「そうめん南瓜(かぼちゃ)」という南瓜があるのを知っていますか? 南瓜といえば、煮物などでお馴染みの、皮が緑色で中身がオレンジ色で甘くホクホクした南瓜をイメージする人がほとんどでは。
南瓜の品種は数多くあり、それを大きく分けると、「西洋南瓜」「日本南瓜」「ペポ南瓜」の3つの種類に分けることができます。
本記事で紹介する「そうめん南瓜」は、ズッキーニ など同じ「ペポ南瓜」の1種。加熱すると、そうめんのような繊維状になるんです。そんな不思議な南瓜、そうめん南瓜について一緒に詳しく見ていきましょう。
目次
そうめん南瓜(かぼちゃ)とは?
そうめん南瓜はウリ科のカボチャ属ペポ種。加熱すると、果肉が繊維状になっているのが特徴。茹でると繊維状の果肉がほぐれて糸のようになります。
形は長楕円形をしていて、その長さは20~30cmほど。果皮、果肉ともに鮮やかな黄色をしています。味はクセがなくほんのりと甘さがあって、シャキシャキとした食感が楽しい南瓜です。
そうめん南瓜の正式名は?
「そうめん南瓜」は、別名「そうめん瓜」ともいわれますが、実はこれらは愛称。正式名は「金糸瓜(きんしうり)」といいます。
ちなみに「そうめん南瓜」は英語では「spaghetti squash(スパゲッティ スクワッシュ)」。南瓜といえば「pumpkin(パンプキン)」じゃないの? と思いますが、「pumpkin」は、果皮がオレンジ色のもの。ハロウィンでくり抜いて飾るものなどをいい、食べないことが多いそう。日本などで多く食べられている緑の皮のものは「squash(スクワッシュ)」といいます。
そうめん南瓜の産地と旬の時期は?
そうめん南瓜は、岡山県牛窓町を代表とする夏野菜です。出荷時期は5~9月。7月に最盛期を迎えます。
そうめん南瓜に含まれる栄養素は
そうめん南瓜は西洋南瓜に比べて、水分が多く、脂質や糖質、タンパク質が少ないのが特徴です。カロリー値を見ていくと、西洋南瓜100gあたり91kcalであるのに対して、そうめん南瓜100gあたり24kcalとカロリー値は低め。またそうめん南瓜は、ビタミンCや葉酸、カリウムを多く含みます。
そうめん南瓜の食べ方は?
そうめん南瓜はあっさりとした味わいで様々な料理に合います。産地である岡山では、そうめんと同じように、そうめんつゆで食べたり、三杯酢で食べられているそう。また海外では、パスタのように、ソースをかけて食べられているようです。
そうめん南瓜の茹で方は?
そうめん南瓜は、加熱して食べます。どうやったら、そうめんのような糸状になるのか、そうめん南瓜の茹で方について見ていきましょう。
1、洗って輪切りにする
そうめん南瓜は水でよく洗い、まず両端のヘタをカット。そして3~4cmの厚さになるように輪切りにします。皮が硬いので十分に注意してください。
2、種とワタをとる
輪切りにしたかそうめん南瓜は、中心にある種とワタをスプーンで取りのぞきます。
3、茹でる
鍋で湯を沸かし、中火で10分ほど、そうめん南瓜を茹でていきます。10分ほど経ったら、一度竹串で火が通っているかチェックしましょう。果肉がほぐれたら、OK。茹でる際のポイントは、茹ですぎないことです。茹ですぎると、そうめん南瓜のシャキシャキとした食感がなくなってしまいます。
4、そうめん南瓜をほぐす
ボウルに水を入れ、そこに茹で上がったそうめん南瓜を入れ、水の中で果肉をほぐします。指で簡単にほぐれますよ。
5、ザルに上げて水をきる
ほぐれたそうめん南瓜は、ザルに上げて水気を切ったら、もう食べられる状態です。
そうめん南瓜は電子レンジで加熱もO K
夏の暑い時期はなるべく火を使いたくないですよね。そんなときは電子レンジでも茹でることができます。下ごしらえは、輪切りにして種とワタを取りのぞくところまで、上記と同じです。
1、耐熱容器に入れる
輪切りにして、種とワタを取りのぞいたそうめん南瓜は、耐熱容器に入れてラップをかけます。
2、電子レンジで加熱
電子レンジに入れ、500wで6分30秒、加熱します。
3、ほぐす
加熱したそうめん南瓜は粗熱がとれたら、果肉をほぐして完成です。
そうめん南瓜の保存方法は?
そうめん南瓜は保存性に優れた野菜です。まだ切っていないものは、常温保存も可能です。また使いかけのものは、冷蔵保存または冷凍保存することができます。保存方法をチェックしていきましょう。
常温保存方法
丸ごと新聞紙で包んで、風通しの良い冷暗所で保存します。2~数か月間の保存が可能です。
冷蔵保存方法
カットしたそうめん南瓜は、ラップで包み、さらに保存袋に入れて冷蔵保存がおすすめです。約2~3日間保存することができます。
冷凍保存方法
そうめん南瓜を冷凍保存する際は茹でて、ほぐしてから使いやすい量に分け、ラップで包み、フリーザーバッグに入れて保存します。保存期間は、約1か月間です。
解凍方法は冷蔵庫に移して解凍するか、流水解凍がおすすめ。加熱調理に使う場合は、凍ったままま使うこともできます。
そうめん南瓜のおすすめレシピ
そうめん南瓜は淡白な味わいであるため、いろんな料理に合います。そうめん南瓜を使ったおすすめレシピの紹介です。
そうめん南瓜ツナマヨサラダ
【材料】
・そうめん南瓜… 1/2個
・ツナ缶… 1缶
・マヨネーズ… 大さじ2~3
・めんつゆ… 小さじ1/2
・ブラックペッパー… 少々
【作り方】
1、そうめん南瓜は茹でて、果肉をほぐしておきます。
2、ボウルに1、ツナ缶、マヨネーズ、めんつゆを入れて混ぜます。
3、最後にブラックペッパーで味を整えて完成です。
そうめん南瓜のペペロンチーノ風
【材料】
・そうめん南瓜… 1/2個
・ニンニク… 1片
・オリーブオイル… 大さじ1
・鷹の爪(お好みで)… 1本
・塩… 少々
・ブラックペッパー… 少々
【作り方】
1、そうめん南瓜は茹でて、果肉をほぐしておきます。
2、鷹の爪は種をのぞいて輪切りに。ニンニクはみじん切りにしておくか、潰しておきましょう。
3、フライパンにオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪を入れ、香りが立つまで加熱します。
4、3にそうめん南瓜を入れ、炒めます。
5、オリーブオイルが全体に馴染んだら、最後に塩、ブラックペッパーで味を整え完成です。
不思議な南瓜、そうめん南瓜を食べてみよう
加熱するとそうめんのような糸状になる不思議な、そうめん南瓜。シャキシャキとした食感が面白く、淡白な味わいはいろんな料理にも合います。
岡山では、めんつゆで本当にそうめんのように食べることが多いそうです。もし手に入ったら、ぜひ試してみてください。そうめんのようにめんつゆで食べてもいいですし、パスタのようにソースと絡めて食べても美味しいですよ。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)