「めちゃくちゃ」の語源は仏教語の変化という説
「めちゃくちゃな話」「順序がめちゃくちゃになる」などというときの「めちゃくちゃ」ですが、なんだか不思議な語だと思いませんか。語源は何なのでしょう?
確実なことはわからないのですが、もとは仏教語だという説があります。アイヌ語の研究者としても有名な国語学者の金田一京助などが唱えた説です。仏教語の「無作(むさ)」から生まれた語ではないかというのです。
仏教語の「無作(むさ)」は、作為のないこと、自然のままであることという意味です。この「無作」が変化して「むちゃ」になり、さらに変化して「めちゃ」になったというのです。
「むちゃ」は「むちゃを言うな」「むちゃはするな」のように、筋道が立たず、道理に合わないことや、程度がはなはだしいことをいう語です。「むちゃくちゃ」とも言います。「無茶」「無茶苦茶」とも書きますが、これは当て字です。
「滅茶苦茶」「目茶苦茶」は当て字
「めちゃ」も「むちゃ」と同じような意味で使いますが、「めちゃ」と単独で使うよりは、「めちゃくちゃ」「めちゃめちゃ」の形で使うことの方が多いようです。「滅茶苦茶」「目茶苦茶」などとも書きますが、やはり当て字です。
ところでもう一つの「くちゃ」が問題です。これは何だと思いますか?
実は語調を整えるために添えた語なのです。ということは、「くちゃ」には特に意味はないのです。
「めちゃ」「むちゃ」の強めが「めっちゃ」「むっちゃ」
ところで、「めちゃ」「むちゃ」は程度がはなはだしいという意味を強めて、「めっちゃ」「むっちゃ」とも言います。
そして、最近では、「めちゃくちゃ」「むちゃくちゃ」も「めっちゃ」「むっちゃ」も、「~かわいい」「~楽しい」「~怒られる」のように副詞的に用いて、プラス、マイナスどちらでも程度のはなはだしいさま、という意味で使われることが増えています。
これらはことばの用法としては間違いではありませんが、俗語っぽい言い方ですので、使う場面には注意が必要です。