【4月7日まで18歳以下無料!】「江戸東京たてもの園」でレトロなジブリのような世界を満喫!春休みの子連れお出かけにオススメ

博物館というと堅苦しい感じがして、子連れだと気軽に行けないことも...。でも「江戸東京たてもの園」は気兼ねなく、歴史ある建造物を楽しむことができます。大正ロマンな素敵なカフェなどもあり、まるでテーマパークの様な「江戸東京たてもの園」。今回は、その中でも、ジブリ映画の「千と千尋の神隠し」のモチーフになったオススメスポットを厳選してご紹介します。4月7日まで18歳以下は入場無料なので、春休みのお出かけ先にもおすすめです。

江戸から昭和までタイムスリップ!

スタジオジブリ映画の「千と千尋と神隠し」で作画の参考にされた「江戸東京たてもの園」の下町中通り。江戸から昭和のレトロな建物が並びます。

「江戸東京たてもの園」は、都内に存在した江戸時代前期から昭和中期までの文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・展示をしている東京小金井にある野外博物館です。戦争や災害、時代の流れにより多くの貴重な歴史的建造物が失われて来る中、「江戸東京たてもの園」は、東京の貴重な文化遺産を次代に継承する大切な役割を果たしています。

「江戸東京たてもの園」の市川園長。後方は、1925年(大正14)に郊外住宅地の一つである大田区田園調布に建てられた田園調布の家(大川邸)。当時としては珍しい全洋室の邸宅。

今回、歴史的背景も含めて、市川園長から詳しい話を伺いながら、レトロモダンな世界を堪能してきました。スタジオジブリの映画のスポットを中心に見どころをご紹介したいと思います!

湯婆婆の“油屋”のような「子宝湯」

「千と千尋の神隠し」に出てきそうな銭湯の「子宝湯」。

まずは、スタジオジブリの長編アニメーション映画の「千と千尋の神隠し」に出てきそうな「子宝湯」を訪れました。関東大震災後の復興期の1929年に足立区に建てられた、東京の銭湯建築を代表する豪奢な作りの銭湯です。

「子宝湯」の屋根の下にある宝船に乗る七福神の彫刻。

正面中央には「唐破風(からはふ)」と呼ばれる大きな屋根の装飾が目をひきます。その下には七福神の見事な彫刻もあり、宮大工を呼び寄せて建てたという神社仏閣を思わせる作りで見応えがあります。

屋根の上に飾られた大黒様。

屋根からは大黒様が笑いかけてくれるようです。

「子宝湯」の男湯と女湯に分かれた入口。真ん中に番台がある昔ながらの銭湯に懐かしさを覚える昭和生まれの方も多いと思います。

「子宝湯」は中に入って見学ができます。子どもたちは入口で男女が分かれた銭湯は初めて。普段は見ることができない性別の側のお風呂ものぞけるのが博物館の醍醐味ですね。

これぞ、銭湯!という「子宝湯」の男湯にある富士山のペンキ絵。

なんと、脱衣所だけでなく、銭湯の浴室スペースにも入ることができます。大きな富士山のペンキ絵に圧倒されます。ペンキ絵は、浴室壁画のブリキ版などに描かれた画で、平成5年の時点で東京ではペンキ絵を描く職人は4人しかいなくなってしまったそうです。

女湯の洗い場の「猿蟹合戦」のタイル絵。

洗い場には「猿蟹合戦」などのタイル絵も飾られていてとても華やか。女湯は子連れのお客さんが多いので、子どもが喜ぶ題材のものが描かれているとのことです。ほっこりする嬉しい心遣いです。

薬箱に似た箱がいっぱい!釜爺の仕事場「武居三省堂」

200本近い筆が入る桐箱が並ぶ文具店「武居三省堂」の店内。昭和30年代の店内を再現。

お次は、千代田区神田で明治初期に創業した文具店「武居三省堂」です。あの釜爺のボイラー室にある薬箱そっくりな小箱が壁一面に!まるで「油屋」に迷い込んだようで、親子で大興奮。映画では釜爺が小箱から薬草を取り出していましたが、書道用品の卸売り店で、筆などを入れる棚だったとのことです。

