「3びきのこぶた」ってどんな話か覚えてる? 原作はけっこう残酷… あらすじ・教訓などの背景を解説

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きっと誰もが一度はきいたことのある『3びきのこぶた』のお話。どこの国で生まれ、原作はどのようなお話なのかご存じですか? 今回は、そんな『3びきのこぶた』についてをご紹介します。

「3びきのこぶた」ってどんなお話?

まずは、『3びきのこぶた』の基本情報や、作者についてを押さえておきましょう。

イギリス昔話「3びきのこぶた」とは

『3びきのこぶた』は、民間伝承として古くから伝わるイギリスの代表的なおとぎ話のひとつです。

1843年にイギリスのシェイクスピア学者だったジェイムズ・オーチャード・ハリウェル=フィリップスによる『Nursery Rhymes and Nursery Tales(童謡と童話)』 に収録されたことがきっかけで、19世紀後半に広まったと考えられています。

ディズニー映画でさらに有名に

1933年、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオによって製作された、短編アニメーション映画作品シリーズ『シリー・シンフォニー』の第36作目として、本作を題材にした『三匹の子ぶた』が映像化されました。

さらに、この映画『三匹の子ぶた』は1934年のアカデミー賞短編アニメ賞を受賞。2007年には「文化的、歴史的、美術的に重要な作品」として、アメリカ議会図書館によるアメリカ国立フィルム登録簿に収録され、『3びきのこぶた』を世界に広める大きな要因となりました。

原作のあらすじと読み取れる教訓

ここからは、さっそく本作のあらすじや教訓を見てみましょう。

あらすじ

あるところに、3匹の子ぶたの兄弟が住んでいました。しかしながら、長男はなまけもので、次男は面倒くさがり屋、さらに三男は臆病者。あるとき、お母さんぶたは貧しさの余り、3匹の子ぶたたちを育てきれなくなりました。3匹はお母さんぶたの元を離れて、それぞれ家を建てて暮らさなければなりません。

家を建てる子ぶたたち

そこで、なまけものの長男はわらで、面倒くさがり屋の次男は木で、臆病者の三男の子ブタは丈夫なレンガで家を作ります。軽いわらの家は1番目に完成し、木の家は2番目に、そして、重くたくさん積み上げなければならないレンガの家は、最後にようやく完成しました。

狼の襲来

それぞれの家が完成すると、そこにお腹をすかせた狼がやってきました。
狼がまず訪れたのは、長男のわらの家。わらは軽いので、狼が息を吹きつけると吹き飛んでしまいます。こうして、長男は狼に食べられてしまいました。
次に狼は、次男の木の家へと向かいます。そして、またしても狼は家へと息を吹きつけました。木の家は壊れて吹き飛んでしまい、次男も狼に食べられてしまいました。

狼をやっつける三男

最後に狼は、三男のレンガの家へと辿り着きます。狼は再び家に息を吹きつけましたが、レンガの家は丈夫なので一向に動じません。吹き飛ばすことを諦めた狼は、三男をおびきだそうと試みますが、どれも失敗。
痺れを切らした狼は、ついに煙突から家へと突入することにしました。そのことに気がついた三男は、暖炉に大きな鍋を置きます。すると、煙突から飛び降りてきた狼が、ぐらぐらと煮立った鍋の中に落下。茹でられた狼は、三男の夕ご飯のおかずになりました。

教訓

家づくりの際に怠けてわらを使った長男や、面倒くさがって木を使った次男は狼に食べられて死んでしまいました。しかしながら、臆病であることでむしろ用心深く地道な努力を惜しまなかった三男は、家を破壊されずに済んでいます。さらに、最後には一歩を踏み出して、狼を退治することに成功。

そんな本作の教訓としては、地道な努力を惜しまないことや、勇気を出すことの大切さが読み取れるのではないでしょうか。

登場人物

お母さんぶた:3匹の子ぶたのお母さん。3人を育てきれなくなり自活させる。

長男

怠け者の子ぶた。わらで家を作る。

次男

面倒くさがりの子ぶた。木で家を作る。

三男

臆病者の子ぶた。レンガで家を作る。

お腹を空かせた狼。子ブタたちを食べようとする。

原作は残酷!本当の話と一般的に知られる話の違いは?

今回あらすじとしてご紹介したのは、『3びきのこぶた』の原作に則ったものです。絵本やアニメで一般的に知られるものでは、長男や次男も三男のレンガの家に避難したり、狼もやけどを負って逃げていったりするものが多いのではないでしょうか。

しかしながら、実際の原作では、長男や次男は狼に食べられて死んでしまい、狼は三男に茹でられて食べられてしまうのです。原作と一般的に知られるものには、このような残酷な描写の有無というギャップがあります。

「3びきのこぶた」のおすすめ絵本

原作はちょっぴり残酷ではありますが、絵本版ではお子さん向けにマイルドな脚色がされています。最後に、お子さんへの読み聞かせにおすすめな『3びきのこぶた』の絵本をご紹介します。

三びきの子ぶた (よい子とママのアニメ絵本 13 せかいめいさくシリーズ)

はじめての読み聞かせにおすすめな「よい子とママのアニメ絵本」シリーズの『3びきのこぶた』。フルカラーのイラストに加えて分かりやすい言葉で書かれています。コンパクトなサイズで持ち運びにも便利な点が、ママパパたちから重宝される理由のひとつ。

3びきのこぶた ディズニーゴールド絵本(講談社)

ディズニーの名作映画『三匹のこぶた』の絵本の復刊版です。映画のほか、東京ディズニーランドでのグリーティングや、グッズなどでも人気のキャラクターが活躍するので、ディズニー好きのお子さんにおすすめです。kindle版が展開されており、お持ちのタブレット等で楽しむことができます。

さんびきのこぶた (LLブック)

日本語が得意ではない方や、知的障がいのある方、さらには一般的な情報提供では理解が難しい方にとっても読みやすいように作られた「LLブック」シリーズの『3びきのこぶた』。
文字を読むことが苦手な子でも楽しめるように、漢字や難しい言葉を使わず、開いたページで一つの文が終わり、さらには文の下に絵文字が付くなど、さまざまな工夫が凝らされています。

お子さんへの読み聞かせは、マイルドに脚色された子ども向けの絵本がおすすめ

今回はイギリスの民話として生まれ、ディズニー映画化をきっかけに世界中から親しまれている『3びきのこぶた』のあらすじや、おすすめの書籍等を中心にご紹介してきました。

一般的に知られているものと原作では大きな違いがあったりと、そのギャップに驚いた方も多いかもしれませんね。お子さんに読み聞かせる場合は、まずはマイルドに脚色された子ども向けの絵本から手に取ってみましょう。

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文・構成/羽吹理美

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