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運動をするお子さんは、必要エネルギー量を食事で補う必要あり
1日に必要なエネルギー量は、「身体活動レベル」によって異なります。身体活動レベルとは、日常的にどれだけ体を動かしているかを3区分にして数値化したもの。
スポーツ系の部活や習い事をしている子は、「高い(Ⅲ)」に分類。日常生活で運動をしない子(体育の授業など軽いスポーツは除く)は、「普通(Ⅱ)」。ほぼ生活の大部分が座位中心の子は、「低い(Ⅰ)」として表します。
必要なエネルギー量は、高い子ども(Ⅲ)と、普通の子ども(Ⅱ)と比べてみても最大で200~300kcalの差に。ハードな運動をするお子さんは、その分を食事で補う必要があります。
肉・魚を交互に食べよう
スポーツをするために必要な栄養素は、何だと思いますか? たんぱく質も重要ですが、まずはエネルギー源となる炭水化物などの糖質をしっかり摂ることがポイントです。そのうえで、筋肉の修復に必要なたんぱく質を補うこと。
同時に、たんぱく質の摂取量が増えると、その代謝を助けるビタミンB6も必要です。ビタミンB6が多い食材は、肉では鶏肉、魚はまぐろやカツオに多いため、肉と魚を交互に食卓へ登場させるといいですね。
BCAA(必須アミノ酸)を味方につけよう
スポーツ選手が注目している「BCAA」というワードを聞いたことはありますか? BCAA(分岐鎖アミノ酸)は、バリン・ロイシン・イソロイシンの略で必須アミノ酸の仲間です。
たんぱく質は、20種類のアミノ酸で構成されていますが、必須アミノ酸は9種類のみ。必須アミノ酸は、体内ではつくることができないため、食事として摂取する必要があります。
中でも、BCAAは筋肉のエネルギー代謝に関わる必須アミノ酸として話題に。BCAAは、まぐろ、カツオ、鮭、サンマなどの魚に多く、鶏肉(特にむね肉)や牛肉、卵、大豆製品、チーズにも多く含まれています。
鶏むね肉のピカタと野菜サラダ
お肉の中で一番、BCAAをたくさん含む鶏むね肉を使用。卵と粉チーズを合わせて衣を作れば小麦粉不使用。子どもが大好きな「ピカタ」が手軽に作れます。鶏むね肉はビタミンB6も多く、疲労回復効果も高い良質なたんぱく質です。
また、運動をすると汗でミネラルが失われやすいため、野菜や海藻などを上手に組み込むと栄養バランスのいい献立になります。
材料(2人分)
鶏むね肉…1枚
塩、こしょう…各少々
卵…1個
粉チーズ…大さじ2
牛乳または豆乳(なくても可)…小さじ1
粉末バジル(お好みで)…少々
オリーブオイル…大さじ1
付け合わせのサラダ(好みの生野菜、海藻を加えても◎)…適量
作り方
1.鶏むね肉は、縦半分に切り落として厚みを薄くする。
2.①の肉をそぎ切りにし、両面に塩とこしょうを振って下味をつけておく。
3.ボウルに卵と粉チーズ、牛乳を入れて混ぜ合わせ、ピカタの衣を作る(もしあれば、粉末のバジル少々などハーブ類を加えると風味が増します)。
4.②の肉に③の衣をよくからめたら、フライパンに油をひき焼き色がつくまで両面を焼く。器に盛り、生野菜を添えて一緒にいただく。
運動の前後30分に、炭水化物を摂取するのがポイント
スポーツをする30分前までに、すばやく体内のエネルギー源になる糖質(炭水化物)を摂取すると持久力を維持できると言われています。また、運動後の30分間は、筋肉を増強するゴールデンタイムと言われているため、運動前後の30分に糖質摂取を意識することでパフォーマンスの向上に。
糖質を効率よく摂取するには、おにぎりが手軽です。具には、BCAAの多い鮭と、ミネラル補給にわかめを加えましょう。わかめを入れるのが面倒な方は、おにぎりに海苔を巻くだけでもOK! お子さんには、すぐに食べられる小サイズのおにぎりをスポーツ時に持参させるといいですね。
鮭とわかめのおにぎり
材料(小サイズ:3~4個分)
炊いたご飯…ご飯茶碗(小)2杯
焼き鮭(市販の鮭フレーク可)…1尾 ※塩鮭を焼いた場合は、皮と骨を除いてほぐす。
米酢(好みの酢)…大さじ1 ※酢が苦手な場合は入れなくてよい。
A:乾燥ワカメ(水で戻しておく)、すりごま(白)…各適量
B:焼き海苔…個数分
作り方
1.炊いたご飯に、米酢を入れて軽く混ぜる(少量の酢を入れることで傷みにくくする効果も)。
2.ボウルに炊いたご飯と、ほぐした焼き鮭、Aを加えて軽く混ぜ合わせて握る。Bの海苔バージョンは、焼き鮭のみ加えて同様に握って海苔を巻きましょう。
栄養補給にバナナがあると安心です
運動前後30分が大事だと分かっていても、そのタイミングで食べることが難しいお子さんもいます。その場合は、糖質も多くビタミンB6やカリウムなどを含むバナナが便利です。バナナは柔らかく消化が早いので、スムーズにエネルギーへ転換してくれます(アスリート選手などもよく食べているのを見かけますよね)。
同時に、疲労回復効果を高めてくれるビタミンCを摂取するとベスト。ビタミンCは、腱や靭帯などの再生を助けるコラーゲン合成が期待できます。さらに鉄吸収促進やストレスを和らげる働きなどで知られていますので、運動をするお子さんには意識的に摂取させましょう。
バナナや100%のフルーツジュースは、持ち運びもしやすいです。最近では、100円ショップなどでバナナ型のケースが販売されています。バナナが崩れるのが心配な方は、ケースに入れて持たせると安心です。
グレープフルーツジュースはオレンジシュースよりビタミンCが多い
ビタミンCの話をしましたが、グレープフルーツジュース(果実飲料ストレートジュースの場合)は、オレンジジュースよりもビタミンCの含有量が多めです。覚えておくと選びやすいかもしれません。
毎日の献立に少しずつ運動パフォーマンスを上げる食材をとり入れて、お子さんの基礎となる体をつくっていきましょう!
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記事監修
参考資料:アミノ酸 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」日本食品成分表2022八訂(医師薬出版 編)