外観もレトロな雰囲気の「武居三省堂」。

建物は関東大震災後に建てられ、より耐火性のある「看板建築」で前面がタイル貼りになっています。趣のある外観も見どころです。

ジブリの世界観を感じるスポット

武居三省堂」と「下町中通り」の全体の雰囲気が、スタジオジブリの作品の作画の参考になったとのことです。その他にも正式には発表されていませんが、似ていると話題のジブリの世界観が楽しめるスポットがたくさんあるのでご紹介したいと思います。実際に訪れてみて、似てるかも!と、お気に入りのジブリスポットを発見するのも楽しいですよ。

千尋の両親が豚に!?居酒屋「鍵屋」

居酒屋の「鍵屋」の暖簾がかかった入口。江戸時代に建てられ、店内は昭和45年頃の内装を再現しています。

こちらの「鍵屋」は、台東区下谷の言問通りに幕末から営業していた居酒屋さんです。訪れた人が「千と千尋の神隠し」の物語の冒頭で、両親が料理を食べて豚になってしまうシーンのお店に似ていると話題のスポットです。(*あくまでも訪れた方が似ているとSNSなどで話題にしたり、筆者の個人的な見解です。)

暖簾をくぐると「いらっしゃい」と店主の声が聞こえそうな、当時の様子を再現した店内。

震災や戦火を免れ、「江戸東京たてもの園」に移築された建物は1970年(昭和45年)頃の状態のまま。店内に入ると一杯、ひっかけたくなってしまう雰囲気です。

ハクが飛び込んできそう!?「高橋是清邸」

「高橋是清邸」の2階の窓辺。庭園も見応えがあります。

明治から昭和のはじめにかけて国政を担った高橋是清の住まいの主屋部分です。是清の書斎や寝室として使われた2階は、千尋がくつろいでいる「油屋」の女中部屋の窓辺や白龍(ハク)が、千尋のいる窓へ飛び込んでくるシーンを思い出しました。職人の技が際立つ美しい部屋ですが、1936年(昭和11)の2・26事件の現場になりました。

レトロ可愛い都電

屋外展示物の一つの都電7500形。

千尋が銭婆に会いに行く電車を連想させる都電です。中に入って乗車することもできます。渋谷駅前を起終点とし、新橋・浜町中ノ橋・(神田)須田町まで走っていた車輌です。都電は荒川線を除いて1963年(昭和38)から順次廃止されました。

手こぎのポンプ式井戸

「下町中通り」の裏路地も映えスポットがたくさんあるのでお見逃しなく!

こちらは、「トトロ」の世界観を感じさせる昭和の裏路地。てこぎのポンプ式の井戸は実際に水を汲むことができます。子ども達は、初めて体験するポンプ式の井戸に大喜びでした。

ドラえもんに出てくる空き地のような土管で遊べる!

「東ゾーン」のドラえもんの世界観のような空き地の土管。
「東ゾーン」の一押しが、ジブリ関連ではないのですが、「ドラえもん」に登場する空き地のような土管のエリアです。土管しかないのに、子ども達は、土管を昇り降りしたり、空き地を走り回ったり、とても楽しそうでした。昔は、空き地しかなくて、それでも子ども達は十分楽しかったのだろうなぁと親としても考えさせられました。
土管で遊ぶ子ども達。楽しいスポットが園内の至る所にあるのも野外博物館の醍醐味です。
ぽっかりと空いたスペースなので、これから何かできるのかと聞いたところ、市川園長いわく、昭和の世界観をよりリアルに作り出すために、空き地のスペースに土管を設置することで、昔ながらの木造建築が並ぶ街並みの中に、建築資材や土管が置いてあった空き地がどこにでもあった高度成長期の東京の風景を再現したそうです。
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