おすすめの定番絵本【0~2歳児】
『いない いない ばあ』や『くっついた』など、0~2歳向けのおすすめ定番絵本をご紹介します。
【1】『いない いない ばあ』
文:松谷みよ子 絵:瀬川康男 童心社
◆こんな本
「にゃあにゃが いないいない ばあ」「くまちゃんが いないいない ばあ」。このシンプルなくり返しがたまらなく楽しい、超ロングセラー。この絵本を初めて読むときは、まず遊びましょう。乳児さんはその楽しさを経験しないまま、いきなり絵本で遊びを楽しむことはできません。たっぷり遊び、その延長で読み聞かせましょう。くり返し何回でも楽しめる1冊です。
◆対象年齢
0歳~
◆ママパパの口コミ
『0・1・2歳児の保育』2014年春号
【2】『くっついた』
作・絵:三浦太郎 こぐま社
◆こんな本
読み聞かせというより、歌うように読み、遊びましょう。「くっついた」はことさらに語尾を強調せず、シンプルに読みます。子どもたちが「たぁ」「たぁ」と語尾を重ねて声に出してきたりもします。「くっついた」は、頬を両手で優しく包むしぐさをしてもいいですね
◆対象年齢
0歳~
◆ママパパの口コミ
『0・1・2歳児の保育』2016年夏号
【3】『だるまさんが』
作・絵:かがくい ひろし ブロンズ新社
◆こんな本
発売から11年。0歳から読めるファーストブックとして定番の感がある「だるまさんシリーズ」第1弾が「だるまさんが」。赤ちゃんが声をあげて笑うと評判になりました。だるまさんになって体を動かしたり、オノマトペを変えたり、さまざまに遊べます。「だ・る・ま・さ・ん・が」と、リズミカルに読み、十分に間をとってから次へ。「どてっ」で子どもは大喜び。間を十分取ることで次への期待感で絵本に集中します。
◆対象年齢
0歳、1歳、2歳
◆ママパパの口コミ
『0・1・2歳児の保育』2016年夏号
【4】『とこちゃんはどこ』
松岡享子/作 加古里子/絵 福音館書店
◆こんな本
「 ウォーリーみたい」と、子どもたちにいわれますが、こちらが先で50年超えの「みつけ絵本」のロングセラーです。特にデパートの場面は大人気。とこちゃんを見つけても、「もう少し」と飽きることなく眺めています。
◆対象年齢
1歳~
◆ママパパの口コミ
『0・1・2歳児の保育』2018年冬号
【5】『おつきさま なにみてる』
なかじまかおり/作・絵 岩崎書店
◆こんな本
「おつきさま」という言葉の美しさ、やさしさが伝わるような絵本です。神秘的に描かれることの多い「月」ですが、この絵本に描かれているおつきさまは、お母さんのような温かさ、友達のような親しみやすさに満ちています。
◆対象年齢
0歳~
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2014年8・9月号
【6】『にこにこ かぼちゃ』
安野光雅/作・絵 童話屋
◆こんな本
「笑顔」のシートと「悲しい顔」のシートを使って遊ぶ、しかけ絵本です。やさしい色で描かれた46種類の果物や野菜などに、顔がついた付属のしおり(透明シート)をのせて楽しみます。野菜、果物、木の実、豆……食べ物の絵とその名前だけが並んだ絵本で、小さな子でも楽しめます。25年を超すロングセラー本。
◆対象年齢
1歳~
『新幼児と保育』2014年10・11月号
【7】『コッコさんのともだち』
片山健/作・絵 福音館書店
◆こんな本
人気シリーズ「コッコさん」の5冊目で、1984(昭和59)年から読み継がれている、ロングセラーの絵本です。最後の「ひとりじゃない ひとりじゃない。」は、読みにくいかもしれませんが、おまじないのように読むと落ち着きます。新年度の、新しい友達が増えるときにもいいですね。
◆対象年齢
3歳~
『新幼児と保育』2017年2・3月号
おすすめの定番絵本【3~5歳児】
『とんぼのうんどうかい』や『まほうのコップ』など、3~5歳向けのおすすめ定番絵本をご紹介します。
【1】『とんぼのうんどうかい』
かこさとし/作・絵 偕成社
◆こんな本
