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日本で出回る主なまぐろの種類は?
普段、みなさんが食べているまぐろは、何まぐろがご存じでしょうか? 日本で出回っているまぐろは、主に「本まぐろ」・「ミナミマグロ」・「メバチマグロ」・「キハダマグロ」・「ビンチョウマグロ」の5種類です。その特徴などをチェックしていきましょう。
高級品なら「本まぐろ」「ミナミマグロ」
高級品として、寿司店や料理屋などで出されるのは「本まぐろ」「ミナミマグロ」がほとんどでしょう。大トロがとれるのもこの2種だけなんです。
・本まぐろ
本まぐろは、「クロマグロ」のことをいい、刺身や寿司として食べられることが多く、まぐろの中でも高級品とされています。大トロがとれるのは、この本まぐろとミナミマグロだけ。その中でも国産のものは最高級品とされ、高値で取引されます。
日本近海から北太平洋や大西洋で漁獲され、3mにもなる黒く光る大きな魚体から、「黒いダイヤ」と呼ばれているそうです。
・ミナミマグロ
本まぐろに次いで高級とされているのが、ミナミマグロです。別名「インドマグロ」とも呼ばれています。本まぐろと同じで大トロがとれる種類ですが、体長は本まぐろよりも小ぶりな約2.5m。
ミナミマグロの旬は夏で、南半球で漁獲されます。しかし、最近ではミナミマグロの養殖が盛んに行なわれているため、年中ミナミマグロを楽しむことができます。
スーパーや回転寿司で多く出回るのは「メバチマグロ」「キハダマグロ」「ビンチョウマグロ」
目が大きくぱっちりしていることから、「メバチマグロ」と呼ばれるようになったといわれています。大きさは最大2.5mくらいになる中型種。全世界の温暖海域で漁獲されます。
旬は秋から冬にかけてです。メバチマグロは中トロがとれますが、本まぐろに比べると、あっさりとした味わいで、特に関西で好んで食べられる傾向があります。
・キハダマグロ
日本近海でとれるものは、大きくても1.5m程度の中型種。身は薄いピンク色をしていて、脂肪分が少なく、あっさりとした味わいです。しっかりとした身は崩れにくく、刺身や寿司に適しています。
旬は初夏や初冬ですが、輸入のものも多く、年間を通して食べることができます。価格が安定しているため、スーパーなどでお買い得品として売られていることも多いでしょう。
・ビンチョウマグロ
ビンチョウマグロは体長1.4mほどでマグロの中でも小型種になり、薄いピンク色をした身は、クセがなくあっさりとしています。
旬は冬で、脂がのったものを冷凍した「ビントロ」は、トロのような味わいを楽しめると、回転寿司などで人気です。漁獲量が多いため、リーズナブルな価格で売られています。また、ツナ缶の材料としても使われることが多い品種でもあります。
【ご当地その1】まぐろといえば青森! 大間だけじゃない「深浦まぐろ」も絶品
青森のまぐろといえば、大間のまぐろを思い浮かべる方も多いのでは? 大間のまぐろは全国的に「高級天然まぐろ」として有名ですよね。
しかし、青森のまぐろは大間だけではありません。青森におけるまぐろの漁獲量の約半分を占めるのは、日本海側の深浦地区でとれたものなんです。深浦は青森県のまぐろ漁獲量ナンバーワンを誇ります。
深浦まぐろは、夏が旬
大間と同じで、深浦でとれるのも「本まぐろ」ですが、深浦のまぐろは「夏まぐろ」と呼ばれ、春から夏にかけて日本海を津軽海峡に向けて北上する際に漁獲されます。
一方で、大間は冬に漁獲されたもので、冬まぐろと呼ばれているんです。
味は大間に負けない美味しさ
深浦まぐろは、大間まぐろよりも小ぶりですが、しっとりとした赤身は、ほどよく脂がのっていて美味しいと評判です。また深浦まぐろは、大間まぐろよりもシーズンが長いため価格もリーズナブル。そして長い期間、新鮮で美味しいまぐろを楽しむことができるのも魅力の一つです。
新ご当地グルメ「深浦まぐろステーキ丼」
大間のまぐろに隠れがちな、深浦まぐろの美味しさを知ってもらいたいという思いで生まれたのが、新ご当地グルメ「深浦まぐろステーキ丼」です。
深浦でとれた天然まぐろの3種の小どんぶり(刺身丼・片面焼き丼・両面焼き丼)がセットになっていて、深浦のまぐろを贅沢に楽しむ御膳です。
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【ご当地その2】静岡県は、冷凍まぐろの水揚げ量日本一
静岡県清水漁港には、世界中で釣られた冷凍まぐろが集まります。本州のほぼ真ん中に位置するという立地や、その利便性などから、多くのまぐろ船が清水漁港に冷凍まぐろを水揚げするようになったそうです。
清水漁港に水揚げされるまぐろの中で一番多いのは、メバチマグロ。
メバチマグロは、しっかり脂がのっていて、本まぐろやミナミマグロに次ぐ美味しさとして、刺身や寿司に用いられます。手頃な価格で入手できるため、多くの人に親しまれてきたまぐろです。
まぐろグルメを楽しめる市場「河岸の市」
多くの冷凍まぐろが集まる清水漁港周辺には、「新鮮で美味しい魚をもっと気軽に食べてほしい」という思いからつくられた「河岸の市」という市場があります。さまざまな魚介類・海産物などが売られていたり、レストランで食事することができます。
その中に「まぐろ館」というエリアがあり、そこでは清水漁港で水揚げされたまぐろを使った「中トロ丼」や「大トロ丼」など、新鮮で美味しいまぐろグルメを堪能することができるんです。
【ご当地その3】和歌山県勝浦漁港は、生まぐろの水揚げ量日本一
和歌山県勝浦漁港は全国屈指の生まぐろの産地です。主に「本まぐろ」「メバチマグロ」「キハダマグロ」「ビンチョウマグロ」の4種の生まぐろが水揚げされます。
1~5月頃に水揚げされる本まぐろ以外は、一年を通して水揚げされますが、どのまぐろも脂がのって美味しい旬の時期は、12~2月の寒い時期なのだそうです。
丁寧に活き締めされ、冷水につけられる
勝浦漁港で水揚げされるまぐろは、主に、はえ縄漁法により漁獲されたものです。釣り上げられてすぐに船上で活き締め処理が行なわれ、凍らないように冷水で保存されます。そのため、生のままでも新鮮さと美味しさを損なわずに水揚げされるのです。
勝浦漁港にぎわい市場で、とれたて生まぐろを食す
勝浦漁港周辺に『勝浦漁港にぎわい市場』があり、まぐろの解体ショーを目の前で見ることができるイベントも開催されています。
市場内には、勝浦漁港で水揚げされた、まぐろを食べることができるレストランや、まぐろの干物などの加工品、そのほか紀州産の海産物の販売もあり、勝浦を訪れたら立ち寄りたい市場です。
日本各地で美味しいまぐろを食べよう
日本には美味しいまぐろが食べられる港が多くあります。その中でも青森県の深浦漁港、静岡県の清水漁港、和歌山県の勝浦漁港について紹介してきました。
水揚げされるまぐろは、それぞれ異なります。現地を訪れたら、新鮮なまぐろの刺身や丼、ご当地まぐろ料理などを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)