お正月の1月5日に、旧築地や豊洲市場での初競りで毎年注目を集めるのが、「大間マグロ」です。「億」を超える高価格で取引されることから、近年では年明けの風物誌として注目を集め、毎年ニュースにもなります。その一方で、私たちが普段の生活で味わうためには、どんな方法があるのでしょうか? 現地に出向く他、ご自宅へのお取り寄せ方法などをご案内します。
大間マグロが食べられる食堂
高級寿司店でいただく大間マグロのおいしさは格別ですが、今回注目したいのは食堂です。漁師さんの活気を感じられるような、新鮮なマグロ丼を食べられるお店を集めました。
まぐろ長宝丸(青森県下北郡大間町)
自社の持ち船である、第十一長宝丸(ちょうほうまる)で漁を行い、獲れたマグロの直売と、食事を提供するお店が「まぐろ長宝丸」です。なんと、伝説の440㎏のマグロを釣ったことで有名な、漁師さんのお店です。
大トロ、中トロ、赤身の「まぐろづくし丼(お味噌汁、茶碗蒸し、お新香付き)」は3,780円からです。
魚喰いの大間んぞく(青森県下北郡大間町)
2013年の初売りで1億5,540万円という値がつけられたマグロを釣った漁師さんのお店が「大間んぞく」です。
美好丸による一本釣りで釣り上げたマグロを使った「マグロ丼」が2,900円から。ウニ、あわび、その他のおいしいお刺身も、季節により豊富に選べます。
すし処 三國(青森県青森市新町)
下北半島の突端まで行かずとも、行きやすい青森市内でも、大間マグロが食べられるお店はたくさんあります。
中でも、地下にある市場内で営業するお寿司屋さん「寿し処 三國」は、漁師町を感じられる雰囲気があります。マグロの中落ち丼が、千円程度で食べられます。
青森きっちんPOPE(青森県青森市新町)
青森駅の東口に位置するお店「青森きっちんPOPE」です。海鮮丼を中心に、青森県の郷土料理が味わえますよ。人気の「まぐろ三色丼」は1,100円から。「上海鮮丼」は2,300円からです。丼だけでなく、定食、単品まで幅広いメニューがある大衆食堂です。
大間マグロ丼のお取り寄せ
ご自宅で手軽にお取り寄せができる方法も注目です。冷凍で届くので、漁の時期に左右されず、安定した味で手に入ります。最高級のマグロを、お家で食べてみませんか?
200gの柵を2本なら、刺身5人前が目安の量です。
大間産本マグロ切り落とし(100g×4パック)
大間産本マグロの切り落としが、食べ切りサイズで届く嬉しいお取り寄せ。マグロ丼はもちろん、手巻き寿司、刺身など、食べ方は自由に楽しめます。ギフトにもおすすめ。
まぐろ食べ比べ福袋
大トロ柵、ネギトロ、本マグロのたたき、本マグロ切り落とし、びんちょうマグロ切り落としのセットです。お子さんから、お年寄りまで、お好み別に対応できる内容が揃っています。
自宅でマグロ丼! 作ってみた
ここでは冷凍マグロを取り寄せて、マグロ丼を作ってみます。
柵と呼ばれる長方形の形を切り出す際、どうしても出てしまう余りの部分は、「切り落とし」と呼ばれ、比較的安価で手に入れることができます。この身を使って、解凍と、丼への盛り付けまでをご覧ください。
・解凍
解凍は、冷凍庫から冷蔵庫へ移して5~6時間たつと、自然解凍ができます。ご家庭でできる、もっとも味を落とさない解凍方法です。
時間がない場合は、流水解凍もできます。20分程度で完了ですが、水温が高い季節は、刺身の温度も温まってしまいます。半解凍のうちに引き上げるか、もしくは再度冷やし直してから、お召し上がりください。
・盛り付け
ご飯の上に、解凍したマグロをのせ、お好みで海苔やネギ、大葉などを添えてください。最後に、しょうゆにワサビを溶き、回しかけてお召し上がりください。
食べに行くなら、いつがおすすめ?
本州最北端に位置する下北半島の大間町は、津軽海峡に面する港町です。「マグロの町」として名高いこの地にお出かけする際のポイントや時期について、まとめました。
場所
大間の港に水揚げされ、荷受けされたマグロだけが「大間マグロ」の名前で呼ばれます。
この港に面する津軽海峡は、日本海と太平洋を結ぶことから、黒潮、対馬海流、千島海流の3つが流れ込み、たくさんの良質なプランクトンが生息しています。身の厚いイカや、イワシなども多く水揚げされる優良漁場。食物連鎖の頂点に立つ本マグロは、この海で最高級の肉質へと育ちます。
時期
マグロ漁の旬は、水温が低くなる秋から冬。8月~1月にかけてが旬の時期です。この時期のマグロは大型で、上質な脂がのります。
漁が本格化する9~10月には、日曜日限定でイベントも豊富に開催され、マグロの解体ライブショーや、さばきたてのマグロ即売会など、活気のある雰囲気が楽しめますよ。
ただし、時化(しけ)による中止もありますから、随時、現地の情報をチェックしてください。
東京
大間産のマグロの多くは、県外に出荷されます。中でも有名なのは、東京、豊洲市場です。
マグロのプロ達による目利きにより厳選されて各店舗へと届けられることから、値段は高価ですが、ブランドの味を堪能することができます。
漁の最盛期には、都内の百貨店で催される、期間限定のイベントもあるので、チェックしてみてください。
値段
2023年の築地の初競りで、212㎏の大間マグロが3,604万円もの価格で取引されました。本マグロは、過食部だけを取り出すと約50%しかありません。1g当たりの値段を計算してみると、1gが106円! 寿司ネタはだいたい10gの切り身ですから、一貫は1,060円にも‼
通常の小売りでも、部位や季節によって大きく変動があります。100gの赤身で600~1,200円程度、同量の中トロが800~1,800円程度、大トロなら1,300~3,000円が目安です。
マグロ好きなら一度はぜひ
最高級マグロとして有名な大間のマグロ丼、一度は食べてみたいものですね。現地へ出向くほか、ネットによる通販もご利用できます。部位によっては、案外低価格で手に入れることもできます。マグロ好きの方は、最高級の味を確かめるため、購入してみてはいかがでしょうか? 北の海から届く豪華な鮮魚を、ぜひおいしく味わってくださいね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)