海開きとは?
夏が近づいてくると、海開きのニュースがよく報じられます。海開きには、どんな意味があるのでしょうか?
海開きの意味
海開き(うみびらき)とは、その年に海水浴場を開設することを意味します。海開きが行われると、一般の人々がその海で海水浴を楽しむことができます。
日本各地に海水浴場があり、そこでは人々が海に入る時期になると監視員やライフセーバーを配置し、クラゲやサメから守るためのネットなどを設置し、海の家がオープンして営業を開始します。これらの準備が整い、海水浴場が正式にオープンする日のことを海開きというのです。
海開きの由来
海開きと同じような意味で、山開きがあります。これは、一般の人々の登山が許可される時期に、山小屋が営業を開始し、登山者を迎える準備が整えられることをいいます。修行僧など一部の人しか入山できない山で、安全祈願や神様から許しを得るための儀式のような意味がありました。この山開きの習慣にならって、海開きという習慣も生まれました。
海開きの場合は、その年の気温や水温のほか、水質や危険なものが漂着していないかをチェックし、安全が確認されてから海開きをいつにするか決められます。
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海開きが行われる時期
海開きはいつごろ行われるのでしょうか? 地域によって異なる海開きの時期を見てみましょう。
沖縄
日本で一番早く海開きが行われるのは沖縄です。沖縄の中でも地域によって若干異なりますが、だいたい3月下旬から4月上旬にかけて海開きが行われ、10月頃まで海水浴ができます。海開きしている期間は約6か月と、1年のうち半分くらい海水浴を楽しめることになります。
ちなみに2024年に沖縄で海開きが行われたのは、石垣島で3月16日、瀬底島の瀬底ビーチで3月20日、糸満市の美々ビーチいとまんでは3月24日でした。
和歌山
和歌山県白浜町の白良浜海水浴場は、本州一早い海開きをアピールしているスポットです。2024年は、5月3日のゴールデンウィーク中に海開きしました。白良浜海水浴場は関西地方からレジャーで遊びに行く人が多いビーチで、8月末まで海水浴ができる予定です。
東京・関東
東京や神奈川、千葉などの関東の海開きは、梅雨明けになるのが一般的です。その年の梅雨明けの時期によって変動しますが、だいたい7月上旬に海開きになるところが多くなっています。
東京の葛西海浜公園は、2023年は7月16日の3連休に海開きが行われました。また神奈川県茅ヶ崎市のサザンビーチちがさきでは、2023年は7月1日に海開きが行われました。
北海道
日本で最も北にある北海道では、海開きも遅めになるかと思う人が多いでしょう。しかし梅雨がない北海道では、関東よりも早い6月に海開きするところもあります。
2023年に北海道で海開きが一番早かったのは、小樽市のおたるドリームビーチです。2023年は6月23日に海開きして、8月31日まで海水浴場が開かれました。
海開き前に海に入っていいの?
海開きしていない海では、泳いだり楽しんだりしてはいけないのかと思われるかもしれません。しかし「海開きする前の海に入ってはいけない」というルールがあるわけではありません。
ただし海開きした海では、監視員が監視を行い、水質のチェックが行われ安全が確認されているため、より安全に遊べるといえます。
海で安全に遊ぶために知っておきたいこと
子どもはもちろん、大人も楽しめる海でのアクティビティですが、同時に危険も伴うことを忘れてはいけません。家族で安全に海で遊ぶために、あらためて注意点を確認しておきましょう。
遊泳禁止区域では海に入らない
海水浴場では、安全に遊泳できるエリアと、そうではないエリアが区切られています。ブイやネットで区切られた遊泳禁止区域には、絶対に入らないことが鉄則です。遊泳禁止区域では水上バイク、レジャーボートなどが行き来する可能性があり、とても危険です。必ず遊泳できるエリア内で遊びましょう。
「離岸流」に注意!
海には流れがあり、知らないうちに沖に流されてしまうことも考えられます。覚えておきたいのは、離岸流です。これは海岸に向かって波が打ち寄せたあと、沖に戻ろうとするときに発生する流れのこと。離岸流は強く流れも速いため、水泳選手でも逆らって泳ぐのは難しいといわれています。離岸流がある場所にいると、あっという間に沖に流される可能性があります。
もし沖に流されていると気づいたら、流れに対抗して岸の方向に向かって泳ごうとせず、浜辺と平行に泳ぐようにして。離岸流の流れではなく、沖から岸へ向かって流れのあるところに行けば、岸に戻りやすくなります。泳ぎに自信がないなら周囲の人に助けを求めて、無理に泳ごうとせず浮いて救助がくるまで待つようにしましょう。
日差しにも警戒を
海は日差しが強く降り注ぐ場所です。空からの紫外線に加えて、地面や海面からも照り返しがあるので、「思っている以上に日焼けした」という経験のある方も多いでしょう。しっかり日焼け止めを塗って、必要ならラッシュガードを用意するといいでしょう。
危険生物にも注意して
海には危険な生物がたくさんいます。地域を問わず、日本全国の海水浴場で被害に遭いやすいのがクラゲです。クラゲに刺されたらアナフィラキシー症状を起こすことがあるため、すぐに海から上がりましょう。
クラゲの触手が残っているなら、それを手袋やピンセットなどで抜きます(素手で抜くのはNG)。触手がない場合は、海水でやさしく洗い流しましょう。
その他にも、海辺にはヒトデなどの生物もいます。このような危険生物に刺されるようなことがあったら、ライフガードや救護室に助けを求めるようにしましょう。
子どもから目を離さない
海は楽しい場所ですが、危険もたくさんあります。迷子にならないようにするのはもちろん、流されたり溺れたりしないように、子どもからは目を離さず、常に今どこにいるか見守りましょう。
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海開きを楽しもう!おすすめイベント
海開きの際に行われる、おすすめイベントをご紹介します。
片瀬海水浴場(神奈川県藤沢市)
湘南でおなじみの片瀬海水浴場では、2023年は7月1日に海開きを行いました。当日はビーチクリーンのイベントが行われたほか、8月末までの海開きの期間には花火大会などのイベントも盛りだくさんです。
熱海サンビーチ(静岡県熱海市)
関東から小旅行を楽しめるスポットとして知られている熱海。熱海サンビーチや長浜・網代温泉海水浴場では、2024年7月6日に海開きが行われ、8月25日まで海水浴を楽しめます。同じ時期に海上花火大会が開催されたり、夜に砂浜がライトアップされたりと、人々でにぎわいます。
ルールを守って海を楽しもう
毎年のように溺れたり行方不明になったりと、海での事故が起きています。海では、子どもも大人も安全に注意して過ごさなければなりません。そのためにも、海の家がありライフセーバーがいる安全な海水浴場に出かけたいものです。海開きが行われた海水浴場で、安全に十分気を付けて楽しく過ごしましょう。
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構成・文/HugKum編集部