習い事をやめさせたい母と続けたい息子。子どもの自主性 vs 保護者判断、どっちを優先?【現役教諭の子育て相談室】

月刊誌『小学一年生』に寄せられたパパママからのお悩みに、現役の小学校の先生がお答えします。今回のお悩みは、子どもの習い事に関して。子どもはやめたがらないけれども、親として問題を感じているときに、どう対処すればいいのか伺いました。

Q:習い事をやめさせたい母と続けたい息子。どうすればいい?

息子はスポーツ系の習い事を一年近く続けています。ところが、指導方針やいじめをする子への対応をみていて、このままここで続けさせてよいのだろうかと、疑問を持つようになりました。私はやめさせたいと思っていますが、息子は続けたいと言っています。息子の言うとおりに続けさせるのか、どうすればよいか迷っています。 (M さん)

A:当事者であってもなくても指導者に確認・相談しましょう。

お子さんはどんなスポーツをされているのでしょう。詳しく書かれていないので、「習い事」でのこととしてお話しますね。

まず気になったのは、「いじめがある」ということです。学校でいじめが起きた場合、先生たちは直ちに対処していくべき事案です。習い事も同じく、親御さんが少しでも不安を感じることがあれば、指導者にたずねてもいいと思います。それは当事者であっても、なくても同じです。

Mさんと同じように疑問を抱いている保護者はいらっしゃいますか?  もし1人で行くのが心細いのであれば、声を掛け合い数人で出向いてもいいと思いますよ。

息子さんが「続けたい」と言うのなら、指導者に確認・相談してから、どうするか考えても遅くはないでしょう。指導者と話した結果、誤解があればやめずにすむかもしれませんしね。

ただし、いじめなどで命に関わることが認められるようでしたら、やめることを視野に入れてもよいでしょう。わが子の命に代わるものはありませんし、わが子を守れるのは親しかいないからです。

親が習い事をやめさせる決断をして、一番困るのは、子どもが「続けたい」と言ったとき。まさにMさんがこの状況なのだと思います。

まずは近くに代わりの習い事があるかどうかをリサーチし、リストアップしておきましょう。「ほかにいいところがあるよ」とプレゼンするためです。お子さんに話すのはそれからです。

その際、親の毅然とした態度を見せることが重要です。なぜやめさせたいのか、子どもの気持ちに向き合い、誠意をもって伝えましょう。

まだ1年生ですから、親の考えを理解できないこともあるでしょう。そのときは納得してもらえなくても、「あのときはこうだったんだ」と後々理解してくれるかもしれません。

今、大切なのは、冷静に判断すること。指導者の話を聞いた上で決断してくださいね。

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私がお答えしました

佐々木陽子先生 | 公立小学校教諭
低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。
『小学一年生』2024年1月号別冊『HugKum』
イラスト/かまたいくよ
構成/天辰陽子

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

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