今回は0歳児の子どもを持つママからのお悩みをお届けします。生まれたばかりで、毎日がドキドキや不安でいっぱいの時期。どんなことに悩んでいるのでしょうか? さっそく見ていきましょう。
Q. 離れるとぐずぐずするので何もできません!
今ならできそう!と思って家事を始めると、途端にぐずぐずし始める息子。家事が思うように進まずにイライラしてしまうこともあります。(6ヶ月男の子のママ)
A. ぐずった時こそ生活の様子を見せてあげて!
赤ちゃんがぐずぐずすると、すぐに泣き止ませないと!と思い、焦ってしまう方が多いのではないでしょうか? その様子を赤ちゃんは察知したように、ぐずりが悪化するなんてこともありますよね。ぐずぐずした時は、焦らずにゆっくりとした口調で話しかけ、生活の様子を見せてあげるのがおすすめです。具体的なかかわり方を紹介しますね。
キッチンで料理をしていた時にぐずぐず
- 抱っこをしてキッチンに一緒に行き、
- 「今からキャベツを切るんだよ。これがキャベツ。今日はこれでスープを作るからね」
- 料理をしている横にハイローチェアなどで同じ空間で過ごせるようにする
洗濯物をたたんでいる時にぐずぐず
- 洗濯物をたたんでいる横に小さな布団を敷いて同じ空間で過ごせるようにする
- 「今、洗濯物をたたんでいたんだ。お洋服がきれいになって気持ちいいね」
家事と赤ちゃんを離して考えてしまうと、思うように生活が進まないことが苦痛に感じるので、一緒にやるというマインドに切り替えてみましょう。赤ちゃんは「キャベツ」という具体物を見ることができて、「これはキャベツっていうんだ」。キッチンに連れて行かれて「お料理するよ」と知ることができて、「ここはお料理をする場所なんだ」と、言語や環境の秩序を吸収しています。ぐずった時ほど、家事などの生活の様子を見せてあげると、子どもは楽しい時間を過ごすことができるのです。
Q. 赤ちゃん言葉は使わないほうがいいですか?
私の父が「ワンワンがいましゅね~」「どうちたの?」などと赤ちゃん言葉を使います。違和感があるのですが、子どもにとってはどうでしょうか?(7ヶ月女の子のママ)
A. 発語しやすいよう簡単な言葉を使うのはOK!
赤ちゃんがかわいくて、つい「でちゅね~」などと言いたくなってしまうことがありますよね。赤ちゃん言葉は、全部が全部NGということではありません。例えば、犬=ワンワンと赤ちゃんが発語しやすいように、短い言葉にするのはいいと思います。その時、下記のように正式な言葉も付け加えてあげるようにしましょう。
むこうからワンワンが来たね。犬がいたね。
ブーブがたくさんだね。車が走っているよ。
チャッチャが飲みたい?お茶を飲もうね。
現在はワンワンと言っていても、いずれはそれを犬と呼ぶことを教えていきますよね。なので、発語しやすい簡単な言葉(ワンワン)と正式な言葉(犬)をセットにして声かけをするのがおすすめです。
「でちゅね~」などの赤ちゃん言葉は、絶対に言ってはいけないというわけではありません。しかし、赤ちゃんは大人が言葉を発した時、口や舌の動きを目で見て観察し、耳で聞いて吸収しています。そのため、正しい言葉で話すのがおすすめです。それ以外に関しても、赤ちゃんは日々言語を吸収し、その子の言語が形作られていきます。普段からどんな言語に触れているかはとても重要なことです。
Q. もうすぐ出産! どんな環境を作ってあげればいい?
もう間もなく出産です。赤ちゃんのためにどんな環境を作ってあげればいいでしょうか?(妊娠10ヶ月ママ)
A. 4つのエリアを作ってあげましょう
肌着やおむつなどの赤ちゃんグッズは、何をそろえればいいかわかるけど、どんな環境にすればいいか分からないという声はよく聞きます。モンテッソーリでは4つの空間を用意することをおすすめしています。
①寝る場所
生まれてすぐのころは、授乳も頻回にあるため、お母さんと同じ部屋で寝る赤ちゃんが多いのではないでしょうか? 赤ちゃんが安心安全に寝ることができる空間を作ってあげましょう。ゆくゆく赤ちゃんが「この部屋に来たということは寝るんだな」と分かるようになってきます。
②食事(授乳)をする場所
赤ちゃんが安心できるというよりは、おっぱいやミルクを飲ませる大人がリラックスできる環境を作り、自宅で授乳をする時の定位置に。ソファにクッションを置き、足元にステップ台を置くなどして、無理のない姿勢で授乳ができるようにするといいですね。毎回違う場所で授乳をするのではなく、だいたい同じ場所になるように定めるのがおすすめです。
③お世話をする場所
着替えやおむつ替えなど、赤ちゃんのお世話をするスペースを確保。お世話をする大人が楽になるよう、おむつやおしりふき、着替えなどが近くにあるといいですね。部屋を用意しなくても、リビングの一角などでOK!
④活動する場所
ねんねの時期は自分の顔を見ることができる鏡を置いたり、モビールを吊るしたり。おすわりができるようになったら、手でにぎって遊べるおもちゃを用意したりしてあげましょう。大人とコミュニケーションをとることも大事ですが、月齢に合ったものを用意してあげることで、どんなに小さくても一人の時間を楽しむことができます。
0歳児赤ちゃんに関するお悩みは尽きない
数ヶ月前まではおなかにいた赤ちゃんが生まれて来て、日々を一緒に過ごす中で、不安に感じることや疑問に思うことは他にもたくさんありますよね。あきえ先生のvoicyでは、ママやパパたちからの様々ななお悩みがほぼ毎日紹介されています。あきえ先生の言葉が、今悩んでいるママやパパの助けになりますように♪
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記事監修
モンテッソーリ教師あきえ
幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままでよいのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。「子育てのためにモンテッソーリ教育を学べるオンラインスクール Montessori Parents」創設、オンラインコミュニティ”Park”主宰。2021年1月に初著書「モンテッソーリ教育が教えてくれた『信じる』子育て」(すばる舎)、2022年3月に「モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック」(宝島社)を出版。
あきえ先生主宰オンラインスクール「Montessori Parents」
取材/本間綾