学校に行きたくないと言い出した小2の息子。これが続いて不登校になったらと思うと不安です
学校へ行きたくないと大泣きして休んだ小学2年の息子。学校へ行きたくない理由は、お友達に意地悪を言われるとか、給食が食べきれないとか、頭が痛くなるとか……怖いとも言います。優しい子ですが、新しいことに慣れるのに時間がかかる内弁慶で、新学期は涙することも少なくありません。明日は私も学校まで一緒に行く約束をしましたが、それ以降も「行きたくない」が続いたらどうしたらいいでしょう。何日も休ませたら不登校になってしまうのでは。
学校に行けるか行けないかよりも、子どもの心が健康かどうかに気を配って
まず、はじめに。不登校になるかどうかは今心配することではありません。今はお子さんの不安や緊張に共感し、原因があるのかどうか、どの程度の心の負担なのかを察することが最優先です。
大泣きするとのことですが、食欲はありますか? 学校から帰宅したときの顔つきはどうでしょう? 笑顔は見られますか? チック症状(まばたきが頻繁だったり、首をしきりに振ったりなど)が出たり、手を洗うことが頻繁になったり、おねしょがあったり、身体的変化がありますか?添い寝をして欲しがったり、お腹に抱きついたり、手を繋いで寝たがったりベタベタしますか?
心が不安なときにこんなサインがでます。ことさら変化がないようなら、時間とともに学校へも慣れていくと思います。都合がいいときは登校に付き合う、でいいと思います。
明らかに以前と身体的変化があるようでしたら、先生にも相談して、保健室登校などしながら、原因を探していきましょう。漠然と学校の雰囲気に威圧感を感じていることもありえます。
子どもの身体的サインが徐々に薄れていくなら大丈夫。疲れたら休む、を大原則にして
友達関係や席順が心身にこたえている場合や、何か失敗したことが原因の場合もあるし、家庭に事情があることも考えられます。いずれもはっきり〝これ〟と原因がわかることはめったにありませんが、子どもの身体的サインが徐々に薄れていくようなら大丈夫でしょう。
様子を見て、身体的なサインが重くなっていくようなら、休憩が必要なとき。疲れたら休むのが大原則。学校へ行けるか行けないかより、子どもの心が健康かどうか、です。
子どもが行きたくない理由をいろいろ言うのは、本人もよくわからないから。本人さえわからないのだから、親だってわからないのは当たり前。こういうときこそ、我が子をじっくり観察し、向き合う休憩時間が必要です。しっかり休んで自分を取り戻すことが大切です。人には努力で克服できるものと、そうでないものがあります。
お母さんの気がかりは、不登校になってしまうのでは、ということ。これまで、学校へ行けない時期があった子をたくさん見てきていますが、不登校で自分の人生まで放棄してしまった子はひとりもいません。受け止めて守ってあげる大人と、心が落ち着ける場所があれば大丈夫。長い子では6年もの間学校へ行けない子もいました。フリースペースを見つけてサポートを受け、それから夜間の高校を卒業し、今は社会人として立派に働いています。自分と向き合うことで機が熟し、めざす方向を自分で見つけた子は、本当に強くなりました。
もし不登校になったとしても、今は昔と時代が違って、多様な学習方法があります。親も価値観を広げて、子どもにも多様な生き方があると伝えましょう。
記事監修
保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。
イラスト/海谷泰水