「三者面談」と言っても、なぜ「三人面談」とは言わないのか?
子どもと保護者が先生と一緒に、子どもの進路やふだんの学校生活について話し合うことを「三者面談」と言います。子ども、保護者、先生の3人が集まるわけですから、「三人面談」「三名面談」と言ってもよさそうなものなのに、なぜ「三者面談」と言うのでしょうか?
「者」には、「当事者」という意味合いがある
これは、「者」という語に意味があるからです。
人の数を数えるとき、「人」や「名」を使いますが、「者」も限られたケースで使われることがあります。それは、そのような場合の「者」には当事者という意味合いがあるからです。
つまり、その事柄に直接関係している人ということです。「人」「名」は単に人の数を数えるときに使われるだけですので、当事者という意味合いはないのです。保護者と先生が子どもと一緒に学校生活や進路のことを相互に理解しあう場ですから、当事者という意味合いのある「三者」を使った、「三者面談」という言い方がふさわしいのです。
最近、パスワードや暗証番号の認証方式に関して、「二者間認証」「三者間認証」などという語が使われますが、この「者」も同じ意味、つまり当事者間でということです。「二者間認証」ですと、被認証者と認証者の二者間で認証が行われるわけです。
野球でも使われる「者」
この「者」は人に限りません。交通違反者に対する略式裁判を「三者即日処理」と言います。この場合の「三者」とは、警察・検察庁・裁判所のことです。
野球も「者」を使っています。「三者凡退」「三者残塁」のように。ただこの場合の「者」は打者、走者の略としてそれを数えるときに使っているのかもしれません。