の種類を食べたい、という気持ちも分かります。しかしお互いのお料理に隙間を開けて乗せられるよう、子どもと一緒に挑戦してみましょう。今は長方形のお皿で一つずつ少量乗せられるようなお皿もありますが、そうでない時は余計に“少しずつ”を意識します。

子どもには「また食べ終わったら一緒に来ようね」と声をかけています。たくさんのせることよりも、そのお料理自体の味を美味しく食べられる状態であるか、に意識を向けるといいですね。

できれば冷たいもの、温かいものとお料理ごとに分けて取ることもおすすめします。お皿の温度にまで気を遣ってくださっているお店ならなおのこと、子どもたちに「お店の方がお皿も冷やしてくれている。ここには冷たいお料理だけ乗せよう」とお料理を選ぶのもいいですね。

家族で利用するときに気をつけたいこと

“自分たちだけが良ければいい”ではなく“全員が気持ちよく食事ができる状態にすること”を子どもと一緒に実践していきましょう。

サーバー・トング

お料理をいただく全員が使用するものです。お料理の中に置き忘れて熱くなって取れない、持ち手にお料理が付いてしまった、では次の方が使えなくなってしまいます。使用したら元の位置に綺麗な状態で戻すことができるようママ・パパが最後まで見届けましょう。

ドリンクバー

ボタン式の機械で入れる場合、子どもは押しやすいですが、コップに注ぐ量の調節が難しい場合もあります。慣れている子でも炭酸飲料の時は量の調整が難しく、周りに飲み物がこぼれることがあります。他にボタン式ではなく大きなピッチャーから注ぐときは両手で持つとグラスが見えづらく、重さもあり注ぐのが難しいこともあります。
大人が付いていれば安心ですが、一人で取りに行くときは“こぼした場合はどうするのか”を子どもが分かるように伝えてあげましょう。「この布巾で拭く」「あそこにいる店員さんを呼ぶ」など、対処がわかれば子ども自身も安心です。

デザートコーナー

ソフトクリームやチョコレートファウンテンが子どもには人気がありますね。特に子どもが自分でやりたがりませんか?せっかくの機会だし本人にやらせてあげたいですが、ここでも“綺麗に使う、汚れたら綺麗にする”ということを伝えましょう。トッピングで用意されることが多いコーンフレークやチョコスプレーは美味しく見た目も可愛いですが、散らばりやすいもの。“作って終わり”ではなく、次の人のことまで考えられているかを、一緒に確認しましょう。

楽しく、美味しく、思いやりの心も育てられる食事の時間となりますように。

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文・構成/赤名麻由子

赤名 麻由子

シニアマナーOJTインストラクター|キッズマナーインストラクター
一般社団法人マナーOJTインストラクター協会所属。資格取得後、保育園やカルチャーセンターにて子どもたちにマナーを伝える活動を行っている。二児の母

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