うんどうかいの日、帰宅するトンボの子たちを、こうもりのギャングが襲います。とんぼの子たちは、知恵と、うんどうかいで培った技で反撃に出ます! 懐かしい!と思われる方も多いことでしょう。1972年から読み継がれた超ロングセラー。子どもたちが喜ぶものは、今も昔も同じと実感します。
◆対象年齢
3歳~
『新幼児と保育』2014年8・9月号
【2】『ともだちいっぱい』
新沢としひこ/作 大島妙子/絵 ひかりのくに
◆こんな本
大好きなブイブイの絵本を見ていたみちるに、さとるが「ぼくにも見せて」。「だめー! ブイブイはわたしの友達だから」とみちるにさとるは対抗して……。「ともだちの ともだちは ともだち!」が、おまじないのようなキーワードで展開。入園・進級の時期、「お友達できるかな……」と不安な子に。
◆対象年齢
4歳~
◆ママパパの口コミ
『edu』2015年5・6月号
【3】『まほうのコップ』
長谷川摂子/文 藤田千枝/原案 川島敏生 /写真 福音館書店
◆こんな本
普通のコップが、水を注いだだけで「まほうのコップ」に早変わり。きのこがガマガエルに、急須がサイの頭に……? 親子で実験したくなる写真絵本。良質な科学絵本は、子どもに「やってみたい。見てみたい。もっと知りたい」と思わせる力があるので、ママは淡々と読むだけでOK。読後は凹凸のあるペットボトルなどに水を入れ、いろいろなものを見る実験が盛り上がりますよ。
◆対象年齢
4歳~
『edu』2015年5・6月号
【4】『よるのえんてい』
佐々木 洋/文 上條滝子/絵 講談社
◆こんな本
みんなが帰った後の園庭。しーんと静かで誰もいません。いや、カナブン、コウモリ、ヤモリ、ネコ……。夜の園庭は、実は静かで、にぎやかでした。夜の園は、子どもたちの大きな関心事。そこにはダンゴムシからタヌキまで、さまざまな生き物の営みが見開きに描かれています。巻末には解説もあり、子どもの「知りたい」気持ちに応えてくれる内容になっています。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳~
『edu』2015年5・6月号
【5】『ノンタン ぶらんこのせて』
キヨノサチコ/作・絵 偕成社
◆こんな本
『ノンタンあそぼうよ』シリーズの第1弾。ぶらんこを独り占めするノンタン。お友達と代わろうとしません。この本で我が子が順番を守ることを学んだというママたちの声多し。ノンタンが生まれた1970年代はじめ、絵本の主人公の多くは依然として、〈大人の望む子ども像〉が求められていました。そんな中、ノンタンはお友達にブランコを譲らず、おねしょも、散らかしっぱなし放題。何でも楽しくやってのけます。そんなノンタンを、大人たちは〈悪い子〉としましたが、子どもにとってはどうでしょう? そう、本当はブランコは譲りたくないし、おねしょも、散らかしっぱなしも、「ぱっぱらぱなし」でいたい。ノンタンは子どもたちの本音に支持され、読み継がれてロングセラーとなり、シリーズ累計ミリオンセラーの絵本となりました。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳、6歳
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2017年8・9月号
【6】『ぐりとぐらのえんそく』
中川李枝子/作 山脇百合子/絵 福音館書店
◆こんな本
野原に遠足に出かけたぐりとぐら、おべんとうの時間が待ち遠しくてしかたありません。ふと、長く伸びる毛糸を見つけたふたりは、時間も忘れ、その毛糸をたどっていきます。『ぐりとぐら』は何回も読んでいるけれど、この作品は初めて、という方も多いかもしれません。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2014年10・11月号
【7】『きょうのごはん』
加藤休ミ/作 偕成社
◆こんな本
なんてリアルな食事の絵本。「今日のごはんは何?」絵を見るだけでおなかがすきます。一匹のネコの目を通して描かれる、ある日の夕ごはんどきの風景。見開きいっぱいに描かれた焼きサンマやコロッケ、オムレツ。何度も見返したくなる新定番の1冊。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳~
『edu』2015年5・6月号
【8】『ゆきがふったら』
レベッカ・ボンド/作 さくま ゆみこ/訳 偕成社
◆こんな本
雪が降り積もった日、子どもたちは大喜びで「ゆきのやま」を作ります。トンネル作って、地下室作って、雪だんごやきれいな模様で飾って……。雪の日に子どもがしてみたいこと、すべてが描かれている、雪の日が待ち遠しくなる絵本。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳~
『edu』2015年5・6月号
【9】『ふゆのおばけ』
せな けいこ/作・絵 金の星社
◆こんな本
寒い日も、外で元気に遊びたくなります。落書きしたおばけが抜け出して、おばけの国に連れていってくれます。雪女や河童も呼んで、みんなで雪合戦! おばけが登場するけれど、明るいお話です。せなけいこさんの作品なら、年齢に関係なくおばけを楽しめます。怖い思いをしたいのではなく、怖い思いを楽しみたい。そんな子どもの思いに応えてくれる本。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳~
◆ママパパの口コミ
『edu』2015年5・6月号
【10】『てぶくろがいっぱい』
フローレンス・スロボドキン/文 ルイス・スロボドキン/絵 三原 泉/訳 偕成社
◆こんな本
てぶくろを片方なくしてしまったドニー。それを知った近所の人から、次々にてぶくろが集まりました。そこでドニーが思いついた「いいこと」とは?絵本の装丁にはなってはいますが、幼年童話に近い作品です。落ち着いてお話が聞けるタイミングで読んでください。子どもはまとまったお話を聞き通すことで、本に対する興味も深まります。
◆対象年齢
4歳~
『edu』2015年5・6月号
【11】『あやちゃんのうまれたひ』
浜田桂子/作・絵 福音館書店
◆こんな本
「うまれたときね、ちっちゃかった?」「ね、ママ、かわいかった?」 6歳の誕生日を前に、あやちゃんはお母さんにお話ししてもらいました。予定日を過ぎてもなかなか生まれてこなかったこと、おじいちゃん、おばあちゃん、パパ、家族みんなでその日を待っていたこと、誕生をみんながどんなに喜んだか! が、ママのやさしい言葉であやちゃんに伝えられます。
◆対象年齢
5歳~
◆ママパパの口コミ
『edu』2015年9・10月号
おすすめの定番絵本【小学校低学年】
『かさじぞう』や『ブレーメンのおんがくたい』など、小学校低学年向けのおすすめの定番絵本をご紹介します。
【1】『かさじぞう』
瀬田貞二/再話 福音館書店
◆こんな本
日本の最も美しい昔話絵本の1冊。墨絵で描かれた雪の質感が印象的。
5歳~
◆ママパパの口コミ
『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』
【2】『かちかち山』
広松由希子/文 岩崎書店
◆こんな本
日本五大昔話のひとつである『かちかち山』を正しく伝えた絵本です。でも、「死」を扱っているので、一読し、ママ自身が納得できなければ、「読まない」選択もあるのです。大切なことは読み手がその絵本に共感できることに尽きるのです。
◆対象年齢
5歳~
◆ママパパの口コミ
『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』
【3】『ブレーメンのおんがくたい』
瀬田貞二/訳 福音館書店
◆こんな本
デザイナー・版画家としての顔も持つハンス・フィッシャーの描いたグリム童話の絵本。フィッシャーは、どの作品も自分の子どもたちに描いたと言われており、子どもたちへの愛情が伝わる見事な作品に仕上がっています。気になるストーリーは、人間に捨てられたロバと犬と猫とおんどりがブレーメンの町の音楽隊に入ろうとするところから始まる、ゆかいな童話です。
◆対象年齢
5歳~
◆ママパパの口コミ
『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』
【4】『しずかに! ここは どうぶつの としょかんです』
ドン・フリーマン/作 なかがわちひろ/訳 B L 出版
◆こんな本
1969年に米国で初版が出版されたクラシックで楽しい作品です。図書館が大好きなカリーナは、動物がたくさん出てくる本を読んでいたとき、ふと思います。「どうぶつたちも ほんを よみたいかもしれないな」。カリーナは、自分が図書館員だったら動物が図書館に入れる特別な日を作り、入り口にはこんな幕をかけ…と思いを巡らしました。すると、図書館は動物でいっぱいに! 読み終えたら動物の図書館を開きたくなります。
◆対象年齢
5歳、6歳
『新幼児と保育』2017年10・11月号
【5】『せんたくかあちゃん 』
さとう わきこ/作 福音館書店
◆こんな本
元気な子どもたちに負けない、パワーのある絵本です。水が気持ちよくなる初夏や梅雨の晴れ間にどうぞ。
◆対象年齢
4歳~
◆ママパパの口コミ
『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』
【6】『ねずみのすもう』
神沢利子/作 偕成社
◆こんな本
子どもに親しみやすい内容のため、アニメ絵本もあるようです。でも、やはりよい絵本で読んであげたい。
◆対象年齢
4歳~
◆ママパパの口コミ
『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』
【7】『どこまでゆくの?』
五味太郎/作 福音館書店
◆こんな本
「おでかけします いってきまーす/いってらっしゃーい どこゆくの?/どこまでも ゆくの ずっととおくまで/きをつけて/きをつけまーす」。家族とこんな会話をしたら、さあ、出発。あとは最後のページにたどり着くまで文字はありません。あるのはどんどん進める道とシンプルな街並み。たどってたどって、さあ、どこに行き着くのでしょう? 何回でも楽しめます。
◆対象年齢
4歳~
『新幼児と保育』2018年4・5月号
【8】『おさるのジョージ ハロウィーン・パーティーにいく』
M.&H.A.レイ/原作 福本友美子/訳 マーサ・ウェストン/画 岩波書店
◆こんな本
かわいいこざるのジョージは、とても知りたがり屋。なかよしの《きいろぼうしのおじさん》と一緒に、友達のグレイさんのうちのパーティーに出かけます。大好きなパーティー、グレイさんに会えると喜んでいたら、なんと魔女が玄関に。驚いたジョージですが、「今夜は仮装パーティー」と聞いて、自分も仮装してみたくなりました。いろいろ試したジョージ、ハプニングで大わらわ!おさるのジョージは子どもたちの分身のように、おおよそ、子どものやってみたいと思う、すべてのことをやってくれます。そして、それを見守る《きいろいぼうしのおじさん》や《おともだちのグレイさん》ら大人の温かいまなざしの見守りや、寄り添いが、ジョージを安心してあそばせてくれるのです。
◆対象年齢
4歳、5歳、6歳
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2015年10・11月号
【9】『日本昔ばなし 三まいのおふだ』
おざわとしお/再話 かないだえつこ/絵 くもん出版
◆こんな本
かないだえつこさんの美しい版画による『三まいのおふだ』です。5歳児さんに読み聞かせたところ、山姥(やまうば)が小僧さんを追いかけるシーンの息をのむ怖さより、便所の扉のユーモラスさのほうが印象深かったようで、絶大な支持を得ました。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳、6歳
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2016年6・7月号
教えてくれたのは
JPIC読書アドバイザー 台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活躍。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。